Name

smb.conf — Samba システムの設定ファイル

SYNOPSIS

smb.conf ファイルは Samba システムの設定ファイルである。smb.conf には、Samba システムの各プログラムが実行時に参照する 設定情報が記述される。smb.conf ファイルは、swat(8) プログラムによって設定、 管理されるように設計されている。 以下ファイルの形式と設定可能なパラメータに関して網羅的に記述する。

ファイルの形式

ファイルはセクションとパラメータから構成される。セクションは、“[” と “]” 文字で囲まれたセクション名で始まり、次のセクションが始まるまで 続く。セクション内には以下の形式でパラメータが記述される:

パラメータ名 = パラメータ値

ファイルは行を基本単位とし、改行で終了する各行は、コメント、 セクション名、パラメータのいずれかを表す。

セクション名およびパラメータ名は大文字と小文字を区別しない。

パラメータを示す行では、最初の “=” 文字に重要な意味がある。 最初の “=” 文字の前後の空白文字は破棄される。 セクション名およびパラメータ名の先頭、 途中、末尾にある空白文字は 無視される。パラメータ値の先頭と末尾にある空白文字も無視される。 ただし、パラメータ値の途中にある空白文字はそのまま意味を持つ。

セミコロン (“:”)、シャープ (“#”) で始まる行や、空白のみの行は 無視される。

\” 文字で終わる行は、UNIX の慣習通り次の行へ継続する。

=” 文字に続くパラメータの値には、文字列 (引用符で囲む必要はない)、または真偽値を表す、yes/no、0/1、true/false のいずれかを記述する。真偽値の場合、大文字と小文字は区別されないが、 文字列の場合は、記述されたままの形で解釈される。 ファイルのパーミッションなど、幾つかのパラメータの値は数値となる。

セクションの説明

設定ファイル中の ([global] セクションを除く) 各セクションでは、 共有リソース (単に“共有”とも呼ぶ (訳注: 「サービス」とも呼ばれる)」) の設定が行なわれる。 セクション名は共有リソース名となり、 セクション内のパラメータは共有の設定に利用される。

[global]、[homes]、[printers] という 3 つの特殊なセクションに ついては、特殊なセクション で説明する。 以下の説明は、通常のセクションについてのものである。

共有の設定としては、アクセスを許可するディレクトリの指定と それを利用するユーザに対するアクセス権の指定がある。 その他いくつかの補助的なオプションの指定も可能である。

セクションは、ファイル共有サービス (クライアントからファイルシステムの延長として利用される) とプリントサービス (クライアントからサーバ上で動作している 印刷サービスにアクセスするために利用される) のいずれかに分類される。

セクションは、パスワードなしでアクセスできる ゲスト サービスとして構成することもできる。 この場合、UNIX 側で指定されたゲストアカウントの権限でアクセスが 行なわれる。

ゲストサービス以外のセクションにアクセスするにはパスワードが 必要である。通常クライアントからはユーザ名も提供されるが、 年代物のクライアントはパスワードのみでユーザ名を提供しないため、 “user =” で指定したユーザのリストを用いてパスワードの検証を 行なうことも可能である。Windows 95/98/Me/NT/2000 のような最近の クライアントでは、この機能は不要である。

サーバより与えられたアクセス権は、ホストシステムより UNIX ユーザ (またはゲストユーザ) に与えられたアクセス権によって制限されることに 注意して欲しい。サーバはホストシステムが許可する以上のアクセス権を 許可することはできない。

以下の簡単なセクションは、ファイル共有を定義するものである。 ユーザは /home/bar に対して書き込み可能である。 共有は、“foo” という共有名でアクセス可能である:


[foo]
	path = /home/bar
	read only = no

以下の簡単なセクションは印刷サービスを定義するものである。 共有は読みとりのみであるが、印刷可能である。これは、 スプールファイルのオープン、書き込み、クローズという作業についてのみ 書き込みが許可されるということである。guest ok パラメータは、(別途定義された) デフォルトのゲストユーザとして アクセスが許可されていることを意味する:


[aprinter]
	path = /usr/spool/public
	read only = yes
	printable = yes
	guest ok = yes

特殊なセクション

[global] セクション

このセクション中のパラメータは、サーバ全体、 もしくは各セクションで項目が定義していないときの既定値として 適用される。詳細な情報は パラメータ の節を参照のこと。

[homes] セクション

homes セクションが設定ファイル中にあると、 クライアントのホームディレクトリを共有するサービスが 必要時にサーバによって作成されるようになる。

接続要求が行なわれると、存在するセクションが検索される。 要求に合致するセクションが見つかった場合はそのセクションが 利用される。見つからなかった場合は、要求されたセクション名を ユーザ名とみなしてローカルのパスワードファイルが検索される。 ファイル中に名前が存在して、パスワードが適切だった場合、 [homes] セクションの設定を引き継ぐ形で共有が作成される。

新しく作成される共有に対しては、 幾つかの変更が行なわれる:

  • 共有名は、homes からユーザ名に変更される。

  • パスが指定されていなかった場合、 パスはユーザのホームディレクトリに設定される。

path = 行を [homes] セクションに記述した場合、"%S" マクロを用いると便利になる 場合があるかも知れない。例えば:

path = /data/pchome/%S

のようにすることで、UNIX からのアクセスと PC からのアクセスとでホームディレクトリが別の場合に便利である。

これは多数のクライアントに対するホームディレクトリの 提供を最小の手間で素早く簡単に早く実現する方法である。

要求されたセクション名が “homes” の場合にも同様の処理が行われるが、共有名が要求したユーザの 名前に変更されることはない。 [homes] セクションを使用する 方法は、複数のユーザがクライアント PC を共有する場合に 便利である。

[homes] セクションでは、通常のサービスで指定可能な すべてのパラメータを指定できるが、幾つかのものは他の セクションと少し違った意味になる。以下は典型的な [homes] セクションの例である:


[homes]
	read only = no

重要な点として、[homes] セクションでゲストアクセスを 許可した場合、全てのホームディレクトリが全てのクライアントから パスワードなしで アクセス可能になるという 点が挙げられる。ほとんどあり得ないと思うが、もしこの設定を 実際に行なうのであれば、読みとり専用 アクセスの設定にしておくことが好ましいであろう。

自動的に作成されるホームディレクトリの browseable パラメータの値は、[homes] セクションの browseable パラメータからではなく、[global] セクションの browseable パラメータより継承される。これは、 [homes] セクションで browseable = no を指定して [homes] 共有を不可視にしても、自動的に作成される ホームディレクトリを表示させるようにするための仕様である。

The [printers] section

このセクションは、プリンタ用の [homes] セクションに 相当する。

[printers] セクションが設定されていると、ユーザは、 ローカルホストの printcap ファイルで設定されている各プリンタに 接続することが可能となる。

接続要求が行なわれると、存在するセクションが検索される。 要求に合致するセクションが見つかった場合はそのセクションが 利用される。見つからなかった場合、[homes] セクションがあれば 前述した処理が行なわれる。それでも要求が解決できない場合は、 要求されたセクション名をプリンタ名とみなして、 要求されたセクション名が適切なプリンタ共有名とみなすかどうかの 確認が行なわれる。ファイル中に名前が存在した場合は、 [printers] セクションの設定を引き継ぐ形でプリンタ共有が 作成される。

新しく作成される共有に対しては、 幾つかの変更が行なわれる:

  • 共有名には、実際のプリンタ名が設定される。

  • プリンタ名が設定されていない場合、 プリンタ名として実際のプリンタ名が設定される。

  • 共有がゲストアクセスを許可しておらず、 username パラメータも指定されていない場合、username に実際のプリンタ名が設定される。

[printers] サービスは、必ず printable にすること。 それ以外の設定を行なうと、サーバが設定ファイルの読みとりを 拒否してしまう。

通常指定されるパスは、sticky ビットが設定され、 誰でも書き込み可能になっているスプールディレクトリである。 典型的な [printers] のエントリは次のようになる:


[printers]
	path = /usr/spool/public
	guest ok = yes
	printable = yes 

printcap ファイル中で定義されているすべてのプリンタの エイリアス(別名)は、プリンタ名として認識される。 印刷システムが printcap ファイルのような機構を使用して いないのであれば、仮の printcap ファイルを設定する必要がある。 このファイルは以下のような形式の行で構成される:


alias|alias|alias|alias...    

各エイリアスは、印刷システムが処理可能なプリンタ名で ある必要がある。[global] セクションで、このファイルを printcap ファイルとして指定する。これにより、仮想的な printcap ファイル中にある名前のみがサーバに認識される。 もちろんこのファイル中には任意のエイリアスを記述することが 可能である。このテクニックは、ローカルプリンタの一部のみに アクセスを制限する機能を簡単に実現するためにも利用できる。

なお、エイリアスとは printcap ファイル中の各レコードの 最初のエントリに続く各要素をさす。 各レコードは改行コードで区切られ、各要素は (複数個存在する場合) 縦棒 (“|”) で区切られる。

Note

lpstat コマンドによりシステムで定義されている プリンタの一覧を取得可能な SYSV 系のシステムでは、 “printcap name = lpstat” とすることで、 プリンタの一覧を取得することが可能である。 詳細は、“printcap name” オプションを参照のこと。

パラメータ

パラメータはセクションの属性を定義するものである。

幾つかのパラメータ (security など) は、 [global] セクションで指定する。また幾つかのパラメータ (create mode など) は、すべてのセクションで 利用可能である。それ以外のパラメータは、通常のセクションでのみ 利用できる。以下の説明では、[homes] と [printers] セクションを "通常の" セクションとして扱う。(G) がついたパラメータは、 [global] セクションでのみ指定できる。(S) がついたパラメータは、個々のサービスを表すセクションで指定できる。 ただし、(S) がついたパラメータは、[global] セクション中で指定することも可能である。この場合、それらはすべての サービスに対するデフォルト値として機能する。

パラメータはアルファベット順に説明されている。 最良の順序とはいえないが、少なくとも目的のパラメータを見つけることは できるだろう。同義語がある場合は、主として利用される表記の部分で 説明が行なわれ、他はその表記への参照になっている。

変数置換

設定ファイルに記述可能な文字列の多くには、変数置換を利用できる。 たとえば、“path = /tmp/%u” は、john というユーザ名でユーザが 接続すると、“path = /tmp/john” として解釈される。

これら変数置換の詳細については、各々のパラメータの説明にて 解説するが、どのパラメータに対しても適用される共通の変数置換もいくつか 存在する。それらは:

%U

セッションのユーザ名 (クライアントが接続時に 送信したものであるが、実際に接続したユーザ名と同じであるとは 限らない)。

%G

%U のプライマリグループ。

%h

Samba が動作しているマシンの インターネットホスト名。

%m

クライアントマシンの NetBIOS 名 (とても便利)。

%L

サーバの NetBIOS 名。これを用いることで、 クライアントから呼ばれた名前に応じて設定を変更することが 可能となる。これによりサーバは “二つの顔” を持つことができる。

Samba をポート 445 で稼働させる場合、クライアントからこの 情報が送付されないため、このパラメータは利用できない。

%M

クライアントマシンのインターネットホスト名。

%R

プロトコルのネゴシエーションを経て選択された プロトコルレベル。これは CORE、COREPLUS、LANMAN1、LANMAN2、NT1 のいずれかの値をとる。

%d

サーバプロセスのプロセス ID。

%a

リモートマシンのアーキテクチャ。100% 確実ではなく、一部のアーキテクチャだけが識別される。現在、 認識されるものは、Samba、WfWg、Win95、WinNT、Win2k であり、 それ以外のものは “UNKNOWN” となる。誤認識する場合は、 level 3 のログを samba@samba.org に送ってくれれば修正できるだろう。

%I

クライアントマシンの IP アドレス。

%T

現在の日付と時間。

%D

現ユーザが所属するドメインかワークグループ名。

%$(envvar)

環境変数envarの値。

以下の置換マクロは (すでに接続が確立されている場合に) いくつかの 設定オプションに対して有効なものである:

%S

現在のサービス名 (存在する場合)。

%P

現在のサービスのトップディレクトリ (存在する場合)。

%u

現在のサービスのユーザ名 (存在する場合)。

%g

%u のプライマリグループ。

%H

%u で指定されたユーザのホームディレクトリ。

%N

NIS のホームディレクトリサーバの名前。 これは NIS の auto.map エントリから取得される。Samba が --with-automount オプションをつけて コンパイルされていない場合、このオプションは %L と同じになる。

%p

NIS auto.map エントリから取得された サーバの ホームディレクトリのパス。NIS auto.map エントリは “%N:%p” のように分割されている。

これらの置換操作とその他の smb.conf のオプションを 組み合わせると、非常に凝った動作を設定できる。

名前の短縮 (NAME MANGLING)

Samba は、DOS や Windows クライアントが 8.3 形式に準拠しない 名前のファイルを扱うことができるように “名前の変換” 機能を提供している。この機能により、8.3 形式のファイル名についても 文字の case (大文字、小文字) を調整可能である。

短縮時の動作を制御するパラメータが幾つか存在しており、 それらは個々に解説を行なわず、ここでまとめて説明を行なう。 デフォルト値は testparm コマンドの出力を参照のこと。

以下のオプションは、すべて共有毎に設定できる (もちろん全体に対しても設定できる)。

オプションは以下の通りである:

mangle case = yes/no

デフォルト”の case でない文字が 含まれているファイル名を短縮するかどうかを制御する。 これが yes の場合、“Mail” のような名前は短縮される。 デフォルトは no である。

case sensitive = yes/no

ファイル名の case を識別するかどうかを制御する。 識別を行なわない場合、Samba は指定された名前に合致する ファイル名を検索することが必要になる。デフォルトは no である。

default case = upper/lower

新規ファイル名のデフォルトの case を制御する。 デフォルトは lower である。

preserve case = yes/no

新規ファイル名について、クライアントから 渡された case で作成するか、“デフォルト”の case で作成するかを制御する。

short preserve case = yes/no

すべて大文字で適切な長さの 8.3 形式に 適合可能な新規ファイル名について、大文字で作成するか、 “デフォルト” の case で作成するかを制御する。 このオプションにより、“preserve case = yes” により長いファイル名が case を保持する設定の時であっても、 短いファイル名は小文字で作成するといったことが可能になる。 デフォルトは yes である。

Samba 3.0 のデフォルトは、Windows NT のサーバと同様に動作する。 すなわち、case を識別しないが case は保持する。

ユーザ名とパスワード認証についての注意

ユーザがサービスに接続するための方法は幾つかある。サーバは、 以下のステップを踏みサービスに対して接続を許可するかどうかを確認する。 すべてのステップが失敗した場合、接続要求は拒否される。 いずれかのステップで成功した場合、それ以降のステップは行なわれない。

サービスが “guest only = yes” となっており、 サーバが共有レベルのセキュリティ (“security = share”) で構成されている場合、ステップ 1 から 5 は省かれる。

  1. クライアントからユーザ名とパスワードが 提供されており、それが UNIX システムのパスワード機構によって 認証された場合、そのユーザ名を使った接続が行なわれる。この ステップは \\server\service%username 形式でユーザ名が提供された場合にも行なわれることに注意。

  2. クライアントからシステムに登録されている ユーザ名が提供された場合、そのユーザ名に対する適切な パスワードが提供されれば、接続が許可される。

  3. クライアントの NetBIOS 名および以前に使われた ユーザ名について提供されたパスワードとの確認が行なわれ、 合致すれば、対応するユーザ名を使った接続が許可される。

  4. クライアントが既にユーザ名とパスワードを 提供してサーバに認証されており、その際の認証トークンが 提示された場合、そのユーザ名が使われる。

  5. user = ” フィールドが smb.conf ファイルの 該当サービスに対して設定されており、クライアントから提供された パスワードが (UNIX システムのパスワード認証により) “user =” 行に記述されたユーザ名のいずれかのものと 合致した場合、接続は、“user = ” 行で設定された ユーザ名で行なわれる。“user = ” リスト中のユーザ名の 中に “@” ではじまるものがあった場合、それはその名前の グループに所属するユーザ名のリストに展開される。

  6. サービスがゲストサービスの場合、 提供されたパスワードがなんであっても、そのサービスの “guest account =” で指定されたユーザ名で接続が 行なわれる。

すべての global パラメータの一覧

以下、すべての global パラメータの一覧を列挙する。 詳細については、各パラメータの説明を参照のこと。 同義語が含まれていることに注意してほしい。

すべての service パラメータの一覧

以下、すべての service パラメータの一覧を列挙する。 詳細については、各パラメータの説明を参照のこと。 同義語が含まれていることに注意してほしい。

各パラメータの説明

abort shutdown script (G)

このパラメータは HEAD CVS ブランチにのみ存在する。 このパラメータは、 smbd(8) が呼び出すことで、 shutdown script によって実行されたシャットダウン処理を停止させるスクリプトのフルパス名である。

このコマンドはユーザ権限で呼び出される。

デフォルト:

abort shutdown script = 

設定例:

abort shutdown script = /sbin/shutdown -c

acl compatibility (S)

このパラメータはどの OS の ACL の挙動と互換性をとるかを指定する。 設定可能な値は、Windows NT 4.0 互換の winnt か、 Windows 2000 以上と互換の win2k もしくは auto である。 auto に設定した場合、パラメータの値はクライアントのバージョンによって変更される。 このパラメータをデフォルトから変更する必要はないだろう。

デフォルト:

acl compatibility = Auto

設定例:

acl compatibility = win2k

add group script (G)

