Install Navigator for Oracleを使用した、Oracle9i Databaseのインストール方法を解説します。詳細につきましては、Oracle9i Databaseのインストールガイドおよびリリースノートをご覧ください。
Oracle のインストール作業に入る前に、以下のものを準備してください。またOracle9i に付属の「リリースノート」には、制限事項や注意事項が記載されているので、必ず目を通してください。
Oracle9i Databaseをインストールするには、下記の要件を満たしている必要があります。
メモリ | 512MB以上 |
ディスク空き容量 | 3.5GB以上(モジュール2.5GB、初期DB 1GB) /tmpに400MB以上※ |
スワップ領域 | 搭載メモリの2倍、もしくは512MB以上の大きい方以上 |
※ /tmpが不足しているときの対応策
/tmpの空きディスク容量が不足しているときには、環境変数TEMPとTMPDIRに、空きがあるディレクトリを指定することで、この問題を回避できます。ただし、Install Navigator for Oracleでは、内部的にoracleユーザーにsuしているので、rootユーザーに設定しても効果はありません。
400MB以上空きがあるパーティションにディレクトリを作成します。
# mkdir /opt/tmp
# chmod 1777 /opt/tmp
oracle ユーザーに環境変数TEMPとTMPDIRを追加します。「12.Oracle用の環境変数の設定」で[その他の環境変数に典型的な値を設定]のチェックを外します。これで環境変数を追加できるようになります。「15.他の環境変数の設定」で次の2つの環境変数を追加します。
TEMP=/opt/tmp
TMPDIR=/opt/tmp
また一度インストールに失敗したときには、oracleユーザーの.bash_profileに環境変数を追加します。
# su - oracle
$ vi .bash_profile
export TEMP=/opt/tmp
export TMPDIR=/opt/tmp
Oracle9i Database Release 2(9.2) for Linux Itaniumでは、インストール時にJDKのインストール先ディレクトリを入力するように求められます。そのため事前にJDKをインストールする必要があります。なおJDKは、J2SEやJ2SDKと表記されることもあります。
Itanium 用のJDKは、サンマイクロシステムズ社のWebサイトからダウンロードしたものか、MIRACLE LINUX 64bit Edition のインストール CD に収録されているものを使用します。今回は、MIRACLE LINUX 64bit Edition のインストールCDに収録されているSun J2SE v 1.4.2を使用します。
インストールCDをマウントします。
$ su - # mount /mnt/cdrom |
JDKは、Javaディレクトリに収録されています。ファイルを展開するために、ハードディスクにコピーします。
# cp /mnt/cdrom/Java/j2sdk-1_4_2-linux-ia64-rpm.bin /tmp
コピーしたファイル実行すると、使用権許諾の条項が表示されたあとに、質問が表示されます。同意できるときには「yes」と入力します。するとj2sdk-1_4_2-linux-ia64.rpmが展開されます。
# ./j2sdk-1_4_2-linux-ia64-rpm.bin Sun Microsystems, Inc. Binary Code License Agreement for the JAVATM 2 SOFTWARE DEVELOPMENT KIT (J2SDK), STANDARD EDITION, VERSION 1.4.2_X SUN MICROSYSTEMS, INC. ("SUN") IS WILLING TO LICENSE THE SOFTWARE IDENTIFIED BELOW TO YOU ONLY UPON THE CONDITION THAT YOU ACCEPT ALL OF THE TERMS CONTAINED IN THIS BINARY CODE LICENSE AGREEMENT AND SUPPLEMENTAL LICENSE TERMS (COLLECTIVELY "AGREEMENT"). PLEASE READ THE AGREEMENT CAREFULLY. BY DOWNLOADING OR INSTALLING THIS SOFTWARE, YOU ACCEPT THE TERMS OF THE AGREEMENT. INDICATE ACCEPTANCE BY SELECTING THE "ACCEPT" BUTTON AT THE BOTTOM OF THE AGREEMENT. IF YOU ARE NOT WILLING TO 中略 Do you agree to the above license terms? [yes or no] yes Unpacking... Checksumming... 0 0 Extracting... UnZipSFX 5.42 of 14 January 2001, by Info-ZIP (Zip-Bugs@lists.wku.edu). inflating: j2sdk-1_4_2-linux-ia64.rpm Done. |
展開されたJDKをインストールします。
# rpm -ivh j2sdk-1_4_2-linux-ia64.rpm Preparing... ########################################### [100%] 1:j2sdk ########################################### [100%]
/usr/java/j2sdk1.4.2 ディレクトリにインストールされていることがわかります。
# ls /usr/java/j2sdk1.4.2/ COPYRIGHT README THIRDPARTYLICENSEREADME.txt demo jre man LICENSE README.html bin include lib src.zip
次にシンボリックリンクを作成します。Oracleのインストール時には、シンボリックリンクの方を入力することで、JDKのバージョンアップに柔軟に対応できます。