このパラメータは、新しいグループの作成が要求された際に、 smbd(8) によって ROOT 権限で 実行されるスクリプトのフルパス名である。 %g はグループ名に展開される。 スクリプトは Windows NT のドメイン管理ツールを使用して設定を行なう際にのみ有効である。 このスクリプトでは、UNIX側のグループ名の制約に捕らわれず、任意の名前のグループを作成することができる。 ただし、その場合スクリプトは標準出力に作成されたグループの gid の数値を表示する必要がある。

デフォルト: なし

add machine script (G)

このパラメータは、管理者のユーザ名とパスワードを指定する方式によってマシンがドメインに追加された際に、 smbd(8) によって実行されるスクリプトのフルパス名である。

このオプションは、 smbpasswd のように SAM バックエンドの RID の計算方式が UNIX の UID に関連づけられている場合にのみ必要とされる。 このオプションは Samba 3.0 でのみ利用可能である。

デフォルト:

add machine script = 

設定例:

add machine script = /usr/sbin/adduser -n -g machines -c Machine -d /dev/null -s /bin/false %u

addprinter command (G)

Samba 2.2における Windows NT/2000 クライアントに対応した MS-RPC ベースの印刷サポートの実装にともない、 共有の一覧に表示される"Printers... " フォルダ中の 「プリンタの追加」ウィザード(Add Printer Wizard (APW))アイコンを利用することが可能になった。 APWにより、SambaやWindows NT/ 2000プリンタサーバに別のマシンからのプリンタ追加が可能となった。

Sambaホストの場合、このことは、下位レイヤの OS に プリンタが物理的に追加されるということを意味する。 add printer command は、 印刷システムにプリンタを追加するとともに、 smb.conf ファイルに対して、 smbd(8) によって共有が行なわれるサービスのエントリを適切に追加するのに必要な処理を行なうスクリプトを設定する。

add printer command は 以下のパラメータを(順番に)付加して自動的に実行される:

  • printer name

  • share name

  • port name

  • driver name

  • location

  • Windows 9x driver location

すべてのパラメータは、一つの例外を除き、 Windows NT/2000 クライアントから送信される PRINTER_INFO_2 構造体から取得される。 「Windows 9x driver location」パラメータは、下位互換性を保つためにのみ提供される。 それ以外の構造体のフィールドは、APWの質問に対する回答から生成される。

add printer command が実行されると、 smbd は、 smb.conf を再度読み込んで、 APWで設定される共有がすでに存在していないかを確認する。 共有名が不正な場合、smbd は、 クライアントに対して ACCESS_DENIED エラーを返却する。

「add printer command」は Samba が新しいプリンタが接続するポートとして設定した文字列からなる1行を返却する。

delete printer commandprintingshow add printer wizardも参照のこと。

デフォルト:

addprinter command = 

設定例:

addprinter command = /usr/bin/addprinter

add share command (G)

Samba 2.2.0 では、 Windows NT 4.0 のサーバーマネージャーを用いて動的に共有を追加したり削除したりする機能が追加されている。 add share command は、 新しいサービスの設定を smb.conf に追加する外部のプログラム、もしくはスクリプトを設定するためのパラメータである。 add share command を実行するため、管理者は smbd に対して root アカウント(uid = 0)を利用して接続する必要がある。

コマンド実行時に、smbd は自動的に以下の引数を付加して add share commandを実行する。

  • configFile - smb.confファイルの場所

  • shareName - 新しい共有名

  • pathName - ディスク上に「存在している」ディレクトリへのパス名

  • comment - 新しい共有に対するコメント文字列

このパラメータは、ファイル共有の追加にのみ使われる。 印刷共有の追加については、 add printer commandを参照のこと。

change share commanddelete share commandも参照のこと。

デフォルト:

add share command = 

設定例:

add share command = /usr/local/bin/addshare

add user script (G)

このパラメータは、以下に記述する特別な条件下において、 smbd(8) によって ROOT 権限で 実行されるスクリプトのフルパス名である。

通常、Samba サーバでは、サーバ上のファイルにアクセスするすべてのユーザに対して対応する UNIX ユーザが存在している必要がある。しかし、Windows NT のアカウントデータベースをユーザデータベースのマスタとして使うサイトでは、 Samba サーバ上のユーザの作成や保守を Windows NT の PDC と同期して行なうのは骨の折れる作業である。このオプションにより、Samba サーバに対してユーザがアクセスした時点で smbd が UNIX のユーザを 必要に応じて 作成することが可能になる。

このオプションを使う場合、 smbd(8)決して security = share で構成されていてはならず、 add user script には、作成される UNIX のユーザ名を表す %u を引数にとり、 UNIX ユーザを作成するスクリプトのフルパス名が設定されている必要がある。

Windows のユーザが Samba サーバにアクセスしようとして、ログイン(SMB プロトコルの session setup) を行なう時に、 smbd(8) は、送信されたユーザ名とパスワードを認証するために、 password server と通信を行なう。認証が成功すると、 smbd は UNIX 上のパスワードデータベース中から対応する UNIX のユーザを検索して Windows のユーザに対応づけようとする。この検索が失敗し、 add user script が設定されていると、 smbd は、 %u 引数を作成すべきユーザ名に展開した上で、設定されたスクリプトを ROOT 権限で 呼び出す。

スクリプトがユーザの作成に成功すると、 smbd は、その UNIX ユーザがすでに存在していたかのようにして処理を継続する。このようにして、存在する Windows NT のアカウントに対応する UNIX のユーザが動的に作成される。

security, password server, delete user script も参照のこと。

デフォルト:

add user script = 

設定例:

add user script = /usr/local/samba/bin/add_user %u

add user to group script (G)

このパラメータは、 Windows NT のドメイン管理ツールによってユーザにグループが追加された際に実行されるスクリプトのフルパス名である。 これは smbd(8) によって ROOT 権限で 呼び出される。 %g はグループ名に置換され、 %u はユーザ名に置換される。

デフォルト:

add user to group script = 

設定例:

add user to group script = /usr/sbin/adduser %u %g

admin users (S)

このパラメータは、共有上で管理者権限が与えられるユーザのリストである。 指定されたユーザは、すべてのファイル操作をスーパーユーザ (root) として実行できる。

このリストに登録されているユーザは、 ファイルのパーミッションに関係なくあらゆる操作を行うことができてしまうため、 このオプションは十分に注意して使用すべきである。

デフォルト:

admin users = 

設定例:

admin users = jason

afs share (S)

このパラメータは、共有に対して特殊な AFS 機能を有効にするか 指定する。もし有効な場合、path パラメータで エクスポートされているディレクトリをローカルの AFS インポートとして 扱う。特殊な AFS の機能というのは、もし configure 時に --with-fake-kaserver オプションを有効にした場合に、AFS トークンを 作成しようとする機能などが含まれる。

デフォルト:

afs share = no

afs username map (G)

もしダミーの kaserver の AFS 機能を使用している場合、使用する トークンのユーザ名を指定することができる。たとえば、AFS Protection Database に複数のドメインのユーザが混合している場合などがある。 一つの解決策は、winbind と同じように DOMAIN+User と指定することであり、 ここでの + はセパレータとして扱われている。

マップされたユーザ名はログインするための名前を含んでいる必要が あり、このパラメータが指定されていない場合、トークンは使用されない。

デフォルト:

afs username map = 

設定例:

afs username map = %u@afs.samba.org

algorithmic rid base (G)

このパラメータにより、 Samba が UID や GID を NT セキュリティ識別子の構築に必要な RID に機械的に対応づける際の RID の値が設定される。

Windows NT/2000 から移行を行なうサイトでは、存在しているユーザやグループの RID がシステムのユーザと競合してしまうことを防ぐため、この値を大きい値にすることが有用な場合もあるだろう。

サーバ上の ACL が正しく機能する上では、すべての UID および GID が SID に変換できることが必須である。 このため、機械的な対応づけを無効にせずに、一定の範囲を対象領域から除外することが、 問題を避ける上で必要である。 RID の競合に対応したパスワード機構において、ユーザおよびグループには、 「大きな」 RID が割り当てられる。

デフォルト:

algorithmic rid base = 1000

設定例:

algorithmic rid base = 100000

allow trusted domains (G)

このオプションは、 security オプションが、server もしくは domainに設定されている時のみ有効である。 no の場合、 smbd が動作しているドメインもしくはワークグループ外からのリソースへの接続要求は、失敗する。 これは、たとえそのドメインが認証を行なうサーバによって信頼されている場合であっても同様である。

このオプションは、 Samba サーバが所属するドメインのユーザのみにリソースを提供させたい場合に便利である。 一例として DOMA と DOMB という 2 つのドメインがあって、 DOMA は Samba サーバを含み、DOMB を信頼している場合を想定する。 通常の条件では、DOMB中にアカウントを持つユーザは、 Samba サーバに同じ名前の UNIX アカウントがあれば、 DOMA にアカウントがなくてもリソースにアクセスできるため、 セキュリティ境界の区分けが困難である。

デフォルト:

allow trusted domains = yes

announce as (G)

このパラメータは、 nmbd(8) が、 自身を「ネットワークコンピュータ」中のブラウズリストにアナウンスする際のサーバの種類を指定する。 デフォルトでは Windows NT に設定されている。有効な値は: 「NT Server」(これは「NT」と表記することもできる)、 「NT Workstation」、「Win95」、「WfW」であり、各々 Windows NT Server、 Windows NT Workstation、Windows 95、Windows for Workgroups を意味する。 変更を行なうと、Samba サーバがブラウザサーバ(訳注: ポテンシャルブラウザの意?)に正しく参加できなくなるかも知れないため、 Samba サーバを NT サーバとして表示させたくない特別な理由がない限り、 このパラメータを変更しないこと。

デフォルト:

announce as = NT Server

設定例:

announce as = Win95

announce version (G)

このパラメータは、 nmbd が自身をサーバとしてアナウンスする際に指定するメジャーおよびマイナーバージョン番号を指定する。 デフォルトは 4.9 である。 Samba サーバをより下位のサーバとして設定する特別な必要性がない限り、このパラメータは変更しないこと。

デフォルト:

announce version = 4.9

設定例:

announce version = 2.0

auth methods (G)

このオプションにより、管理者は smbd がユーザ認証を行なう際に使用する認証機構を選択することが可能となる。 このオプションのデフォルトは、 security パラメータにより異なる。

ユーザが認証されるまで、リスト中の各エントリによって順番にユーザ認証が行なわれる。従って、実際に認証が成功となる認証機構は1つだけである。

デフォルト:

auth methods = 

設定例:

auth methods = guest sam winbind

available (S)

このパラメータにより、サービスを「無効」とすることが可能である。 available = no の場合、 サービスに対する接続はすべて失敗する。これらの失敗は記録される。

デフォルト:

available = yes

bind interfaces only (G)

このグローバルパラメータにより、 Samba 管理者が SMB 要求を受け付けるインタフェースを制限できるようになる。 この影響は、ファイルサービス smbd(8) とネームサービス nmbd(8) とで多少異なる。

このパラメータを指定すると、ネームサービス nmbd は、 interfaces パラメータで指定されたインタフェースのポート 137 と 138 にバインドする。 nmbd は、ブロードキャストメッセージを受信するために、 「すべてのアドレス」となるインタフェース (0.0.0.0) のポート 137 と 138 にもバインドする。このオプションが設定されていない場合、 nmbd は、これらすべてのソケットに対してネームサービスを提供する。 bind interfaces only が設定されていると、 nmbd はブロードキャストパケットの送信元アドレスを確認して、 interfaces パラメータで指定されたインタフェースを経由しないアドレスからのパケットを破棄する。 ユニキャストパケットを受信した場合、 nmbd は、 interfaces パラメータで指定されたインタフェースを経由しないパケットを送出したマシンに対してはサービスを拒否する。 IP ソースアドレスを偽造 (spoofing) することで、この単純なチェックは破られてしまう。 そのため、このパラメータを nmbd のセキュリティ機能と位置付けて本格的に利用すべきではない。

ファイルサービスの場合、このパラメータを指定すると、 smbd(8)interfaces パラメータで指定されたインタフェースのポート 139 にのみバインドするようになる。 これにより、 smbd がサービスを提供するネットワークを指定したインタフェース経由のものに制限することが可能である。 PPP などの間欠的なネットワークインタフェースや、非ブロードキャストなネットワークインタフェースにサービスを提供している場合は、 これらの非永続的なインタフェースをうまく処理できないため、このパラメータを使わないこと。

bind interfaces only が設定されているが、 127.0.0.1 のネットワークアドレスが interfaces パラメータに指定されていない場合は、 以下に示すような理由のため、 smbpasswd(8)swat(8) などが 期待したように動作しないことがある。

ユーザの SMB パスワードを変更するために、 smbpasswd はデフォルトで localhost - 127.0.0.1 のアドレスに SMB クライアントとして接続を行ない、パスワード変更要求を送信する。 bind interfaces only が設定されているにも関わらず、 127.0.0.1 のネットワークアドレスが interfaces パラメータに含まれていなかった場合、 smbpasswd のデフォルトのモードでは接続に失敗してしまう。 smbpasswd については、 smbpasswd(8)-r remote machine パラメータを指定して、 remote machine にホストのプライマリインタフェースのIPアドレスを設定することにより、 強制的にホストのプライマリIPインタフェースを利用させることも可能である。

swat のステータス(status)ページは、 smbdnmbd が実行されているかを確認するために、 127.0.0.1 から接続を行なおうとする。 そのため、127.0.0.1を追加していない場合、 smbdnmbd は実際には動作している場合でも、 常に「not running」と表示される。更に、 swat から smbdnmbd の開始/停止/再起動を行なうこともできなくなる。

デフォルト:

bind interfaces only = no

blocking locks (S)

このパラメータは、クライアントからオープンされているファイルの領域に対して、 バイト範囲のロック(byte range lock)が要求された際に、タイムアウトが発生した場合の smbd(8) の動作を制御する。

このパラメータが設定されている場合にロック範囲の要求が即座に処理できない場合、 Samba は内部的にロック要求をキューイングして、タイムアウトが来るまで定期的にロックを取得する動作を行なう。

このパラメータが no の場合、 Samba は以前のバージョンの Samba (訳注: Samba 1.9.x 以前)と同様に振舞い、 ロックが取得できない場合にただちにロック要求を失敗させる。

デフォルト:

blocking locks = yes

block size (S)

このパラメータにより、ディスクの空き領域を報告する際の smbd(8) の動作が制御される。 デフォルトでは、ディスクのブロックサイズを 1024 バイトとして報告が行なわれる。

このパラメータを変更した場合、クライアントからの書き込みに影響がでることが予想されるが、確認されていない。このパラメータは、熟練した管理者が(通常より大きい値に)変更を行なうことで、再コンパイルを行なうことなく、クライアントからの書き込みパフォーマンスへの影響をテストすることを可能とするために追加された。これは実験的なオプションのため、将来のリリースでは削除されるかも知れない。

このオプションを変更しても、報告されるディスクの空き容量自体は変わらない。クライアントに報告されるディスクのブロックサイズが変更されるだけである。

デフォルト: なし

browsable

このパラメータは browseable の同義語である。

browseable (S)

このパラメータは、net view コマンドやブラウズリスト中に現れる利用可能な共有の一覧にこの共有を表示させるかどうかを制御する。

このパラメータの同義語は browsable である。

デフォルト:

browseable = yes

browse list (G)

このパラメータは、クライアントからの NetServerEnum コールに対して、 smbd(8) がブラウズリストを提供するかどうかを制御する。 通常 true に設定されている。 これを変更する必要はまずないであろう。

デフォルト:

browse list = yes

casesignames

このパラメータは case sensitive の同義語である。

case sensitive (S)

名前の短縮 での説明を参照のこと。

このパラメータの同義語は casesignames である。

デフォルト:

case sensitive = no

change notify timeout (G)

この SMB により、クライアントは指定したディレクトリが変更されていないかをサーバに「監視」させ、なんらかの変更が発生した際にのみ、その SMB 要求に返答させるということが可能になる。こうした定常的なディレクトリの監視は、 UNIX では高負荷な作業になるため、 smbd(8) デーモンは change notify timeout で設定された秒毎に、要求された各ディレクトリの監視を行なう。

デフォルト:

change notify timeout = 60

設定例:

change notify timeout = 300
# スキャン間隔を5分ごとにする

change share command (G)

Samba 2.2.0 では、Windows NT 4.0 のサーバマネージャから動的な共有の追加や削除を行なう機能が実現されている。 change share commandsmb.conf に存在しているサービスの定義を修正するための外部のプログラムやスクリプトを指定するために用いられる。 change share command を適切に実行するためには、 管理者は root アカウント(uid == 0) で smbd に接続しておく必要がある。

スクリプト実行時には smbd が以下の4つのパラメータを設定して自動的に change share command を実行する。

  • configFile - グローバルな smb.conf ファイルの位置

  • shareName - 新しい共有名

  • pathName - ディスク上に 「存在している」ディレクトリのパス名

  • comment - 新しい共有に設定するコメント文字列

このパラメータは、既に存在するファイル共有の設定を修正するためにのみ用いられる。 印刷共有の設定を修正する場合、Samba ホストをブラウズすると表示される「Printers...」フォルダから行なうこと。

add share commanddelete share commandも参照のこと。

デフォルト:

change share command = 

設定例:

change share command = /usr/local/bin/addshare

client lanman auth (G)