# ln -s /usr/java/j2sdk1.4.2 /usr/lib/jdk
MIRACLE LINUXは、Oracleデータベース最適化のため、下記の表のようにカーネルパラメータを設定しています。そのため特にカーネルパラメータ変更しなくても、Oracleを使用できます。今後チューニングなどの目的でカーネルパラメータを変更するときには、/etc/sysctl.confを変更してください。
ただし vm.nr_hugepages の値は、SGAのサイズに依存しているので、SGAのサイズにあわせて変更する必要があります。このパラメータに関する詳細は、Oracle9i Databaseのリリースノートをご覧ください。デフォルトでは、テンプレートで作成する初期データベースにあわせて設定しています。
カーネルパラメータ | 設定値 |
---|---|
kernel.shmmax | 搭載メモリの1/2 |
kernel.sem | 250 32000 100 128 |
kernel.msgmni | 128 |
fs.file-max | 65536 |
fs.aio-max-size | 1048576 |
net.ipv4.ip_local_port_range | 1024 65000 |
vm.nr_hugepages | (Total SGA + hugeTLB -1)/(hugeTLB)の計算値 |
root でログインして、OracleのインストールメディアをCD-ROMドライブにセットします。デスクトップのCD-ROMアイコンを右クリックして[マウント]を選択するか、次のコマンドを実行することでCD-ROMをマウントできます。
$ su -
# mount /mnt/cdrom
Install Navigator for Oracle を起動するには、以下の3つの方法があります。いずれの場合も、必ずユーザー root で行ってください。
デスクトップの「インストール ナビゲータ for Oracle 」アイコンからの起動
GNOME メインメニューからの起動
GNOME メインメニューから 「プログラム」→「システム」を選択し、
ポップアップメニューの「インストール ナビゲータ for Oracle 」を
クリックします。
コマンドラインからの起動
次のコマンドを実行します。
# oranavi
Install Navigator for Oracle の起動画面が表示されます。
実行する項目を選択し、[次] をクリックしてください。
Oracleのインストールメディアを指定します。ローカルマシンのハードディスク上、もしくはネットワーク上のほかのマシンにあるときには、runInstallerのあるディレクトリを指定します。
![]() |
画面をクリックすると 「ソースメディアの選択」画面の 拡大画面が表示されます。 |
エラー |
---|
エラー |
---|
[前] をクリックすると「項目の選択」画面に戻ります。
[閉じる] をクリックすると Install Navigator for Oracle の
終了を確認する画面 が表示されます。
終了してよければ [OK] を、終了しない場合は [キャンセル] をクリックします。
インストールしようとするOracle製品のバージョンが表示されます。このままでよいときには[OK]をクリックします。インストールしようとしているものではないときには、[キャンセル]をクリックします。
インストールしようとするバージョンであることを確認して [OK] をクリックします。
[キャンセル] をクリックすると、
[CD-ROM] を選択していた場合には正しい CD-ROM の挿入を促す
画面が表示されます。
正しい CD-ROM を CD-ROM ドライブに入れ、[OK] をクリックします。
この画面で
[キャンセル] をクリックすると、「ソースメディアの選択」画面に戻ります。
[ハードディスク] を選択していた場合には正しい「パス」の入力を促す
画面が表示されます。
[OK] をクリックすると「ソースメディアの選択」画面に戻ります。
Oracle のユーザーアカウント情報入力画面が表示されます。
必要に応じて内容を修正して、[次] をクリックします。
前の画面の入力情報から修正したい場合には、[前] をクリックします。
[閉じる] をクリックすると Install Navigator for Oracle の
終了を確認する画面 が表示されます。
終了してよければ [OK] を、終了しない場合は [キャンセル] をクリックします。
警告 |
---|
Oracle のユーザー属性情報入力画面が表示されます。
必要があれば修正して、[次] をクリックします。
前の画面の情報を修正したい場合は、[前] をクリックします。
[閉じる] をクリックすると Install Navigator for Oracle の
終了を確認する画面 が表示されます。
終了してよければ [OK] を、終了しない場合は [キャンセル] をクリックします。
エラー |
---|
Oracle 用の環境変数入力画面が表示されます。
NLS_LANG 等、他の環境変数を独自に設定したい場合は、[その他の環境変数に典型的な値を設定します] をクリックしてチェックをはずしてください。
必要があれば修正を行って、[次] をクリックします。
前の画面の情報を修正したい場合は、[前] をクリックします。
[閉じる] をクリックすると Install Navigator for Oracle の
終了を確認する画面 が表示されます。
終了してよければ [OK] を、終了しない場合は [キャンセル] をクリックします。
[その他の環境変数に典型的な値を設定します] を選択した場合には(既定値)、
「Oracleのインストール確認」に進みます。
Oracle 用の環境変数 NLS_LANG 設定画面が表示されます。
表示されているものから選択する場合はその値をクリックし、表示されているもの以外に設定したい場合は、[その他] をクリックして入力欄に値を入力して、[次] をクリックします。