このパラメータは、smbclient(8) などの Samba のクライアントツールが LANMAN パスワードハッシュを使用した認証を行なうか否かを制御する。 無効にした場合、 Samba クライアントからは、NT パスワードハッシュを利用するクライアント (Windows NT/2000クライアント、Samba など。しかし Windows 95/98 は含まない) に対してのみ接続できる。

LANMAN 暗号化レスポンスは簡単に解読することが可能である。 これは大文字と小文字を区別しないことや、使用しているアルゴリズムなどに起因する。 Windows 95/98 サーバが存在しない場合は、このオプションを無効にした方がよいだろう。

このオプションを無効にすると、client plaintext auth オプションも同時に無効となる。

同様に、 client ntlmv2 auth パラメータを有効にした場合、NTLMv2 ログインのみが可能となる。 サーバのすべてが NTLMv2 をサポートしているわけではなく、ほとんどのサーバでは NTLMv2 を使用するために明示的な設定を行なう必要がある。

デフォルト:

client lanman auth = yes

client ntlmv2 auth (G)

このパラメータにより、smbclient(8) がサーバへの接続時に NTLMv2 暗号化パスワードレスポンスを使用した認証を行なうかどうかが設定される。

有効にすると、NTLMv2 および LMv2 レスポンス(訳注 LMレスポンスの誤りか?) (両方とも以前のバージョンよりはセキュアである) が送信される。 ただし、多くのサーバ(Windows NT 4.0 SP3以前、Windows 9x および Samba 2.2)は NTLMv2 と互換性がない。

同様に、有効にした場合 NTLMv1、 client lanman auth および client plaintext auth 認証は無効となる。これにより、共有レベルの認証も同時に無効となる。

無効にした場合、 NTLM レスポンス (および可能であれば LANMAN レスポンス) が、client lanman auth の値に応じてクライアントから送信される。

サイトによっては (特に「ベストプラクティス」のセキュリティポリシーを適用しているサイト)、NTLMv2 のみを許可し、脆弱な LM および NTLM レスポンスは許可していない。

デフォルト:

client ntlmv2 auth = no

client plaintext auth (G)

このパラメータは、サーバが暗号化パスワードをサポートしていない場合にクライアントから平文パスワードを送出するかどうかを制御する。

デフォルト:

client plaintext auth = yes

client schannel (G)

このパラメータはクライアントが Netlogon 時のセキュアチャネルの使用を有効にするか、もしくは要求するかを制御する。 client schannel = no はセキュアチャネルを有効にしない。 server schannel = auto はセキュアチャネルを有効にするが、強制はしない。 server schannel = yes はサーバが Netlogon セキュアチャネルを理解できない場合、アクセスを許可しない。

デフォルト:

client schannel = auto

設定例:

client schannel = yes

client signing (G)

このパラメータは、クライアントがサーバと通信する際に SMB 署名を有効にするか、もしくは強制するかを設定する。 設定可能な値は、automandatorydisabled である。

auto に設定した場合、SMB 署名が有効になるが、強制はしない。 mandatory に設定すると、SMB 署名が必須となる。disable に設定すると、SMB 署名は有効にならない。

デフォルト:

client signing = auto

client use spnego (G)

この値により、 Samba が Windows 2000 や Windows XP サーバとの間で行なわれる認証の際に Simple and Protected NEGOciation (RFC2478 で規定) の使用を試みるかどうかが制御される。 SPNEGO クライアントの SMB 署名サポートは現在動作しないため、 Windows 2003 のドメインコントローラに対して接続する際は、 このオプションを無効にした方がよいだろう。

デフォルト:

client use spnego = yes

comment (S)

これは、クライアントから「ネットワークコンピュータ」や net view コマンド経由でサーバ上で利用可能な共有を一覧する際に、共有名の横に表示される文字列である。

コンピュータ名の横に表示される文字列を設定したい場合は、 server string パラメータを参照のこと。

デフォルト:

comment = 
# コメント文字列なし

設定例:

comment = Fred's Files

config file (G)

このオプションを指定することで、デフォルトの設定ファイル (通常smb.conf)の代わりのファイルを利用して、 設定を上書きすることが可能になる。このオプション自身が config file 中に記述されるため、これには「鶏と卵」問題がある。

そのため、このパラメータによって設定ファイルが変更されると、 新しい設定ファイルの内容が先頭からロードされる。

このオプションには、通常の変数置換が適用されるので、 うまく使えばとても便利であろう。

指定された設定ファイルが存在しない場合は読み込まれない (これにより、特定クライアントに対して、 特別な設定ファイルを指定するということが可能となる)。

デフォルト: なし

設定例:

config file = /usr/local/samba/lib/smb.conf.%m

copy (S)

このパラメータにより、サービスエントリの「複製」 が可能となる。指定されたサービスの設定が単純に現在のサービスへと複製される。 現在のセクションに設定されているパラメータは、 複製元のセクションの設定を上書きする。

この機能を使うと、「ひな型(template)」となるサービスを作成した上で、 同様の設定のサービスを単純に作成するということが可能となる。 複製元のサービスは、 設定ファイル内で複製先のサービスより前に記述する必要があることに注意。

デフォルト:

copy = 

設定例:

copy = otherservice

create mode

このパラメータは create mask の同義語である。

create mask (S)

このパラメータの同義語は、 create mode である。

ファイル作成時に付与されるパーミッションは、 DOS の属性を UNIX のパーミッションに変換することにより生成されるが、 最終的には、このパラメータとビット単位の AND 演算が行なわれる。 このパラメータは、ファイルの UNIX のパーミッションに対するビットマスクと 考えることができる。ここで設定されないビットは、 ファイル作成時のパーミッションから削除される。

このパラメータのデフォルト値は、 「group」と「other」の書き込みおよび実行権を UNIX のパーミッションから取り除いた値である。

この処理に引続き、Samba はこのパラメータにより生成されたパーミッションを force create mode パラメータの値とビット単位の OR 演算を行なう。 なおパラメータの値はデフォルトで、000 に設定されている。

このパラメータは、ディレクトリのパーミッション生成には関与しない。 詳細は、directory mode パラメータを参照のこと。

作成されるファイルに対して特定のパーミッションのビットを強制的に設定するには、 force create mode パラメータを参照のこと。 作成されるディレクトリに対するパーミッションのビットマスクについては、 directory mode パラメータを参照のこと。 inherit permissions も参照のこと。

このパラメータは、Windows NT/2000 の ACL により設定されるアクセス権には関与しない。 管理者が ACL に対するビットマスクも同様に設定したいと考えている場合は、 security mask の設定が必要である。

このパラメータの同義語は create mode である。

デフォルト:

create mask = 0744

設定例:

create mask = 0775

csc policy (S)

このパラメータは、クライアントサイドのキャッシングポリシーを規定し、 オフラインキャッシュ機能を持つクライアントが、 共有上のファイルをどのようにキャッシュするかを規定する。 有効な値は、manual, documents, programs, disable である。

これらの値は、Windows のサーバで利用されている設定に対応している。

例えば、移動プロファイルが格納されている共有では、 csc policy = disableとすることで、 オフラインキャッシュを無効にできる。

デフォルト:

csc policy = manual

設定例:

csc policy = programs

deadtime (G)

このパラメータの値(10進の整数)は、接続が利用されなくなったとみなされて切断が行なわれるまでの経過時間(分)を表す。 deadtime はオープンされているファイルが存在しない時のみ有効である。

このパラメータは、多数の利用されていない接続によって、サーバ上のリソースが枯渇するのを防ぐのに有効である。

多くのクライアントは、このパラメータをユーザに意識させないように、接続が切断されていた際に、自動で再接続を行なう機能を持っている。

ほとんどのシステムにおいて、このパラメータを利用して、数分でタイムアウトが発生するようにすることを推奨する。

deadtime が 0 の場合、タイムアウトによる自動的な切断は行なわれない。

デフォルト:

deadtime = 0

設定例:

deadtime = 15

debug hires timestamp (G)

ログメッセージに秒単位以上のタイムスタンプが必要な場合、 この真偽値のパラメータを有効にすることにより、 マイクロ秒単位のタイムスタンプがメッセージに付加される。

このパラメータを有効にする際は、 debug timestamp が有効になっている必要があることに注意。

デフォルト:

debug hires timestamp = no

debug pid (G)

fork されて生成された smbd(8) プロセスが同一のログファイルを共用している場合、 どのプロセスがメッセージを出力しているかを識別することは非常に難しい。 この真偽値パラメータを有効にすることで、ログファイル中のタイムスタンプメッセージのヘッダにプロセスIDが付加されるようになる。

このパラメータを有効にする際は、 debug timestamp が有効になっている必要があることに注意。

デフォルト:

debug pid = no

timestamp logs

このパラメータは debug timestamp の同義語である。

debug timestamp (G)

Samba の debug log messages には、 デフォルトでタイムスタンプが付加される。 高い debug level を設定している場合、 このタイムスタンプが目障りに感じることもあるだろう。 この真偽値パラメータにより、タイムスタンプの付加を抑止することができる。

このパラメータの同義語は timestamp logs である。

デフォルト:

debug timestamp = yes

debug uid (G)

Samba は root 権限で動作する時もあれば、 接続したユーザの権限で動作する時もある。 このパラメータを有効にすると、現在の euid、egid、uid、gid をログファイル中のタイムスタンプメッセージに付加する。

このパラメータを有効にする際は、 debug timestamp が有効になっている必要があることに注意。

デフォルト:

debug uid = no

default case (S)

名前の短縮セクションを参照のこと。 short preserve case パラメータにも注意。

デフォルト:

default case = lower

default devmode (S)

このパラメータは、printable サービスにのみ適用される。 smbd が、Windows NT/2000/XP クライアントに対してプリンタドライバを提供する際に、 Samba サーバ上の各プリンタでは、用紙サイズ、 orientation, duplex, settings といった情報が定義されたデバイスモード(device mode)という値を設定する必要がある。 デバイスモードの適切な値は、プリンタドライバ自身のみが生成することができる (この処理は、Win32 プラットフォームでのみ実行することができる)。 smbd はデバイスモードを生成するドライバのコードを実行できないため、 このフィールドのデフォルト値としては、NULL が設定される。

Windows NT/2000/XP クライアントに対してプリンタドライバを提供する上での問題点の多くは、 デバイスモードの生成に関するものである。 ドライバによっては、デバイスモードとして NULL を設定すると、 クライアント側の Explorer.exe をクラッシュさせるものがある。 また、デバイスモードがドライバ自身によって生成されていないと、 クライアントのスプーラサービス(spoolsv.exe)を停止させてしまうものもある。

このパラメータは、熟慮の上、プリンタドライバのテストを行なった上で用いること。 デバイスモードを NULL のままにしておき、Windows クライアントに適切な値を設定される方が好ましい。 ただし、ドライバが常にこの処理を行なうとは限らないため、 default devmode = yes の設定を行なうことで、smbd にデフォルトのデバイスモードを生成するような指示を行なうことができるようになっている。

Windows NT/2000 の印刷システムやデバイスモードに関する詳細な情報については、 MSDN documentation を参照のこと。

デフォルト:

default devmode = no

default

このパラメータは default service の同義語である。

default service (G)

このパラメータは、 要求されたサービスが存在しなかった場合に接続されるサービス名を指定する。 パラメータの値に、大括弧('[' と ']')は不要であることに注意(設定例を参照のこと)。

このパラメータにデフォルト値はない。 このパラメータが設定されていない場合、 存在しない共有に対する接続は失敗する。

default service は guest okで、 read-only のサービスにするのが一般的である。

外面的なサービス名はクライアントから要求されたサービス名に変換される。 これは、%S のようなマクロをワイルドカードサービスに適用する際に、非常に有用である。

default service のサービス名に現れる「_」文字は、「/」にマッピングされる。 これにより、いろいろと面白いことができるだろう。

このパラメータの同義語は default である。

デフォルト:

default service = 

設定例:

default service = pub

delete group script (G)

このパラメータは、グループの削除が要求された際に、 smbd(8) によって ROOT 権限で 実行されるスクリプトのフルパス名である。 %g はグループ名に置換される。 スクリプトは Windows NT のドメイン管理ツールを使用して設定を行なう際にのみ有効である。

デフォルト:

delete group script = 

deleteprinter command (G)

Samba 2.2における Windows NT/2000 クライアントに対応した MS-RPC ベースの印刷サポートの実装にともない、 DeletePrinter() RPC呼び出しを発行することにより、 実行中にプリンタを削除することが可能になった。

Samba ホスト上では、 実際の印刷システム上から物理的にプリンタが削除される。 deleteprinter command パラメータには、 プリンタを印刷システムとsmb.confから削除するために 必要な操作を実行するためのスクリプトを設定する。

delete printer command「プリンタ名」のみをパラメータに設定されて呼び出される。

delete printer command が実行されると、 smbd は削除対象のプリンタを無効にするために、 smb.conf を読み直す。 共有名が依然として有効な場合、smbd はクライアントに ACCESS_DENIED エラーを返却する。

addprinter command, printing, show add printer wizard も参照のこと。

デフォルト:

deleteprinter command = 

設定例:

deleteprinter command = /usr/bin/removeprinter

delete readonly (S)

このパラメータにより、読みとり専用のファイルの削除が可能になる。 これは DOS の仕様ではないが、UNIX では可能な処理である。

このオプションは、rcs のようなアプリケーションを動作させるのに有用で、 UNIX ファイルの所有者に関する仕様がファイルのパーミッション変更を妨げたり、 DOS の仕様が読み取り専用ファイルの削除を妨げたりする問題を回避する。

デフォルト:

delete readonly = no

delete share command (G)

Samba 2.2.0 では、Windows NT 4.0 のサーバマネージャから動的な共有の追加や削除を行なう機能が実現されている。 delete share commandsmb.conf に存在しているサービスの定義を削除するための外部のプログラムやスクリプトを指定するために用いられる。 delete share command を適切に実行するためには、 管理者は root アカウント(uid == 0) で smbd に接続しておく必要がある。

スクリプト実行時には smbd が以下の2つのパラメータを設定して自動的に delete share command を実行する。

  • configFile - グローバルな smb.conf ファイルの位置

  • shareName - 存在しているサービス名

このパラメータはファイル共有を削除する際にのみ利用される。 印刷共有の削除については、 delete printer commandを参照のこと。

add share commandchange share commandも参照のこと。

デフォルト:

delete share command = 

設定例:

delete share command = /usr/local/bin/delshare

delete user from group script (G)

このパラメータは、 Windows NT のドメイン管理ツールによってユーザがグループから削除された際に実行されるスクリプトのフルパス名である。 これは smbd(8) によって ROOT 権限で 呼び出される。 %g はグループ名に置換され、 %u はユーザ名に置換される。

デフォルト:

delete user from group script = 

設定例:

delete user from group script = /usr/sbin/deluser %u %g

delete user script (G)

このパラメータは、リモート RPC ツールによってユーザの管理が行なわれた際に、 smbd(8) によって実行されるスクリプトのフルパス名である。

このスクリプトは、「ドメインユーザマネージャ」や rpcclient により、リモートのクライアントがサーバからユーザを削除した際に呼び出される。

このスクリプトは指定されたユーザ名の UNIX ユーザを削除するものでなければならない。

デフォルト:

delete user script = 

設定例:

delete user script = /usr/local/samba/bin/del_user %u

delete veto files (S)

このオプションは、アクセスが禁止(veto)されたディレクトリ (veto files オプションを参照のこと)を含むディレクトリを削除しようとする際に影響する。 このオプションが no (デフォルト) の場合、 アクセスが禁止されたディレクトリ内にアクセスを禁止されていないファイルやディレクトリが含まれていても、 ディレクトリ内の削除は失敗する。これは通常期待されている動作であろう。

このオプションを yes に設定すると、 Samba はアクセスが禁止されたディレクトリ内でも 再帰的にすべてのファイルやディレクトリを削除しようとする。 NetAtalk のようなサーバを併用する際は、 通常 DOS/Windows ユーザからの参照するのを禁止しているディレクトリ内にメタファイル (たとえば .AppleDoubleなど)を作成するため、このオプションが有用である。

delete veto files = yes を指定することで、 これらのディレクトリは、親ディレクトリが削除された際に、自動的に削除される (ただし、ユーザはディレクトリを削除するパーミッションを持っている必要がある)。

veto files パラメータも参照のこと。

デフォルト:

delete veto files = no

dfree command (G)

dfree command パラメータは、 Samba のディスク空き容量の計算で問題が発生するシステムでのみ利用すること。 Ultrix では問題の発生することが知られているが、 他のオペレーティングシステムで発生するかも知れない。 この問題は、各々のディレクトリの一覧表示の終了時に 「終了 再試行 無視 (Abort Retry Ignore)」のエラーが発生する形で顕在化する。

このパラメータでは、 総ディスク容量と空き容量を計算する内部ルーチンを置き換える外部スクリプトを指定する。 以下に、この機能を果たすスクリプトの仕様を示す。

外部スクリプトは、対象となるファイルシステム中のディレクトリを示すパラメータ 1 つを受け取る。 これは通常 ./という文字列からなる。 スクリプトはアスキー文字で 2 つの整数を返さなければならない。 1 つめはブロック単位のディスク総容量で、 2 つめは利用できるブロック数でなければならない。 3 番目の戻り値として、オプションでブロックサイズをバイト単位で返却させることもできる。 デフォルトのブロックサイズは 1024 バイトである。

注意: スクリプトは、setuid や setgid しては ならず、 (root のみ書き込み可能で)所有者は root である必要がある。

dfree スクリプト(実行可能にする必要がある)を以下に示す:

 
#!/bin/sh
df $1 | tail -1 | awk '{print $2" "$4}'

もしくは、以下のようなものも考えられる(Sys V ベースのシステムの場合):

 
#!/bin/sh
/usr/bin/df -k $1 | tail -1 | awk '{print $3" "$5}'

システムによっては、コマンド名をフルパスで記述する必要がある場合があるので注意。

デフォルト:

dfree command = 
# デフォルトはディスクの総容量と空き容量を計算する
内部のルーチンが利用される

設定例:

dfree command = /usr/local/samba/bin/dfree

directory mode

このパラメータは directory mask の同義語である。

directory mask (S)

このパラメータは、パーミッションを示す8進数の数値であり、 UNIX 側のディレクトリ作成時に DOS の属性から UNIX のパーミッションを生成する際に使われる。

ディレクトリ作成時に付与されるパーミッションは、 DOS の属性と UNIX のパーミッションとのマッピングにしたがって、 DOS の属性を UNIX のパーミッションに変換することにより生成されるが、 最終的には、このパラメータとビット単位の AND 演算が行なわれる。 このパラメータは、ディレクトリの UNIX のパーミッションに対するビットマスクと 考えることができる。ここで設定されないビットは、 ディレクトリ作成時のパーミッションから削除される。

このパラメータのデフォルト値は、 「グループ」と「その他」の書き込み権を UNIX のパーミッションから取り除き、ディレクトリの所有者のみが変更可能にしたものである。

この処理に引き続いて、Samba はこのパラメータで生成された UNIX のパーミッションとforce directory mode パラメータの値との OR 演算を行う。 このパラメータは既定では 000 に設定されている(つまり、追加されるパーミッションはない)。

このパラメータは、Windows NT/2000 の ACL エディタで設定される アクセス権には適用されない。ACL に対しても強制的にマスクを適用したい場合は、 directory security mask パラメータを設定することが必要である。

作成するディレクトリに対して特定のパーミッションビットを常に付加したい場合は、 force directory mode パラメータを参照のこと

作成するファイルに対するパーミッションビットのマスクは、 create mode パラメータ、および directory security mask パラメータを参照のこと。

inherit permissions パラメータも参照のこと。

このパラメータの同義語は directory mode である。

デフォルト:

directory mask = 0755

設定例:

directory mask = 0775

directory security mask (S)

このパラメータは、 Windows NT クライアント上のセキュリティダイアログボックスを使って、 UNIX ディレクトリのパーミッションを操作する時に、 設定可能な UNIX 側のパーミッションを指定する。

このパラメータは、変更されるパーミッションビットに対して、 マスクとして適用され (AND 操作が適用され)るため、 このマスクにないビットは変更操作から保護される。 言い替えれば、マスク中で 0 と指定されたビットは、 ユーザが変更できないビットと見なされる。

このパラメータが明示的に指定されなかった場合は、 0777 に設定される。これにより、ディレクトリに対する全ての user/group/world パーミッションが変更可能となる。

注意 : 他の方法を使って Samba サーバにアクセスすることが可能なユーザは、この制限を簡単に回避できてしまう。 そのため、このパラメータの主な用途はスタンドアロンで動作する「アプライアンス」システムになるだろう。 通常のシステムの管理者のほとんどは、 このパラメータをデフォルトの 0777 のままにしておきたいと考えるだろう。

force directory security mode security maskforce security mode パラメータも参照のこと。

デフォルト:

directory security mask = 0777

設定例:

directory security mask = 0700

disable netbios (G)

このパラメータを有効にすると、 Samba の NetBIOS サポート機能が無効になる。 Windows 2000 および Windows XP を除くすべてのバージョンの Windows では、NetBIOS のみを使用できる。

Note

NetBIOS サポートを無効にすると、 NetBIOS のみをサポートするクライアントからは Samba サーバにアクセスできなくなることに注意。

デフォルト:

disable netbios = no

disable spoolss (G)

このパラメータを有効にすることで、 Samba の SPOOLSS MS-RPC サポートを無効にし、Samba 2.0.x と同様の動作をさせることが可能となる。 Windows NT/2000 クライアントは、Lanman 形式の印刷コマンドを利用することも可能である。 Windows 9x/Me は、このパラメータに影響されない。 なお、このパラメータを有効にすると、NT のプリンタプロパティを利用した、 Windows NTのプリンタ追加ウィザードによる Sambaマシンへのプリンタドライバのアップロード機能が無効になる。 また、Windows NT/2000 クライアントが、必要に応じて Samba マシンからプリンタドライバをダウンロードする機能も同時に無効になる。 このパラメータを有効にする際は、充分注意すること。

use client driverも参照のこと。

デフォルト:

disable spoolss = no

display charset (G)

Samba がメッセージを標準出力や標準エラー出力に出力したり、 SWAT で表示したりする際に用いる文字コードセットを指定する。 通常は、 unix charset と同じに設定すべきである。

デフォルト:

display charset = ASCII

設定例:

display charset = UTF8

dns proxy (G)

WINS サーバとして機能している nmbd(8) が WINS サーバとして機能している場合、ある NetBIOS 名が登録されていなかった時に、その NetBIOS 名を DNS 名として扱い、名前の問い合わせを行ったクライアントに代わってその名前を DNS サーバに対して問い合わせるように設定する。

NetBIOS 名の最大長は 15 文字であるため、 問い合わせる DNS 名(もしくはDNSの別名)も、最大15文字に制限される。

nmbd が DNS への名前解決を行う際には、問い合わせにより他の処理が停止させないために、自分自身を複製したプロセスを生成する。

wins support パラメータも参照のこと。

デフォルト:

dns proxy = yes

domain logons (G)

このパラメータが yes に設定されると、 Samba サーバは、自身が所属する workgroup に所属する Windows 95/98 に対するドメインログオン機能を提供するようになる。 Samba 2.2 では、Windows NT 4.0 に対するドメインコントローラ機能も限定的ながら有している。この機能の設定に関する詳細な記述は、Samba のドキュメント中の Samba-PDC-HOWTO を参照のこと。

デフォルト:

domain logons = no

domain master (G)

このオプションにより、 smbd(8) が WAN 環境におけるブラウズリストの統合を行なうことが可能になる。 このオプションを設定すると、nmbd は、指定された workgroup のドメインマスタブラウザであることを表す、ドメイン固有の特別な NetBIOS 名(訳注:NetBIOS 名で末尾が 0x1b のユニーク名を指す) を登録する。 各サブネット上にある、同じ名前の workgroup に属するローカルマスタブラウザは、この nmbdに対して、 ローカルに収集したブラウズリストを提供するとともに、 smbd(8) に対してネットワーク全体のブラウズリストの完全な複製の提供を要求するようになる。 ブラウザのクライアントは、ローカルマスタブラウザと通信することで、 個々のサブネットのブラウズリストではなく、 そのドメイン全体のブラウズリストを取得できるようになる。

Windows NT のプライマリドメインコントローラは、 workgroup のドメインマスタブラウザとして機能するために、 workgroup固有の特別な NetBIOS 名を登録することが前提とされていることに注意 (Windows NT PDC のこの動作を抑止することはできない)。 つまり、このパラメータが Yes に設定され、nmbd が Windows NT PDC より前に、workgroup のための特別な NetBIOS 名を登録してしまうと、 サブネット越しのブラウズは正常に動作せず、失敗する。

domain logons = yes の場合、domain master パラメータはデフォルトでは有効となる。 domain logons が有効でない場合(デフォルト)、 domain master もデフォルトでは有効にならない。

デフォルト:

domain master = auto

dont descend (S)

システムに存在するディレクトリには、 クライアントに参照させたくないものや、 無限に深い(再帰的)なものが存在する(たとえば Linux での /proc)。 このパラメータは常に空のように見せかけるサーバ側のディレクトリをコンマで区切って指定する。

Samba が要求する「dont descend」の書式は一定ではない。 たとえば /proc ではなく ./proc でなければならないかもしれない。 実験してみるのが最良の方法である。 :-)

デフォルト:

dont descend = 

設定例:

dont descend = /proc,/dev

dos charset (G)

DOS SMB クライアントは、サーバ上でも自身と同じ文字コードセットを使用していると想定する。 このオプションにより、 Samba が DOS クライアントと通信する際に用いられる文字コードセットを指定する。

デフォルトは Samba にインストールされた文字コードセットによって異なる。 Samba は、文字コードセット 850 の使用を試みるが、使用できない場合は ASCII を使用する。 testparm(1) コマンドを実行することで、システム上のデフォルト値を確認することが可能である。

デフォルト: なし

dos filemode (S)

Samba のデフォルトの動作では、 ファイルやディレクトリの所有者のみがアクセス権を変更できるという、UNIX的な仕様になっている。 しかし、この仕様が DOS/Windows のユーザを混乱させてしまうことも多い。 このパラメータを有効にすることによって、 ファイルに書き込み権のあるユーザは、パーミッションの変更もできるようになる。 ファイルの所有グループに所属しているユーザは、 グループに対して読み込み権限しか与えられていない場合は パーミッションの変更を行なうことができないことに注意。 なお、ファイルやディレクトリの所有者は変更されない。 変更されるのはパーミッションのみである。

デフォルト:

dos filemode = no

dos filetime resolution (S)

DOS や Windows の FAT ファイルシステム下では、 時刻の最小単位は 2 秒である。共有に対してこのパラメータを設定すると、 smbd(8) に対して 1 秒精度の要求が 行なわれた際に、 返却される時間をもっとも近い 2 秒の境界値に丸める。

このオプションはおもに、Samba の共有で Visual C++ を 使用するための互換性オプションとして利用する。 共有で oplock が有効であると、 Visual C++ はファイルが最後の読み込みから変更されていないかを検査するときに、 扱う日付の最小単位が異なる 2 つの時刻取得の呼び出し (call) を利用する。 そのうちのひとつの呼び出しは 1秒単位であり、もうひとつは 2 秒単位になっている。 2 秒単位で扱う呼び出しが奇数秒を切り捨てるため、 ファイルが奇数秒の日付であると 2 つの日付が一致せず、 Visual C++ はファイルが変更されたと報告し続けてしまう。 このオプションをyesに設定することで 2 つの日付は一致し、Visual C++ は幸福になれる。

デフォルト:

dos filetime resolution = no

dos filetimes (S)

DOS や Windows では、 ファイルに書き込み権のあるユーザが、ファイルのタイムスタンプを変更することが可能である。 POSIX の仕様では、ファイルの所有者か root のみがタイムスタンプを変更できる。 Samba のデフォルトは、POSIX 仕様に準拠しており、 smbd の実効ユーザがファイルの所有者でないとき、タイムスタンプの変更を禁止する。 このオプションを yes にセットすると、 DOS の仕様に準じて動作するようになるため、 smbd(8) は DOS の要求に従ってタイムスタンプを変更できるようになる。

デフォルト:

dos filetimes = no

enable rid algorithm (G)

このオプションは、Samba 3.0 の smbd がユーザとグループの RID を生成する場合に、Samba 2.2 のアルゴリズムを使用するかどうかを コントロールするために使用される。長期的なゴールとしては RID マッピングのアルゴリズムごと取り除くことだが、これは今までの経緯から 難しいことがわかっている。このパラメータは主に開発者を対象に 提供されており、彼らはこのアルゴリズムを有効にしたり 無効にしたりすることで、どの機能が使用不可になるか試すことができる。 この機能を無効にするといくつかの Samba の機能が使用できなくなるため、 開発者以外は無効にするべきでない。

デフォルト:

enable rid algorithm = yes

encrypt passwords (G)

この真偽値パラメータにより、 クライアントとのネゴシエーションに暗号化パスワードを利用するかどうかが決定される。 Windows NT 4.0 SP3 以降 や Windows 98 以降では、 レジストリの変更をしない限り、暗号化パスワードがデフォルトである。 Samba で暗号化パスワードを使う方法は Samba HOWTO collection 中の「User Database」の章を参照してほしい。

暗号化パスワードを正しく機能させるためには、 smbd(8) がローカルの smbpasswd(5) ファイル (設定と保守の方法に関する情報は smbpasswd(8) プログラムを参照)を参照するようにするか、 security = [server|domain|ads] パラメータを設定して、 smbd が別のサーバで認証を行うようにする必要がある。

デフォルト:

encrypt passwords = yes

enhanced browsing (G)

このオプションにより、 Samba に実装されている複数サブネット間でのブラウザのアナウンスメントに関する拡張が有効になる。 ただし、この拡張は、Microsoft の実装の標準とは異なる。

ブラウザのアナウンスメントに関する一つ目の拡張点は、 Samba のWINSサーバに登録されているすべてのドメインマスタブラウザを問い合わせる定期的なワイルドカードクエリと、返却された各DMBと行なわれるブラウズリストの同期処理のサポートである。 二つ目の拡張点は、DMBとして識別されているマシンとの間で 定常的に行なわれるランダムなブラウズリストの同期処理のサポートである。 (訳注: これは 120151 などで記載されている、WINS クライアントとなっている Windows NT 3.5 以上の DMB が定期的に WINS サーバに接続し、WINSサーバが保有する「ドメイン名>1B<」のリストを自身のブラウズリストに追加していく処理のサポートだと思われる)

中身が空のワークグループがブラウズリストから消えないというトラブルが発生した場合は、 このオプションを無効にしたい場合もあるだろう。 ブラウザのプロトコルの仕様上、 この拡張により空のワークグループが永久に残ってしまうという悩ましい問題が起こることがある。

通常は、サブネット越えのブラウザのアナウンスメントの信頼性向上のため、 このオプションは、有効のままにしておくべきである。

デフォルト:

enhanced browsing = yes

enumports command (G)

ここでいう「ポート(port)」の概念は、 UNIXのものと大きく異なる。Windows NT/2000のプリントサーバにおいて、 ポートはポートモニタと関連付けられ、通常ローカルポート(LPT1:、COM1:、 FILE:)やリモートポート(LPD Port Monitorなど)といった名称をもつ。 Sambaのデフォルトでは、 「Samba Printer Port」 というポートのみが定義されている。 Windows NT/2000においては、すべてのプリンタに適切なポート名がある。 デフォルトの「Samba Printer Port」 以外のポート名をポートの一覧に表示させたい場合 (smbdはポート名を全く使用していない)、 標準出力に対してポート名のリストを1行に一つずつ生成するようなプログラムを enumports commandで定義することができる。 この一覧はレベル1および2のEnumPorts() RPCのレスポンス中で利用される。

デフォルト:

enumports command = 

設定例:

enumports command = /usr/bin/listports

fake directory create times (S)

NTFS や Windows VFAT ファイルシステムでは、 すべてのファイルとディレクトリの作成時刻を保持している。 これは UNIX が保持している ctime (状態変更時刻)とは異なるため、 Samba の既定動作では UNIX が保持している中で最も古い時刻を報告する。 共有でこのパラメータを yes にした場合、Samba はディレクトリの作成時刻として、 常に 1980/1/1 の午前 0 時を報告する。

このオプションは、Samba 共有上で Visual C++ を使うときに互換性を保つためのオプションとして用いられることが多い。 Visual C++ は、各オブジェクトファイルに対する依存性チェック用途のオブジェクトディレクトリと、 そのディレクトリを作成するルールを持った makefile を生成する。 NMAKE が日付を比較する際にディレクトリをチェックするときには、ファイル作成時刻を使用する。 これにより、オブジェクトディレクトリが存在しない場合は作成され、作成されたディレクトリは、 ディレクトリ中に存在するオブジェクトファイルよりも古い時刻を保持することになる。

しかし、UNIX の時刻の扱いに関する仕様のため、 Samba が報告するディレクトリの作成時間はディレクトリにファイルが作成または削除されたときにも更新されてしまう。 その結果 NMAKE は、オブジェクトディレクトリで最後にビルドされたファイルを除く すべてのオブジェクトファイルがオブジェクトディレクトリより古いと判断し、それらを再構築してしまう。 このオプションを有効にすることで、 常にディレクトリは含まれるファイルよりも前の日付になり、 NMAKE によるビルドが意図したように行なわれることが保証される。

デフォルト:

fake directory create times = no

fake oplocks (S)

oplock は、SMB クライアントがファイル操作の結果をローカルにキャッシュするための許可をサーバから取得するための機能である。 サーバが oplock (opportunistic lock = 便宜的ロック) を許可すると、 クライアントは自分だけがそのファイルにアクセスしていると認識して、 積極的にファイルの内容をキャッシュする。oplock のタイプによっては、 クライアントがファイルのオープン/クローズの操作をキャッシュすることもありうる。 これにより、多大な性能向上が期待できる。

fake oplocks = yes の設定を行なうと、smbd(8) は、 実際にそのファイルを利用しているクライアント数に関わらず、 常に oplock を許可する。

一般的には、このパラメータを利用するよりも、 実際の oplocks を利用する方がよい。

CDROM 等の物理的に読みとり専用のメディアの場合など、 読みとり専用か、同時に 1 台のクライアントからだけしか アクセスされないとわかっている共有でこのオプションを有効にすると、 多くの操作で大きな性能改善が見られるだろう。複数のクライアントから 同時にファイルの読み書きアクセスする可能性がある共有でこのオプションを有効にすると、 ファイルの内容が破壊される場合が起こりうる。 このオプションは慎重に使用して欲しい!