NLS_LANG設定のヒント 「NLS_LANG=Japanese_Japan.JA16EUC」と設定した場合、日本語のメッセージが選択されるため、コンソール上でOracleを使用すると文字化けが発生します。これはX-Windowを起動する前の標準コンソールが日本語に対応していないためです。konを使用すればコンソール上でも日本語を表示できますが、データベースの自動起動/停止時のメッセージは、コンソール上に出力されるため、やはり文字化けは発生してしまいます。この文字化けは表示上の話しですので、使用上の問題はありません。また起動/停止時のログは /var/log/boot.log に保存されますので、あとで確認することもできます メッセージを英語にすることで、自動起動/停止時の文字化けの問題を回避できます。メッセージを英語表示にするときには、NLS_LANGに次のいずれかの値を設定します。
insert into foo values('02-12-31') また後者のように、言語(NLS_LANGの先頭部分)だけをAmericanにすることによって、メッセージだけを英語にして、日付などの表示はYYMMDDのような日本形式を使用することもできます。 |
追加される Oracle 用の環境変数のリストが表示されます。
表示された環境変数の設定を .bash_profile に追加してもよい場合は、
[はい] が選択されている状態(既定値)で [次] をクリックします。
既に示された環境変数の設定が追加されている場合は、
[いいえ] をクリックしてから [次] をクリックします。
他の環境変数の定義を設定することができます。
左の欄に設定したい環境変数名を入力し、
右の欄にその環境変数に設定したい値を入力します。
設定したいすべての環境変数(最大8個)の名前と値を入力したら、
[適用] をクリックしてから、[次] をクリックします。
設定する環境変数がない場合は、[次] をクリックしてください。
設定される環境変数の一覧が表示されます。
確認して [OK] をクリックします。
Oracle データベースのインストールを開始するかどうかの確認画面が表示されます。
すぐにインストールを開始する場合は [次] をクリックします。
もう一度設定項目等を確認したい場合は [前] をクリックします。
インストールを開始する前に他の設定等を行う場合は [閉じる] をクリックします。
Oracle Universal Installerが起動します。[Next]をクリックして、先に進みます。
インベントリを格納するディレクトリを指定します。
Oracle データベースのインストール管理者用のグループ名を指定します。一般には「oinstall」を指定します。入力し終わったら [Next] をクリックします。
このコンピュータにはじめてOracleをインストールするときには、rootユーザーで、/tmp/orainstRoot.shを実行するように表示されます。kterm を起動し、指定されたシェルスクリプトを実行します。
# /tmp/orainstRoot.shシェルスクリプトが終了したら、[Continue]ボタンをクリックします。
Oracleのインストール元とインストール先のディレクトリが表示されます。通常は、このまま[Next]をクリックして、先に進みます。
インストールする種類を選択します。Oracle9i Databaseをインストールするときには、一番上の[Oracle9i Database]を選択して、[Next]をクリックします。
インストールするOracleの種類を選択します。ライセンスを購入したものを選択してください。ここでは[Enterprise Edition]を選択します。
インストールするデータベースの種類を選択します。ここでは[General Purpose]を選択します。
グローバルデータベース名とデータベースのSIDを入力します。SIDには、環境変数ORACLE_SIDに指定した値、グローバルデータベース名には、SID+ドメイン名を指定します。
データベースのデータファイルの先となるディレクトリを指定します。
デフォルトのキャラクタセットでよければ、そのまま[Next]をクリックします。デフォルト以外を指定するときには、[Choose one of common character sets]を選択し、必要なキャラクタセットを指定してください。
JDKをインストールしたディレクトリを入力します。JDKインストール時にシンボリックリンクを作成しているので「/usr/lib/jdk」を入力します。
インストールするモジュールの一覧が表示されます。これでよいときには[Install]をクリックしてください。インストールが開始されます。
Oracle9i DatabaseのCD-ROMは3枚組みです。そのためインストール中に、次のようなCD-ROMを交換するメッセージが表示されます。そのときには、次のいずれかの方法でCD-ROMを取り出してください。
CD-ROMをセットしたら、mountコマンドもしくはCD-ROMアイコンでCD-ROMをマウントします。
インストールが終わると、root.shを実行するように表示されます。画面の指示に従って、rootユーザーでroot.shを実行します。終了したら[OK]ボタンをクリックします。
# /opt/oracle/product/9.2.0/root.sh
先ほどの画面でOKをクリックすると、各種構成ツールが自動的に実行されます。順調に進んでいるときには、このまま何もしなくても大丈夫です。
注意: このとき各ツールのステータスが「in progress」になったまま、全然進まないことがあります。そのようなときには中止したい構成ツールを選択し、[中止(STOP)]を押して、そのツールの実行を停止してください。それでも状況が変わらないときには、ウィンドウ右上の終了ボタンをクリックしてインストーラーを強制終了してください。インストールが正常していない旨のメッセージが表示されますが、Oracle自体のインストールは正常に終了しています。インストール終了後、各ツールを個別に起動して再設定するか、手動で設定してください。 |
各構成ツールが順調に終了すると、Database Configuration Assistantが自動的に起動しデータベースを作成します。
データベースの作成が終わると、パスワードの入力画面が表示されます。SYSとSYSTEMのパスワードを入力します。CHANGE_ON_INSTALLやMANAGERといった従来のパスワードは使用できないので注意してください。
これでインストールは終了です。[Exit]をクリックして、インストーラーを終了します。
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