デフォルト:

fake oplocks = no

follow symlinks (S)

このパラメータにより、Samba の管理者は、 smbd(8) がシンボリックリンクを追跡する処理を共有単位で禁止することが可能になる。 このパラメータを no に設定した場合、 シンボリックリンクのファイルやディレクトリの追跡する処理が抑制される(ユーザにはエラーが返却される)。 このオプションは、ユーザが自分のホーム・ディレクトリに /etc/passwd へのシンボリックリンクを追加するのを防止したりする効果がある。 ただし、わずかながらファイル名の検索が遅くなるだろう。

このオプションはデフォルトで有効になっている (つまり、smbd はシンボリックリンクを追跡する)。

デフォルト:

follow symlinks = yes

force create mode (S)

このパラメータは、Samba によって作成されたファイルのパーミッションに 必ず設定される UNIX のパーミッションビットを指定する。 これは、ファイルの作成時やパーミッションの変更時に、 パーミッションビットに対して、このパラメータの値でビット単位の OR 演算を行なうことで実現される。 このパラメータの既定値は 000 (8 進数表記)である。 このパラメータの値がビット単位の OR 演算に用いられるのは、 create mask パラメータの適用後である。

ファイルに対するビットマスクの詳細についてはcreate maskを参照のこと。

inherit permissions パラメータも参照のこと。

下記の例は、作成されるすべてのファイルに対し、 グループ(group)とその他のユーザ(others)の読み込みと実行権ビットと、 所有者(user)の読み込み/書き込み/実行ビットが必ず付与されるようにする。

デフォルト:

force create mode = 000

設定例:

force create mode = 0755

force directory mode (S)

このパラメータは、Samba によって作成されたディレクトリのパーミッションに 必ず設定される UNIX のパーミッションビットを指定する。 これは、ディレクトリの作成時に、 パーミッションビットに対して、このパラメータの値でビット単位の OR 演算を行なうことで実現される。 このパラメータの既定値は 000 (8 進数表記)である。この場合、作成されるディレクトリに対して特にパーミッションビットは追加されない。 このパラメータの値が適用されるのは、 directory mask パラメータの適用後である。

ディレクトリ作成時のマスクモードビットに関する詳細については、 directory mask パラメータを参照のこと。

inherit permissions パラメータも参照のこと。

下記の例は、作成されるすべてのディレクトリに対し、 グループ(group)とその他のユーザ(others)の読み込みと実行権ビットと、 所有者(user)の読み込み/書き込み/実行ビットが必ず付与されるようにする。

デフォルト:

force directory mode = 000

設定例:

force directory mode = 0755

force directory security mode (S)

このパラメータは、 Windows NT クライアント上のセキュリティダイアログボックスを使って、 UNIX ディレクトリのパーミッションを操作する時に、 設定可能な UNIX 側のパーミッションを指定する。

このパラメータは、変更されるパーミッションビットに対して、 OR操作のマスクとして適用されるため、 このマスクにあるビットはユーザが行なった修正変更操作に関わらず、設定される。 言い替えれば、マスク中で 1 と指定されたビットは、 ディレクトリのセキュリティを修正する際に、常に「on」に設定されたとみなされる。

このパラメータが明示的に設定されなかった場合は、 000 に設定される。これにより、ディレクトリに対する全ての user/group/world パーミッションを制限なしに変更可能となる。

注意 : 他の方法を使って Samba サーバにアクセスすることが可能なユーザは、この制限を簡単に回避できてしまう。 そのため、このパラメータの主な用途はスタンドアロンで動作する「アプライアンス」システムになるだろう。 通常システムの管理者のほとんどは、このパラメータを 0000 のままにしておきたいと考えるだろう。

directory security mask security maskforce security mode パラメータも参照のこと。

デフォルト:

force directory security mode = 0

設定例:

force directory security mode = 700

group

このパラメータは force group の同義語である。

force group (S)

このパラメータには、 このサービスに接続するすべてのユーザのデフォルトの所属グループと見なされる UNIX のグループ名を指定する。 このパラメータを使うと、サービス上のファイルに対するアクセスの際のパーミッションチェックには、 ここで指定したグループを用いることができるため、ファイル共有を行う際に便利である。 この設定を行うことで、 このサービス内において提供するファイルやディレクトリに対して指定されたグループ名にパーミッションを割り当てることにより、 Samba の管理者がこれらのファイルの共有を許可/不許可にすることができるようになる。

Samba 2.0.5 以降では、このパラメータの機能が拡張されている。 '+' 文字からはじまるグループ名が設定されていた場合、 現在共有にアクセスしているユーザが値として設定されたグループのメンバーだった場合に、 そのグループがユーザのデフォルトのプライマリグループとして設定される。 これにより、特定のグループに所属しているユーザのみが、 そのグループが所有するファイルを作成することを可能とする設定を行うことが可能となる。 これにより、所有権の設定をより細かく行なうことが可能となる。 たとえば、force group = +sys という設定を行った場合、 sys グループに所属しているユーザが Samba の 共有 にアクセスした際にのみ、 デフォルトのプライマリグループが sys に設定される。 その他すべてのユーザは、通常のプライマリグループのままとなる。

force user パラメータも設定されていた場合、 force group で指定されたグループより、 force user で指定されたユーザのプライマリグループの方が優先される。

force user も参照のこと。

このパラメータの同義語は group である。

デフォルト:

force group = 

設定例:

force group = agroup

force security mode (S)

このパラメータは、 Windows NT クライアント上で NT 固有のセキュリティダイアログボックスを使った UNIX ファイルのパーミッションを操作を行うときに、 変更可能とする UNIX のパーミッションビットを指定する。

このパラメータは、 変更されるパーミッションビットに対して、OR 操作のマスクとして適用されるため、 このマスクに含まれるビットは、ユーザの設定に関わらず on となる。 言い替えれば、マスク中の各ビットは、ユーザがファイルのセキュリティを変更するときに、 常に「on」に設定するビットとして考えることもできる。

このパラメータが明示的に設定されなかった場合は、 0 に設定される。これにより、ディレクトリに対する全ての user/group/world パーミッションを制限なしに変更可能となる。

注意 : 他の方法を使って Samba サーバにアクセスすることが可能なユーザは、この制限を簡単に回避できてしまう。 そのため、このパラメータの主な用途はスタンドアロンで動作する「アプライアンス」システムになるだろう。 通常システムの管理者のほとんどは、 このパラメータを 0000 のままにしておきたいと考えるだろう。

force directory security modedirectory security mask security mask パラメータも参照のこと。

デフォルト:

force security mode = 0

設定例:

force security mode = 700

force user (S)

このパラメータは、サービスに対する接続のすべてで、 デフォルトのユーザとみなされる UNIX ユーザの名前を指定する。 これはファイルを共有する上で便利であるが、誤って使用すると、 セキュリティ上の問題を引き起こす原因となるので、慎重に使用すべきである。

このユーザ名は接続の確立後に適用される。 従って、クライアントが有効なユーザ名とパスワードで接続を行う必要があることには変わりはない。 接続が確立すると、全てのファイル操作は「強制的に」このパラメータで指定されたユーザの権限で実行される。 クライアントが接続を確立した際のユーザ名は無視される。 これは大変便利なことがある。

Samba 2.0.5 以降では、このパラメータによって 設定されたユーザのプライマリグループが、 すべてのファイル操作においてプライマリグループとして利用される。 Samba 2.0.5 以前では、プライマリグループは本来接続を行ったユーザのプライマリグループのまま変わらない(これはバグである)。

force groupも参照のこと。

デフォルト:

force user = 

設定例:

force user = auser

fstype (S)

このパラメータは、 クライアントが共有のファイルシステムを問い合わせた際に、 smbd(8) が返却する共有のファイルシステムを指定する。 デフォルトは Windows NT 互換の NTFS だが、 これは、必要に応じて Samba FAT といった別の文字列に、変更することができる。

デフォルト:

fstype = NTFS

設定例:

fstype = Samba

get quota command (G)

get quota command は Samba が実行されている OS 上で、API が提供されていない場合に限り使用すべきである。

このパラメータは、指定されたディレクトリが存在するパーティションについて、指定されたユーザやグループのクオータ情報を取得するスクリプトへのパスを指定する。

このスクリプトは三つの引数をとる:

  • ディレクトリ

  • 問い合わせのタイプ

  • ユーザの uid もしくはグループの gid

問い合わせのタイプは以下のいずれかの値をとる:

  • 1 - ユーザのクオータ

  • 2 - ユーザのデフォルトのクオータ (uid = -1)

  • 3 - グループのクオータ

  • 4 - グループのデフォルトのクオータ (gid = -1)

スクリプトは出力を以下の形式にしたがって出力する必要がある:

  • 1行目 - クオータフラグ (0 = クオータは無効、 1 = クオータは有効、 2 = クオータは有効で使用を強制されている)

  • 2行目 - 現在の使用済ブロック数

  • 3行目 - ブロック数のソフトウェア的な上限

  • 4行目 - ブロック数のハードウェア的な上限

  • 5行目 - 現在の使用済 inode 数

  • 6行目 - inode 数のソフトウェア的な上限

  • 7行目 - inode 数のハードウェア的な上限

  • 8行目(オプション) - ブロックあたりのバイト数(デフォルト1024)

set quota command パラメータも参照のこと。

デフォルト:

get quota command = 

設定例:

get quota command = /usr/local/sbin/query_quota

getwd cache (G)

これはチューニングのためのオプションである。このパラメータを有効にすると、 getwd() の呼び出し時間を減らすためのあるキャッシュアルゴリズムが有効になる。特に wide links パラメータが false に設定された場合は、パフォーマンスに対して相当な効果がある。

デフォルト:

getwd cache = yes

guest account (G)

このパラメータは、 guest ok が設定されたサービスにアクセスする際に使用されるユーザ名である。 ゲストサービスに接続しているクライアントすべてに対して、 ここで設定したユーザの権限が適用される。 通常、このユーザはパスワードファイルに存在するが、ログインを行うことはできない。 このパラメータとして、「ftp」ユーザを利用するのもよいであろう。 サービスに対してユーザ名が指定されていると、 そのユーザ名がグローバルセクションで設定したものより優先される。

システムによっては、アカウント「nobody」では印刷することができない。 この場合は別のアカウントを使用すること。 ゲストユーザでログイン(su -コマンドなどを使用する)して、 lpr(1)lp(1) などの、 システムにある印刷コマンドを実行して印刷を行ってみることで、 これを確認しておくべきであろう。

このパラメータは % マクロを受け付けない。 これはシステムの多くの箇所において、この値が適切な値に設定されていることが必要とされるためである。

デフォルト:

guest account = nobody
# コンパイル時に変更可能

設定例:

guest account = ftp

public

このパラメータは guest ok の同義語である。

guest ok (S)

このパラメータが yes のサービスに付いては、 サービスへの接続の際にパスワードが要求されない。 この場合、 guest account の権限で操作が行われる。

このパラメータは restrict anonymous = 2 のメリットを無効にする。

このオプションに関する詳細については、 security セクションを参照のこと。

このパラメータの同義語は public である。

デフォルト:

guest ok = no

only guest

このパラメータは guest only の同義語である。

guest only (S)

このパラメータが yes のサービスについては、 ゲスト接続のみが許可される。 このパラメータは、サービスに guest ok が設定されていない場合は無効である。

このオプションに関する詳細については、 security セクションを参照のこと。

このパラメータの同義語は only guest である。

デフォルト:

guest only = no

hide dot files (S)

この真偽値パラメータにより、 ドットで始まるファイル名のファイルを隠しファイルとして扱うかどうかが制御される。

デフォルト:

hide dot files = yes

hide files (S)

これは、見せたくないがアクセスは許可したいファイルやディレクトリのリストを指定する。 DOSの「隠し」属性が該当するファイルやディレクトリに付加される。

リストの各エントリは、 スペースをエントリ中に含められるようにするため、「/」で区切る必要がある。 「*」と「?」は、DOSのワイルドカードと同様にして、 複数のファイルやディレクトリを指定するために利用することができる。

各エントリはUNIXのパス形式で指定すること。DOSのパス形式で指定したり、 UNIXでディレクトリを意味する「/」を含んだりはできない。

この設定には、 case sensitive オプションの設定が影響することに注意。

このパラメータを設定すると、 全てのファイルやディレクトリに対して該当するかどうかの確認を行う必要が発生するため、 Samba のパフォーマンスに影響がでる。

hide dot files veto files case sensitiveも参照のこと。

デフォルト:

hide files = 
# どのファイルも隠されない

設定例:

hide files = /.*/DesktopFolderDB/TrashFor%m/resource.frk/
# 
上記の設定例は、Thursby
から入手可能な Macintosh 上の SMB クライアント (DAVE)
が内部的な用途に作成するファイルの指定に加え、
ドットで始まるファイルを隠しファイルとして指定したものである。

hide local users (G)

このパラメータにより、ローカルな UNIX ユーザ (root, wheel, floppy など) をリモートクライアントから隠蔽するかどうかが設定される。

デフォルト:

hide local users = no

hide special files (S)

このパラメータにより、クライアントからソケット、デバイス、FIFOなどのファイルがディレクトリ一覧で表示されることを抑止できる。

デフォルト:

hide special files = no

hide unreadable (S)

このパラメータにより、読みとりができないファイルの存在をクライアントから隠蔽できる。 このパラメータのデフォルトは off になっている。

デフォルト:

hide unreadable = no

hide unwriteable files (S)

このパラメータにより、書き込みができないファイルの存在をクライアントから隠蔽できる。 このパラメータのデフォルトは off になっている。 書き込みができないディレクトリについては通常通り表示されることに注意。

デフォルト:

hide unwriteable files = no

homedir map (G)

このパラメータは、 nis homedir yessmbd(8) が Windows 95/98 の logon server として機能している場合に、 ユーザのホームディレクトリがあるサーバがどこかの情報をもつ NIS (YP)のマップを指定する。 現在のところ、Sun の auto.home マップ形式のみが認識される。 マップの形式は以下のとおり:

username server:/some/file/system

プログラムは、最初の「:」の前までをサーバ名として解釈する。 おそらく、これ以外のマップの形式や、Amd (別の automounter)のマップにも対応した優れた解析ロジックが存在することだろう。

Note

このオプションを利用する場合は、 システムがNISクライアントとして稼働している必要がある。

nis homedir domain logons も参照のこと。

デフォルト:

homedir map = 

設定例:

homedir map = amd.homedir

host msdfs (G)

yes の場合、 Samba は DFS サーバとして機能し、 DFS を利用可能なクライアントは、サーバ上で提供された DFS ツリーを参照することが可能となる。

共有単位のパラメータである msdfs root も参照のこと。 Samba で DFS ツリーを構成する場合の詳細な情報については、 ??? を参照のこと。

デフォルト:

host msdfs = no

hostname lookups (G)

Samba が(高価な)ホスト名検索を行なうか、 IP アドレスを使用するかを指定する。現在ホスト名検索を使用している箇所としては、 hosts deny および hosts allow の確認箇所などが挙げられる。

デフォルト:

hostname lookups = no

設定例:

hostname lookups = yes

allow hosts

このパラメータは hosts allow の同義語である。

hosts allow (S)

このパラメータの同義語としてallow hostsがある。

このパラメータには、サービスに対するアクセスを許可するホストのリストを、 コンマ, スペース, タブで区切って指定する。

[global] セクションで指定された場合、 個々のサービスで異なった設定が行われている場合も含めて、 この設定が全てのサービスに対して適用される。

ホストの指定は、IPアドレスでもホスト名でも行うことができる。 例えば、あるClass C サブネット上のホストのみにアクセスを限定したい場合は、 allow hosts = 150.203.5.とすればよい。 指定に利用できる記法の全ては、 hosts_access(5) のマニュアルページ中に記載されている。 このマニュアルページはシステムに存在しないかも知れないので、 ここで簡単に説明を行っておく。

なお、localhost のアドレスである 127.0.0.1 からのアクセスは、 hosts deny オプションで明示的に禁止されない限り、常にアクセスを許可される。

ホストの指定に、network/netmask 形式を用いたり、 システムがネットグループをサポートしている場合はネットグループ名を用いたりすることも可能である。 EXCEPT を用いることで、ワイルドカードによるホストの指定に対する例外を設けることも可能である。 以下の例が手がかりになるだろう:

Example 1: 150.203.*.* 内の全てのIPアドレスを許可する; ただし、例外のアドレスが1つある

hosts allow = 150.203. EXCEPT 150.203.6.66

Example 2: 指定した network/netmask の範囲内のホストからのアクセスを許可する

hosts allow = 150.203.15.0/255.255.255.0

Example 3: 個別に指定したホストからのアクセスを許可する

hosts allow = lapland, arvidsjaur

Example 4: NISネットグループの「foonet」に含まれるホストからのアクセスを原則として許可するが、あるホストからのアクセスについては拒否する。

hosts allow = @foonet

hosts deny = pirate

Note

実際のアクセスには、ユーザレベルで適切なパスワード指定する必要があることに注意。

ホストレベルのアクセス制御が期待通りになっているかどうかの確認手段については testparm(1) を参照のこと。

このパラメータの同義語は allow hosts である。

デフォルト:

hosts allow = 
# なし (全てのホストがアクセス許可される)

設定例:

hosts allow = 150.203.5. myhost.mynet.edu.au

deny hosts

このパラメータは hosts deny の同義語である。

hosts deny (S)

hosts allow の反対の意味を持ち、 このパラメータで指定されたホストは、サービス内で明示的にアクセスが許可されない限り、 サービスへのアクセスを拒否される。 両者の設定が矛盾した場合は、allow 側の設定が優先される。

このパラメータの同義語は deny hosts である。

デフォルト:

hosts deny = 
# なし (アクセスを拒否されるホストはない)

設定例:

hosts deny = 150.203.4. badhost.mynet.edu.au

hosts equiv (G)

このグローバルパラメータの値が空文字列でない場合、 パスワードなしでアクセスが許可されるユーザ名とホスト名を指定したファイル名を指定する。

これは、サービスにアクセス可能なホストを指定するための hosts allow と混乱しないように。 ゲストサービスを提供する場合は、このパラメータの方が有用であろう。 hosts equiv は NT クライアントから Samba にアクセスを行う際に、 パスワードの入力をさせたくない場合にも便利である。

Note

hosts equiv パラメータの利用は大きなセキュリティホールとなりうる。 これは、PC から適切なユーザ名が提供されることに依存する形になるためである。 PC から不適切なユーザ名を提供させることは簡単である。 hosts equiv オプションは、 何が行われるかについて本当に理解しているか、 家庭内ネットワークで配偶者や子供は信頼できるという場合にのみ利用することを推奨したい。 本当に 信頼できる場合のみに利用をとどめておくように:-)

デフォルト:

hosts equiv = 
# no host equivalences

設定例:

hosts equiv = hosts equiv = /etc/hosts.equiv

idmap backend (G)

idmap backend パラメータは、SID と UID や GID とのマッピングを行なう際に、ローカルな idmap tdb ファイルを用いる代わりに、一般的な LDAP バックエンドを用いて実現することを目的としている。 これにより、同一ドメインのドメインメンバとドメインコントローラ間では、UID や GID から SID へのマッピングが統一される。 これにより、SMB/CIFS 以外のプロトコル(NFSなど) を用いて情報を共有している UNIX/Linux システム間で UID や GID の不整合が発生するリスクを回避できる。

デフォルト:

idmap backend = 

設定例:

idmap backend = ldap:ldap://ldapslave.example.com

winbind gid

このパラメータは idmap gid の同義語である。

idmap gid (G)

idmap gid パラメータは UNIX グループを NT グループの SID にマッピングする際に使用するグループ id の範囲を指定する。 予期しない競合が発生しないようにするため、この GID の範囲にローカルな グループや NIS グループが存在しないようにすること

正常なグループマッピングを行うためには、idmap gid の有効な範囲を指定することが重要である。

このパラメータの同義語は winbind gid である。

デフォルト:

idmap gid = 

設定例:

idmap gid = 10000-20000

winbind uid

このパラメータは idmap uid の同義語である。

idmap uid (G)

idmap uid パラメータは UNIX ユーザを NT ユーザの SID にマッピングする際に割り当てられるユーザ id の範囲を指定する。 予期しない競合が発生しないようにするため、この GID の範囲にローカルな ユーザや NIS ユーザが存在しないようにすること

このパラメータの同義語は winbind uid である。

デフォルト:

idmap uid = 

設定例:

idmap uid = 10000-20000

include (G)

このパラメータにより、ある設定ファイル中に別の設定ファイルを挿入することが可能となる。 挿入されるファイルは、挿入された場所に記述されたかのように、 そのままの形で挿入される。

このパラメータには、%u%P%Sパラメータを除き、標準の変数置換が適用される。

デフォルト:

include = 

設定例:

include = /usr/local/samba/lib/admin_smb.conf

inherit acls (S)

このパラメータは、 親ディレクトリにデフォルトの ACL が設定されており、 サブディレクトリの作成時に、その ACL の設定を引き継がせたい場合に用いられる。 デフォルトの動作は ディレクトリ作成時に設定されるモードが用いられる。 このオプションを有効にすると、デフォルトのディレクトリの ACL を適用するため、 モードは 0777 となる。

デフォルト:

inherit acls = no

inherit permissions (S)

通常、新規作成したファイルやディレクトリのパーミッションは、 create mask, , force directory mode パラメータによって決定されるが、 真偽値パラメータである inherit permissions は、それらに優先される。

新しいディレクトリはsetgid のようなビットも含め、 親ディレクトリのパーミッションを引き継ぐようになる。

新しく作成されたファイルは、read/write ビットの設定を親ディレクトリから引き継ぐようになる。 execute ビットについては、従来どおり map archive , map hidden and map system などによって設定される。

setuid ビットが引き継がれることは、決して ない(コード上で明示的に禁止している)。

このパラメータは、数千人レベルの多くのユーザが存在する大規模なシステムで、 単一の [homes] 共有を各ユーザが柔軟に利用できるようにさせる際に、 特に有用であろう。

create mask , directory mask, force create mode, force directory mode も参照のこと。

デフォルト:

inherit permissions = no

interfaces (G)

このオプションにより、Sambaがブラウジング、名前の登録その他のNBTの通信に利用するネットワークインタフェースのリストを設定することが可能となる。 デフォルトの場合、Sambaはカーネルに対して有効なインタフェースのリストを問い合わせ、 127.0.0.1以外のブロードキャスト可能なインタフェースをすべて利用する。

このオプションはインタフェースを示す文字列のリストとなる。 各文字列は以下の形式のいずれで指定してもよい:

  • ネットワークインタフェース名(eth0など)。 シェルのようなワイルドカード指定も可能である。 例えばeth*は「eth」から始まるすべてのインタフェースを指定したことになる。

  • IPアドレス。 この場合、ネットマスクの値は、カーネルから取得されたインタフェースのリストにより設定される。

  • IP/mask のペア。

  • ブロードキャスト/mask のペア。

「mask」パラメータはビット長(例えば24はクラスCネットワーク)で指定しても、 ドット区切り10進数表記で指定してもよい。

上記の「IP」パラメータは、ドット区切り10進法で指定しても、 OSの標準的なホスト名解決機構で解決可能なホスト名で指定してもよい。

デフォルト:

interfaces = 
# 
127.0.0.1を除く、 ブロードキャスト可能なすべての有効なインタフェース

設定例:

interfaces = 
	
# この設定では、eth0デバイスと192.168.2.10および192.168.3.10のIPアドレスに対応する3つのネットワークインタフェースが指定されている。 後者のインタフェース2つに対するネットマスクは255.255.255.0に設定されている。 
	eth0 192.168.2.10/24 192.168.3.10/255.255.255.0

Related are:

  • bind interfaces only

invalid users (S)

これは、サービスに対するログインを許可しないユーザのリストを指定する。 このパラメータは、不適切な設定により発生しうるセキュリティ上の問題を完全に抑止する、 パラノイド的設定である。

「@」ではじまる名前は(システムがNISをサポートしている場合)、 まずNISネットグループとして解釈され、NISネットグループに名前が存在しない時は、 UNIXのグループとして解釈される。

「+」ではじまる名前は、UNIXのグループ名としてのみ解釈される。 「&」ではじまる名前は、NISネットグループの名前としてのみ解釈される (この場合システムでNISが稼働している必要がある)。 名前の前に付けられた「+」および「&」文字は、検索の順番を示す意味で使うこともできる。 例えば、+&groupは、 UNIXグループを検索してから、NISネットグループを検索するという意味になり、 &+groupは、 NIS ネットグループを検索してから UNIXグループを検索するという意味になる(これは「@」と同等になる)。

%Sは、 現在のサービス名に置換される。これは [homes] セクションで有効である。

valid users も参照のこと。

デフォルト:

invalid users = 
# invalid users なし

設定例:

invalid users = root fred admin @wheel

keepalive (G)

このパラメータの値(整数値)により、 keepalive パケットが送出される秒単位の間隔が設定される。このパラメータの値が0の場合、 keepalive パケットは送出されない。 keepalive パケットを送出することにより、サーバはクライアントマシンが存在していて応答があることを確認することが可能になる。

ソケットに SO_KEEPALIVE 属性が設定されている場合( socket optionsを参照のこと)、通常 keepalive は不要である。基本的に、このオプションは問題が発生している場合にのみ使用すべきである。

デフォルト:

keepalive = 300

設定例:

keepalive = 600

kernel change notify (G)

このパラメータは、Samba がカーネルに対してディレクトリの変更 通知を要求するか指定でき、この機能を使用すれば、サーバ上にある データに変更があった場合に SMB クライアントがその結果を 反映できるようになる。

このパラメータは使用しているカーネルが F_NOTIFY fcntl を使用してユーザプログラムに対しての変更の通知をサポートしている 場合にのみ使用される。

デフォルト:

kernel change notify = yes

kernel oplocks (G)

カーネルoplocks をサポートしているUNIX(現在はIRIXとLinux 2.4カーネルのみ)の場合、 このパラメータにより oplock の利用を制御できる。

カーネル oplocks のサポートにより、 smbd(8) が oplock を行ったファイルに対して、 ローカルな UNIX プロセスや NFS 経由でのアクセスがあった際に、 Sambaが oplocks を破棄することが可能となる。 これにより、 SMB/CIFS と NFS やローカルファイルアクセスとの間の完全な一貫性が確保される (これは非常に素晴らしいことである :-)。

このパラメータのデフォルト値は、 on であるが、 カーネルがこの機能をサポートしていないシステムでは、自動的に無効にされる。 このパラメータを変更する必要はないであろう。

oplocks level2 oplocks パラメータも参照のこと。

デフォルト:

kernel oplocks = yes

lanman auth (G)

このパラメータは、smbd(8) が LANMAN パスワードハッシュを使用した認証を行なうか否かを制御する。 無効にした場合、 NT パスワードハッシュを利用するクライアント (Windows NT/2000クライアント、smbclientなど。しかし Windows 95/98 や MS-DOS クライアントは含まない)のみがSambaホストに接続できる。

LANMAN 暗号化レスポンスは簡単に解読することが可能である。 これは大文字と小文字を区別しないことや、使用しているアルゴリズムなどに起因する。 Windows 95/98 や MS-DOS クライアントが存在しない場合は、このオプションを無効にしてもよいだろう。

encypt passwords オプションとは異なり、このパラメータはクライアントの挙動を制御するものではなく、 LANMAN レスポンスは以前としてネットワーク上を送信される。 Samba のクライアント (smbclient など) で LANMAN レスポンスを無効にするには client lanman auth を参照のこと。

このオプションと ntlm auth の両方を無効にした場合、 NTLMv2 によるログインのみが可能となる。 クライアントのすべてが NTLMv2 をサポートしているわけではなく、ほとんどのクライアントでは NTLMv2 を使用するために明示的な設定を行なう必要がある。

デフォルト:

lanman auth = yes

large readwrite (G)

このパラメータは、Windows 2000で導入された、 さまざまなSMBリクエストにおける新しい64Kのストリーミング読みとりおよび書き込みを smbd(8) がサポートするかどうかを制御する。 Windows 2000クライアントのリダイレクタにはバグがあるため、 このパラメータを利用するには、SambaがIRIX、Solaris、Linux 2.4カーネルのような64ビットのOSで動作している必要がある。 Windows 2000クライアントにおいては、10%のパフォーマンス向上が見込まれる。 デフォルト値は off である。幾つかの Samba のコードと同様、テストが充分には行われていない。

デフォルト:

large readwrite = yes

ldap admin dn (G)

ldap admin dn は、 Samba がユーザのアカウント情報を取得するために ldap サーバに接続する際に 用いられる、Distinguished Name (DN) を指定する。 ldap admin dn は、 private/secrets.tdb ファイルに 格納された admin dn password とともに用いられる。 これがどのように連携するかについての詳細な情報は、 smbpasswd(8) のマニュアルページを参照のこと。

デフォルト: なし

ldap delete dn (G)

このパラメータは ldapsam の削除の操作時に、エントリを完全に 削除するか、Samba でしか使用されない属性だけを消すかの指定ができる。

デフォルト:

ldap delete dn = no

ldap filter (G)

このパラメータは、RFC 2254 を満たす LDAP の検索フィルタを 設定する。デフォルトは、sambaAccount objectclass にマッチしたすべてのエントリから、uid attribute がログイン名と合致するものを取り出すフィルタが設定される。 このフィルタは 1 つのエントリのみが返却されるように設定する必要がある。

デフォルト:

ldap filter = (&(uid=%u)(objectclass=sambaAccount))

ldap group suffix (G)

このパラメータは、グループが LDAP ディレクトリに加えられるときの サフィックスを指定する。もしこのパラメータが設定されていない場合、 ldap suffix の値が代わりに使用される。

デフォルト:

ldap group suffix = 

設定例:

ldap group suffix = dc=samba,ou=Groups

ldap idmap suffix (G)

このパラメータは idmap mapping の情報の保存先のサフィックスを 指定する。このパラメータが設定されていない場合、 ldap suffix の値が代わりに使用される。

デフォルト:

ldap idmap suffix = 

設定例:

ldap idmap suffix = ou=Idmap,dc=samba,dc=org

ldap machine suffix (G)

このパラメータはマシンアカウントが LDAP ツリーのどこに 追加されるかを指定する。

デフォルト:

ldap machine suffix = 

ldap passwd sync (G)

このオプションは、Samba によって通常のアカウント (ワークステーション、サーバやドメインの信頼関係は含まない) の NT ハッシュや LM ハッシュが変更された場合に、Samba が LDAP のパスワード の同期をおこなうかを定義する。

ldap passwd sync には、 以下の 3 つのうちの 1 つを設定することができる:

  • Yes = LDAP、NT、LM パスワードを更新しようとし、pwdLastSet time を変更する。

  • No = NT、LM パスワードと pwdLastSet time を更新する。

  • Only = LDAP パスワードのみを変更し、あとの処理は LDAP サーバに 委任する。

デフォルト:

ldap passwd sync = no

ldap port (G)

このパラメータは、コンパイル時に --with-ldapsam オプションを付けて Samba の configure を行なった場合にのみ有効である。

このオプションは、 ldap server と通信する際に用いられる TCP ポート番号を設定するために用いられる。 デフォルトでは、LDAPS ポートの 636 が用いられる。

参照: ldap ssl

デフォルト:

ldap port = 389
# ldap ssl = off の場合

デフォルト:

ldap port = 636
# ldap ssl = on の場合

ldap server (G)

このパラメータは、コンパイル時に --with-ldapsam オプションを付けて、 Samba の configure を行なった場合にのみ有効である。

このパラメータには、ユーザアカウント情報が存在する ldap ディレクトリサーバの FQDN を設定する。

デフォルト:

ldap server = localhost

ldap ssl (G)

このオプションは、Samba が ldap server に接続する際に、SSL を用いるかどうかを制御するために用いられる。これは、 configure スクリプトの --with-ssl オプションで有効される、 Samba の SSL サポート(sslを参照のこと) とは 無関係 である。

ldap ssl の値には、以下の 3 つのうちいずれかを設定すること:

  • Off = ディレクトリのクエリ時には決して SSL を用いない。

  • Start_tls = ディレクトリサーバと通信する際に、LDAPv3 StartTLS 拡張オプション (RFC2830) を利用する。

  • On = ldap server に対して、常に SSL を用いて接続する。 下位互換である --with-ldapsam オプションが configure 時に指定された場合に のみ有効である。 passdb backend

    を参照のこと。

デフォルト:

ldap ssl = start_tls

ldap suffix (G)

ユーザやマシンアカウントがツリーに追加される場所を指定する。 ldap user suffixldap machine suffix で上書きが可能。それ以外にも、全ての LDAP のベースサーチにも 使用されている。

デフォルト:

ldap suffix = 

ldap user suffix (G)

このパラメータは、ユーザが LDAP ディレクトリに加えられるときの サフィックスを指定する。もしこのパラメータが設定されていない場合、 ldap suffix の値が代わりに使用される。

デフォルト:

ldap user suffix = 

level2 oplocks (S)

このパラメータにより、 Samba が共有上で level2(読みとり専用) oplock をサポートするかどうかが制御される。

level2 の読みとり専用 oplock を利用することで、 Windows NT クライアントは、既に oplock が行われているファイルを別のクライアントがオープンしようとした際に (今までの排他的な oplock の場合に行われていた関連するすべての oplock を廃棄する処理の代わりに)、 読み書き可能な oplock から読みとり専用の oplock へのダウングレードを行うような oplock をファイルに対して行うことが可能になる。 これにより、ファイルをオープンしているクライアントのうち、level2 oplock をサポートしているものは、 ファイルの先読みのみを行うキャッシュ(このキャッシュは書き込みキャッシュやロックを行わない)を引続き行うため、 書き込みが行われないようなファイル(例えばアプリケーションのexeファイルなど)に対して多くのアクセスが行われる際のパフォーマンスが改善される。

read only の oplock を行っていたクライアントのいずれかがファイルに書き込みを行った時点で、 すべてのクライアントに対して、 oplock を解除し、先読みキャッシュが破棄するように通知が行なわれる(応答待ちは行なわれない)。

このパラメータを有効にして、 共有されている実行ファイルのアクセスを高速化することを推奨する。

level2 oplock に関する詳細な議論については、CIFS の仕様を参照のこと。

現在、kernel oplocks がサポートされていると、 level2 oplock は(このパラメータがyesになっていても)、利用されない。 このパラメータを機能させるためには、 oplocks パラメータが、共有上で yes である必要があることに注意。

oplocks および kernel oplocks パラメータも参照のこと。

デフォルト:

level2 oplocks = yes

lm announce (G)

このパラメータにより、 nmbd(8) が、 OS/2 クライアントのブラウズリスト上に Samba サーバを格納するために必要な lanman announce のブロードキャストを送出するかどうかが制御される。 このパラメータは3つの値、yesnoautoをとる。 デフォルトは auto である。 no の場合、Sambaは決してこのブロードキャストを送出しない。 yes の場合、Sambaは lanman announce のブロードキャストを lm interval によって設定された間隔で定期的に送出する。 auto の場合、 Sambaはデフォルトでは lanman announce を送出しないが、受信を待機する。 そして、このブロードキャストを受信すると、 lm interval によって設定された間隔で定期的なブロードキャストの送出を開始する。

lm interval も参照のこと。

デフォルト:

lm announce = auto

設定例:

lm announce = yes

lm interval (G)

Samba が OS/2 クライアントが必要とする lanman announce のブロードキャストを送出するように設定されている場合 ( lm announce パラメータを参照のこと)、 このパラメータにより送出間隔が秒単位で指定される。 これが0の場合、 lm announce パラメータの設定に関わらず、 lanman announce は送出されない。

lm announceも参照のこと。

デフォルト:

lm interval = 60

設定例:

lm interval = 120

load printers (G)

このパラメータは、printcapファイル中で定義されたすべてのプリンタをデフォルトでブラウジング可能とするかどうかを制御する真偽値パラメータである。 詳細は、printers セクションを参照のこと。

デフォルト:

load printers = yes

local master (G)

このオプションにより、 nmbd(8) がサブネットのローカルマスタブラウザになるかどうかが制御される。 no の場合、 nmbd はサブネットのローカルマスタブラウザになろうとせず、 すべてのブラウザ選定において、常に敗退することになる。 デフォルトで、このパラメータは yes に設定されている。 このパラメータを yes にすることは、 Samba がサブネットのローカルマスタブラウザとなることを意味するものではなく、 nmbd がローカルマスタブラザの選定に 参加する ということを意味するものに過ぎない。

このパラメータの値を no にすると、nmbd決して ローカルマスタブラウザにならなくなる。

デフォルト:

local master = yes

lock dir

このパラメータは lock directory の同義語である。

lock directory (G)

このオプションにより、ロックファイルが置かれるディレクトリが指定される。 ロックファイルは max connections オプションにより利用される。

このパラメータの同義語は lock dir である。

デフォルト:

lock directory = ${prefix}/var/locks

設定例:

lock directory = /var/run/samba/locks

locking (S)

このパラメータは、 クライアントからのロック要求により、 サーバがロック処理を行うかどうかを制御する。

locking = noの場合、 すべてのロックおよびアンロック要求は成功したものとして扱われ、 すべてのロック状態の問い合わせは、ファイルがロック可能であると応答する。

locking = yesの場合、 サーバにより実際のロック処理が実行される。

このオプションをnoにすることは、 いかなる場合でも推奨されないが、 ロックを必要としないと思われる read only のファイルシステム(例えばCDROMドライブ)では、有用 かも知れない

ロックが機能しない場合、 データが破壊される可能性もあるため、全体に対しても、 個々の共有に対しても、ロックを無効にする際には注意すること。

デフォルト:

locking = yes

lock spin count (G)

このパラメータは、 smbd がクライアントから要求されたバイト範囲ロック獲得の試行を行なう回数を指定する。 Windows 2000 のサーバは、 ロックがすぐに獲得できなかった際の失敗の通知を行なわず、 代わりにロックを獲得するために数回の試行を行なう。 この挙動は、MS Access や FoxPro のような、 PC データベースの形式をサポートするために用いられる。

デフォルト:

lock spin count = 3

lock spin time (G)

smbd が一度失敗したロックを再度獲得しようとする際の待ち時間を、 マイクロ秒単位で指定する。 詳細は、lock spin count を参照のこと。

デフォルト:

lock spin time = 10

log file (G)

このオプションにより、 Sambaのログファイル(デバッグファイル)の名称を変更することが可能である。

このオプションには、標準の変数置換が適用されるため、 個々のユーザやマシン毎にログを分割することが可能である。

デフォルト: なし

設定例:

log file = /usr/local/samba/var/log.%m

debuglevel

このパラメータは log level の同義語である。

log level (G)

このパラメータの値(整数値)により、 smb.conf ファイル中でデバッグレベル(ログレベル)を設定することが可能になる。 このパラメータは Samba 2.2.x 系列と比べ強化されており、デバッグクラス毎にデバッグレベルを指定することが可能となっている。 これにより、システムの設定が非常に柔軟に行なえるようになる。

デフォルトのログレベルは、コマンドラインで指定された値になる。 指定が行なわれていない場合は、0 になる。

このパラメータの同義語は debuglevel である。

デフォルト: なし

設定例:

log level = 3 passdb:5 auth:10 winbind:2

logon drive (G)

このパラメータは、 ホームディレクトリとして接続されるパスを指定する(logon homeを参照のこと)。 このパラメータは NT Workstation によってのみ利用される。

このパラメータは、Sambaがログオンサーバとして構成された場合のみ、 意味をもつことに注意。

デフォルト:

logon drive = z:

設定例:

logon drive = h:

logon home (G)

このパラメータは、Windows 95/98/NT Workstation がSambaのPDCに対してログオンする際に用いられるホームディレクトリの位置を指定する。 これにより、例えば

C:\>NET USE H: /HOME

のような形式でコマンドプロンプトから接続を行うことが可能となる。

このオプションには、通常の変数置換が適用されるため、 個々のユーザやマシン毎にログオンスクリプトを分けることが可能になっている。

このパラメータは、Windows 9x ワークステーションにおいて、 移動プロファイルをユーザのホームディレクトリのサブディレクトリに格納するために利用することが可能である。 この場合、以下のような設定を行う:

logon home = \\%N\%U\profile

これにより、Samba はクライアントから NetUserGetInfo リクエストなどで情報を要求された場合に上記文字列を返却するが、その際変数置換が行なわれる。 Windows 9x のクライアントは、ユーザが net use /home コマンドを発行した際には、この情報の \\server\share 部分だけを用いるが、 プロファイルを扱う場合は文字列全体を利用する。

Sambaの以前のバージョンでは、 logon homeではなく、logon path が用いられていた。 このため、net use /home がうまく動作しなかったが、 プロファイルをホームディレクトリの外に置くことが可能であった。 現在の実装は正しい実装である。上記のような技を用いることで、 このパラメータをプロファイルの位置の設定にも利用する可能になっている。

このパラメータは、Sambaがログオンサーバとして構成された場合のみ、 意味をもつ。

デフォルト:

logon home = \\%N\%U

設定例:

logon home = \\remote_smb_server\%U

logon path (G)

このパラメータにより、移動プロファイル(Windows NTの場合、NTuser.datなどのファイル)が格納されるホームディレクトリが指定される。 以前のマニュアルページとは矛盾するが、このパラメータはWindows 9xの移動プロファイルとは無関係である。 Windows 9x システムで移動プロファイルを利用する方法については、 logon home パラメータを参照のこと。

このオプションは、標準の変数置換が適用されるため、 個々のユーザやマシン毎にログオンスクリプトを分けることが可能である。 このパラメータにより、読み出されて、Windows NTクライアント上に表示される「アプリケーション情報」、 デスクトップstart menuネットワークコンピュータプログラムやその他のフォルダとその内容を格納するディレクトリも設定される。

設定やディレクトリを Windows NT クライアント上にロードするため、 共有やパスはユーザが読み込み可能にしなければならない。 また、Windows NT クライアントが NTuser.dat やその他のディレクトリを作成できるように、 ユーザが最初にログインする時には共有を書き込み可能にしなければならない。

必要があれば、ディレクトリと中身は読み出し専用にすることができる。 その機能(固定プロファイル(MANdatory profile)) を実現するためには、NTuser.dat ファイルを読み出し専用にするのではなく、 NTuser.dat を NTuser.man に名前を変更する。

Windows クライアントは、ユーザがログインしていなくても [homes] 共有への接続を保持することがある。 そのため、logon path に [homes] 共有への参照を含めないことを強く推奨する (たとえば、このパラメータを\\%N\HOMES\profile_path のように設定すると問題が発生することがある)。

このオプションには、標準の変数置換が適用されるため、 個々のユーザやマシン毎にログオンスクリプトを分けることが可能になる。

このパラメータは、Sambaがログオンサーバとして構成された場合のみ、 意味をもつことに注意。

デフォルト:

logon path = \\%N\%U\profile

設定例:

logon path = >\\PROFILESERVERPROFILE\%U

logon script (G)

このパラメータは、 ユーザのログインが成功した際にダウンロードして実行される、 バッチファイル (.bat) や Windows NT のコマンドファイル (.cmd) を指定する。 ファイルは DOS 形式の行末(改行コード) CR/LF でなければならない。 ファイルの作成には DOS 形式のエディタを使うことが推奨される。

スクリプトは [netlogon] サービスからの相対パスで記述する必要がある。 [netlogon] サービスの path/usr/local/samba/netlogon で、 logon script = STARTUP.BAT の場合、ダウンロードされるファイルは以下のパスのものになる:

/usr/local/samba/netlogon/STARTUP.BAT

バッチファイルの中身は自由に記述することが可能である。 推奨されるコマンドとしては、 各マシンを同じタイムサーバの時刻と同期するようにさせる NET TIME \\SERVER /SET /YES がある。 ほかには、共通に利用されるユーティリティ用に、例えば NET USE U: \\SERVER\UTILS という設定を行なったり、サンプルとして

NET USE Q: \\SERVER\ISO9001_QA

といった設定を行ったりすることが挙げられる。

[netlogon] 共有に対しては、 バッチファイルが改変されてセキュリティが侵害されてしまうような、 書き込みアクセスを許可しないか、 安全な環境下でのみバッチファイルへの書き込み権限をユーザに与えるようにすること。

このオプションには、標準の変数置換が適用されるため、 個々のユーザやマシン毎にログオンスクリプトを分けることが可能になる。

このパラメータは、Sambaがログオンサーバとして構成された場合のみ、 意味をもつ。

デフォルト:

logon script = 

設定例:

logon script = scripts\%U.bat

lppause command (S)

このパラメータには、 特定の印刷ジョブの印刷やスプーリングを停止するためにサーバホスト上で実行されるコマンドを指定する。

このコマンドは、プリンタ名と停止させる印刷ジョブの番号を引数にとり、印刷ジョブを一時停止させるプログラムやスクリプトでなければならない。 これを実装する方法の一つは、非常に低い優先権を持つジョブはプリンタに送られないというジョブの優先権の仕様を利用するものである。

%p 変数は、 プリンタ名に置換される。 %j はジョブ番号(整数)に置換される。 HPUX の場合(printing=hpuxを参照のこと)、 -p%p オプションが lpr コマンドに付加されていると、ジョブのステータスは整形されたものになる。 たとえば、ジョブの優先権が設定されたフェンス優先権より低いならジョブは停止状態であるが、 優先権が等しいかより高いならスプール状態または印刷中の状態となる。

On HPUX (see printing=hpux ), if the -p%p option is added to the lpq command, the job will show up with the correct status, i.e. if the job priority is lower than the set fence priority it will have the PAUSED status, whereas if the priority is equal or higher it will have the SPOOLED or PRINTING status.

サーバの PATH 環境変数が利用できないかもしれないことを考慮して、 lppause command を絶対パスで記述する癖をつけておくと良い。

printing パラメータも参照のこと。

デフォルト:

lppause command = 
# 現在のところデフォルト値は設定されていない。
ただし、printing パラメータの値が
SYSV の場合は
lp -i %p-%j -H holdSOFTQ の場合は
qstat -s -j%j -h
がデフォルト値となる。

設定例:

lppause command = /usr/bin/lpalt %p-%j -p0

lpq cache time (G)

このパラメータは、 lpq コマンドが頻繁に呼び出されるのを防ぐため、lpr の情報(出力)をキャッシュする期間を制御する。 システムが使用する lpq コマンドの種別毎にキャッシュが行なわれる。そのため、ユーザ毎に異なった lpq コマンドを使用する場合、 キャッシュ情報は共有されない。

キャッシュファイルは /tmp/lpq.xxxx に保存される。 xxxx は使用している lpq コマンドのハッシュ値となる。

デフォルトは 10 秒であるため、キャッシュされたデータが10秒以内の場合は、 前回行なわれた同一のlpqの実行結果のキャッシュが用いられる。 lpq コマンドのレスポンスが非常に遅い場合は、この値を大きくすることを推奨する。

値を 0 にした場合、キャッシュは完全に無効となる。

printing パラメータも参照のこと。

デフォルト:

lpq cache time = 10

設定例:

lpq cache time = 30

lpq command (S)

このパラメータには、 lpq形式のプリンタ状態情報を得るため、 サーバホストで実行するコマンドを指定する。

このコマンドは、プリンタ名のみを引数としてとり 、 プリンタ状態情報を出力するプログラムやスクリプトでなければならない。

現在、BSD、AIX、LPRNG、PLP、SYSV、HPUX、QNX、CUPS、SOFTQ という9つの印刷形式がサポートされており、 これにより大部分の UNIX システムがサポートされる。 printing = オプションにより、利用する形式を指定することも可能である。

クライアントによっては(特にWindows for Workgroups)、 状態情報を要求しているプリンタの接続番号(connection number)を正しく送らないことがある。 この場合、サーバはクライアントが接続している最初の印刷サービスの状況を報告する。この動作は、 与えられた接続番号が不正な場合にのみ行なわれる。

%p 変数は、 プリンタ名に置換される。これはコマンドの最後に置かれる。

サーバの $PATH 環境変数が利用できないかもしれないことを考慮して、 lpq command を絶対パスで記述する癖をつけておくと良い。 CUPS ライブラリを付加してコンパイルした場合は、 smbd が印刷キューのリストを取得するためのライブラリコールを行なうため、 lpq command は必要ない。

printing パラメータも参照のこと。

デフォルト:

lpq command = 

設定例:

lpq command = /usr/bin/lpq -P%p

lpresume command (S)

このパラメータには、 特定の印刷ジョブの印刷やスプールを再開したり続行するためにサーバ上で実行するコマンドを指定する。

このコマンドは、 プリンタ名とジョブ番号を受け取るとその印刷ジョブを再開するプログラムやスクリプトでなければならない。 lppause command パラメータも参照のこと。

%p 変数は、 プリンタ名に置換される。 %j はジョブ番号(整数)に置換される。

サーバの PATH 環境変数が利用できないかもしれないことを考慮して、 lpresume command を絶対パスで記述することを推奨する。

printing パラメータも参照のこと。

デフォルト: 現在のところ、この設定のデフォルト値は設定されていない。 ただし、printing パラメータの値が SYSV の場合、 デフォルト値は以下の通り:

lp -i %p-%j -H resume

また、printing パラメータの値が SOFTQ の場合、デフォルト値は以下の通り:

qstat -s -j%j -r

HPUX の場合の設定例: lpresume command = /usr/bin/lpalt %p-%j -p2

デフォルト:

lpresume command = lpresume command = /usr/bin/lpalt %p-%j -p2

lprm command (S)

このパラメータには、 印刷ジョブを削除するためにサーバ上で実行するコマンドを指定する。

このコマンドは、 プリンタ名とジョブ番号を受け取るとその印刷ジョブを削除するプログラムやスクリプトでなければならない。

%p 変数は、 プリンタ名に置換される。 %j はジョブ番号(整数)に置換される。

サーバの PATH 環境変数が利用できないかもしれないことを考慮して、 lprm command を絶対パスで記述することを推奨する。

printing パラメータも参照のこと。

デフォルト:

lprm command = 
# printing の設定に依存する

設定例:

lprm command = /usr/bin/lprm -P%p %j

設定例:

lprm command = /usr/bin/cancel %p-%j

machine password timeout (G)

Sambaサーバが NT ドメインのメンバである場合 (security = domainパラメータを参照のこと) 、実行中の smbd(8) プロセスは、private/secrets.tdb という TDB ファイルに格納されたコンピュータアカウントのパスワードを定期的に変更しようとする。 このパラメータは、パスワードの変更を行なう間隔を秒単位で設定する。デフォルトは、NT ドメインのメンバサーバと同じく 1 週間 (秒単位で表される) である。

smbpasswd(8) および security = domain) パラメータも参照のこと。

デフォルト:

machine password timeout = 604800

magic output (S)

このパラメータは、Magic スクリプト(下記の magic script パラメータを参照) によって生成される出力結果が書き込まれるファイルの名前を指定する。

警告: 複数のクライアントが同じ Magic スクリプト を同じディレクトリで利用する場合、 出力ファイルの内容は不定になる。

デフォルト:

magic output = <magic script name>.out

設定例:

magic output = myfile.txt

magic script (S)

このパラメータで指定したファイルは、 ファイルをオープン後クローズした時点でサーバにより実行される。 このパラメータにより、UNIX のスクリプトを Samba ホストに送って、 接続しているユーザの権限で実行する機能が提供される。

このようにして実行されたスクリプトは、 ユーザに削除権限があり、ファイルが削除可能であれば、 実行完了と同時に削除される。

スクリプトが生成した出力は、 magic output パラメータ(前述)で指定されたファイルに書き込まれる。

シェルによっては、改行コードとして CR ではなく CR/LF を利用しているスクリプトをうまく実行できないことに注意。 Magic スクリプトはホスト上でそのまま実行されるため、ホストやシェルによっては、 DOS の改行コードを修正しておく必要があるかも知れない。

Magic スクリプトは 実験用 のパラメータであり、このパラメータを安全だと考えるべきでは ない

デフォルト:

magic script = 

設定例:

magic script = user.csh

mangle case (S)

NAME MANGLINGセクションを参照のこと。

デフォルト:

mangle case = no

mangled map (S)

このパラメータは、 Windows や DOS で表示できない UNIX ファイル名の対応づけを直接指定するためのものである。 名前の短縮のみがこの機能を使用するわけではない。 実際、DOS と UNIX とでファイル名の拡張子の異なるドキュメントが存在することがある。 一例を挙げると、UNIX では通常 HTML ファイルを示す拡張子として .html が使用されるが、DOS では .htm の方が一般的である。

このため、htmlhtm の対応づけを行なう場合は、以下のようにする:

mangled map = (*.html *.htm)

とても便利な利用方法の一つに、CDROMによってファイル名の末尾に付加されている ;1(幾つかのUNIX上でのみ表示される) の削除が挙げられる。これを行なうためには、 (*;1 *;) のように指定すればよい。

デフォルト:

mangled map = 
# mangled map なし

設定例:

mangled map = (*;1 *;)

mangled names (S)

このパラメータは、 UNIX 上の DOS非互換のファイル名をDOS互換の名前(「短縮名」)に短縮してアクセス可能にするか、 単純に無視するかどうかを制御する。

短縮処理がどのように行なわれているかについての詳細は、 NAME MANGLING のセクションを参照のこと。

短縮が行なわれる場合、利用されるアルゴリズムは以下の通りである:

  • ファイル名の先頭から一番右にあるドットの前までの英数5文字は、 大文字に変換された上で、 短縮名の先頭5文字となる。

  • チルダ「~」が短縮名に付加される。 更に元々のファイル名のベース部分(ファイル名から拡張子部分を除いたもの)から生成された一意な2文字が付加される。 拡張子にあたる部分は、大文字を含んでいるか、 3文字以上の場合のみ、ハッシュの計算に含まれる。

    「~」の利用を避けたい場合は、 the mangling char オプションにより、別の文字を指定することも可能であることに注意。

  • 拡張子の先頭から3文字目までの英数文字が、そのまま大文字に変換され、短縮されたファイル名の拡張子となる。 拡張子は元々のファイル名の一番右のドットより後の部分から生成される。 ファイル名にドットがない場合、 短縮されたファイル名には拡張子は付かない (隠しファイルの場合を除く。以下を参照のこと)。

  • UNIX 上のファイル名がドットから始まる場合、 そのファイルは DOS の隠しファイルとして扱われる。 この場合の短縮名は、ファイル名の先頭のドットを取り除き、 実際の拡張子に関わらず、拡張子「___(「_」3文字」を付加したものから、一般のファイル名と同様にして生成する。

2桁のハッシュ値は、大文字の英数文字になる。

このアルゴリズムは、 ディレクトリ内のファイルに先頭の英数 5 文字が同一のファイル名が存在する時のみ名前の衝突が発生するが、 実際に衝突する確率は、1/1300 である。

名前の短縮処理により、(この処理が有効な限り) Windows や DOS から、UNIX 側の長いファイル名を保持したまま UNIX ディレクトリ間のファイルのコピーができる。 Windows や DOS 側から UNIX 側のファイル名の拡張子を変更しても、ベース名は保持される。 なお、セッションが異なっても短縮名は変化しない。

デフォルト:

mangled names = yes

mangled stack (G)

このパラメータは、 Samba サーバの smbd(8) でキャッシュする短縮名の個数を指定する。

このスタックは、 最近短縮処理が行われたベース名のリストになる(拡張子は、 3文字より長い場合か、大文字を含む場合のみ保持される)。

この値をより大きくすることで、 短縮名を適切な長い UNIX 名に変換する処理が成功する確率が高くなるが、 ほとんどのディレクトリアクセスが遅くなる。 この値を小さくすると、サーバのメモリを節約できる (各スタックは256バイトを消費する)。

長いファイル名への変換が適切に行われることを完璧に保証することはできないため、 注意しておくこと。

デフォルト:

mangled stack = 50

設定例:

mangled stack = 100

mangle prefix (G)

短縮名を生成する際に、元々の名前に付加するプレフィックスの長さを指定する。 大きな値を指定すると、ハッシュアルゴリズムの効果が低下し、名前の衝突の可能性が高まる。最小値は 1 であり、最大は 6 である(訳注: mangling method = hash の時のみ有効?)。

mangle prefix は mangling method が hash2 の時のみ有効である。

デフォルト:

mangle prefix = 1

設定例:

mangle prefix = 4

mangling char (S)

このパラメータは、短縮名 において、 magic キャラクタとして利用される文字を指定する。デフォルトは「~」であるが、 ソフトウェアによっては問題が発生してしまうかも知れない。 このオプションにより、任意の文字を指定することが可能になる。

デフォルト:

mangling char = ~

設定例:

mangling char = ^

mangling method (G)

短縮名を生成する際に利用するアルゴリズムを指定する。 「hash」と「hash2」という2つの値を指定することが可能である。 「hash」はデフォルトの値であり、長年 Samba で利用されてきた方式である。 「hash2」は、新しい方式であり、 (名前の重複の発生が低減される点で)より優れたアルゴリズムといえる。 Win32 アプリケーションの多くが短縮名を記憶しているため、 新しいアルゴリズムへの変更は、 こうしたアプリケーションの再インストールが必要になる可能性があるという点で、安易に行なうべきではない。

デフォルト:

mangling method = hash2

設定例:

mangling method = hash

map acl inherit (S)

この真偽値パラメータにより、 smbd(8) が Windows の ACL に格納される「inherit」および「protected」の ACE フラグを user.SAMBA_PAI (訳注: Samba_Posix_Acl_Inheritance) と呼ばれる拡張属性にマッピングすることを可能とする。 このパラメータは Samba が拡張属性をサポートしているプラットフォーム(Linux および IRIX など)で実行されており、Windows 2000 の ACL エディタから Samba 側の POSIX ACL とのマッピングを実現するコードで継承を適切に設定できる場合のみ、有効となる。

デフォルト:

map acl inherit = no

map archive (S)

このパラメータは、DOSのアーカイブ属性を UNIXの所有者(owner)実行権ビットに割り当てるかどうかを決定する。 DOSのアーカイブ属性は、バックアップを行なった後でファイルが修正されると設定される。 このオプションの副作用として、Samba マシン上にあるファイルを修正した際に、UNIX 上で実行可能になってしまうことがあげられる。 これは共有のソースコードやドキュメントなどに関して、非常に悩ましい事態である。

このパラメータを利用する場合は、 所有者の実行権ビットがマスクされないように(100というアクセス権が含まれるように)、 create mask パラメータを設定することが必要となることに注意。 詳細は、create mask パラメータを参照のこと。

デフォルト:

map archive = yes

map hidden (S)

このパラメータは、DOSの隠しファイル属性を UNIXの全員(world)の実行権ビットに割り当てるかどうかを決定する。

このパラメータを利用する場合は、 全体の実行権ビットがマスクされないように(001というアクセス権を含むように)、 create mask パラメータを設定することが必要となることに注意。 詳細は、create mask パラメータを参照のこと。

デフォルト:

map hidden = no

map system (S)

このパラメータは、DOSのシステムファイル属性を UNIXのグループ実行権ビットに割り当てるかどうかを決定する。

このパラメータを利用する場合は、 グループ実行権ビットがマスクされないように(010というアクセス権を含むように)、 create mask パラメータを設定することが必要となることに注意。 詳細は、create mask パラメータを参照のこと。

デフォルト:

map system = no

map to guest (G)

このパラメータは、security モードが security = share 以外の時、すなわち userserverdomain のときにのみ有用である。

このパラメータの値には、 smbd(8) が 何らかの方法で有効なUNIXユーザとして認証されなかったユーザのログイン要求をどのように扱うかを指定するための 3 つの値のいずれかを設定することが可能である。

3つの値を以下に示す:

  • Never - 不正なパスワードによるユーザのログイン要求を拒否する。 これがデフォルトである。

  • Bad User - 不正なパスワードによるユーザのログイン要求を拒否するが、 指定されたユーザが存在しなかった場合はゲストログインとして扱い、 guest accountで指定されたアカウントにマッピングする。

  • Bad Password - 不正なパスワードによるユーザのログイン要求は、ゲストログインとして扱い、 guest accountで指定されたアカウントにマッピングする。 この場合、パスワードをタイプミスすると、 なにも言われずに「guest」としてログインしてしまう。 パスワードをタイプミスしたというメッセージもないため、 アクセス可能である筈のファイルにできないが理由がわからないという問題が発生する。 map to guest パラメータをこの設定にすると、 ヘルプディスクサービスからは 憎まれる ことになるだろう:-)。

security モードが share 以外の場合、「ゲスト」共有サービスを設定する場合は、 このパラメータが必須である。これは、サーバがクライアントの認証に成功しない限り、 要求されるリソースの名前がサーバに送られることは決してなく、 サーバが「ゲスト」共有に対する認証の成否を、 適切な時点(共有への接続時)に行なうことができないためである。

以前の Samba のリリースに親しんでいる人のため、 このパラメータは、local.h 中の GUEST_SESSSETUP というコンパイル設定に対応づけられている。

デフォルト:

map to guest = Never

設定例:

map to guest = Bad User

max connections (S)

このオプションにより、サービスへの同時コネクション数が制限される。 max connections が 0 より大きい場合、すでにオープンされているサービスに対するコネクション数がこの数に達していると、それ以上の接続が拒否される。値が 0 の場合は、コネクション数は無制限であることを意味する。

レコードロックファイルが、この機能の実装に利用されている。ロックファイルは、 lock directory オプションで指定されたディレクトリに保存される。

デフォルト:

max connections = 0

設定例:

max connections = 10

max disk size (G)

このオプションにより、見かけ上のディスクの容量の上限を設定することができる。このオプションを 100 に設定すると、すべての共有は 100MB 以上の容量に見えることはない。

このオプションは、ディスクに置くことができるデータの容量を制限するものではないことに注意。前述した設定を行なった場合でも、 100MB を越える容量をディスクに書き込むことは可能であるが、クライアントがディスクの空き容量や総ディスクサイズを求めると、結果は max disk size で指定された量に制限されることになる。

このオプションは、主として非常に大きいディスク、特に 1GB を越えるサイズをもつディスクを扱えないソフトウェアのバグを回避する際に有用である。

max disk size パラメータが 0 の場合は、無制限を意味する。

デフォルト:

max disk size = 0

設定例:

max disk size = 1000

max log size (G)

このオプション(キロバイト単位の数値)は、 ログファイルの最大サイズを指定する。 Samba は定期的にログファイルのサイズを調べ、 最大値を超過した場合は、ファイルの拡張子に .old を付加した名前にファイル名を変更する。

サイズ 0 は無制限を意味する。

デフォルト:

max log size = 5000

設定例:

max log size = 1000

max mux (G)

このオプションは、 Samba がクライアントに通知する同時に実行可能なSMBオペレーションの最大数を制御する。 このパラメータを設定する必要はないであろう。

デフォルト:

max mux = 50

max open files (G)

このパラメータにより、ある smbd(8) プロセスが1つのクライアントに対して同時に開くことのできるファイル数の上限値が設定される。 Samba は、オープンされていないファイルごとにわずか 1 ビットしか消費しないので、このパラメータのデフォルト値は、非常に大きな値 (10000) に設定されている。

オープンするファイルの数の制限は、通常このパラメータではなく UNIX におけるプロセス毎のファイルディスクリプタの上限値によって制限される。そのため、この値を変更する必要はないであろう。

デフォルト:

max open files = 10000

max print jobs (S)

このパラメータにより、 ある時点で Samba の印刷キューに蓄積可能なジョブの最大数が設定される。 設定数を超過すると、 smbd(8) は、 クライアントに「空き領域がない」というエラーを返却する。

デフォルト:

max print jobs = 1000

設定例:

max print jobs = 5000

protocol

このパラメータは max protocol の同義語である。

max protocol (G)

このパラメータ(文字列)の値は、 サーバがサポートする最上位のプロトコルである。

設定可能な値は以下の通りである:

  • CORE: 最初期のもので、ユーザの概念がない

  • COREPLUS: ほんの少し CORE に手を加えたものである

  • LANMAN1: 最初の 近代的な バージョンであり、 長いファイル名をサポートしている

  • LANMAN2: LANMAN1 プロトコルを改良したものである

  • NT1: 最も新しいプロトコルであり、 Windows NT が利用する。CIFSと呼ばれることもある。

通常、SMB プロトコルによりネゴシエーションを経て適切なプロトコルが選択されるため、 このオプションを設定すべきではない。

min protocol も参照のこと。

このパラメータの同義語は protocol である。

デフォルト:

max protocol = NT1

設定例:

max protocol = LANMAN1

max reported print jobs (S)

このパラメータにより、ある時点で Samba の印刷キューのポートモニタが表示する印刷ジョブの最大数が設定される。 この数値を超過した場合、超過したジョブは表示されない。 0 が設定された場合は、表示される印刷ジョブの制限はなくなる。 max print jobs パラメータを参照のこと。

デフォルト:

max reported print jobs = 0

設定例:

max reported print jobs = 1000

max smbd processes (G)

このパラメータは、システムで同時に実行可能な smbd(8) プロセス数の最大値を設定することで、コネクションを扱うリソースが不足して、クライアントに対するサービスが低下することを抑止する。通常の環境では、各ユーザ毎に smbd(8) が割り当てられ、そのホストからの共有に対するコネクションのすべてを扱うことに注意。

デフォルト:

max smbd processes = 0

設定例:

max smbd processes = 1000

max ttl (G)

このオプションは、 nmbd(8) がブロードキャストを利用したりWINSサーバを利用したりして NetBIOS 名を要求する際の NetBIOS 名のデフォルトのTTL(time to live)を(秒単位で)設定する。 このパラメータを変更する必要はないであろう。 デフォルトは3日である。

デフォルト:

max ttl = 259200

max wins ttl (G)

このオプションは、 smbd(8) が WINS サーバとして動作している ( wins support = yes) 、 nmbdに登録される NetBIOS 名の最大のTTL(time to live)を秒単位で指定する。 このパラメータを変更する必要はないであろう。 デフォルトは6日(518400秒)である。

min wins ttl パラメータも参照のこと。

デフォルト:

max wins ttl = 518400

max xmit (G)

このオプションにより、 Samba がネゴシエーション時に用いるパケットサイズの最大値が設定される。 デフォルトは 65535 であり、これが設定可能な最大値である。 小さい値の方が性能の上がる場合もあるが、 2048 以下ではおそらく問題が出るだろう。

デフォルト:

max xmit = 65535

設定例:

max xmit = 8192

message command (G)

このパラメータは、サーバが WinPopup 形式のメッセージを受信した際に、どのようなコマンドを実行するかを指定する。

一般的には、 何らかの形でメッセージを送信するコマンドを指定する。 これをどのようにして行なうかは、想像力次第である。

以下に一例を示す:

message command = csh -c 'xedit %s;rm %s' &

これは、 xeditを利用してメッセージを送信し、 その後メッセージを削除する。 コマンドは、 すぐに制御を戻すようにすることが必須であることに注意すること。 最後に '&' をつけたのは、そのためである。 コマンドを実行後すぐに制御が戻らないと、PC はメッセージ送信後フリーズしてしまう(うまくいけば、30 秒後に回復することになるだろう)。

全てのメッセージは、グローバルなゲストユーザの権限で送信される。 コマンド中では、標準の変数を利用できるが、 %u は機能しない(%U を利用するのが適切であろう)。

標準の変数以外に、 以下に示す変数を利用することが可能である:

  • %s = メッセージを含むファイル名

  • %t = メッセージの送信先(通常はサーバ名)

  • %f = メッセージの送り元のユーザ

このコマンドにより、 メールを送るなど、さまざまな動作が考えられる。 おもしろいアイデアを思いついたら教えて欲しい。

以下はメッセージをrootへのメールとして送信する方法である:

message command = /bin/mail -s 'message from %f on %m' root < %s; rm %s

message command が指定されていない場合、 メッセージは送信される、Sambaは送信者にエラーの発生を通知する。 ただし、WfWg はエラーコードを無視して送信を行ない、 メッセージの送信を報告する。

メッセージを単に削除したい場合は、以下のように設定すること

message command = rm %s

デフォルト:

message command = 

設定例:

message command = csh -c 'xedit %s; rm %s' &

min passwd length

このパラメータは min password length の同義語である。

min password length (G)

このオプションは、 UNIX 側のパスワード変更時に smbd が受け付ける平文パスワードの最小文字数を設定する。

unix password sync passwd program passwd chat debug も参照のこと。

このパラメータの同義語は min passwd length である。

デフォルト:

min password length = 5

min print space (S)

ユーザの印刷ジョブをスプールする際に利用可能でなければならない空きディスクスペースの最小容量を設定する。この値はキロバイト単位で指定する。デフォルトは 0 で、この場合、ユーザは常に印刷ジョブをスプールできる。

printing パラメータも参照のこと。

デフォルト:

min print space = 0

設定例:

min print space = 2000

min protocol (G)

このパラメータの値(文字列)は、 Sambaがサポートする最低限のSMBプロトコルのdialect(レベル)を指定する。 有効なプロトコル名の一覧と、その簡単な説明については、 max protocol パラメータを参照のこと。クライアントがサポートするプロトコルdialectの一覧については、 source/smbd/negprot.c の Cソースを参照するとよいであろう。

セキュリティ的な観点では、 lanman authパラメータも参照のこと。 それ以外の場合、このパラメータを変更する必要はないであろう。

デフォルト:

min protocol = CORE

設定例:

min protocol = NT1

min wins ttl (G)

このオプションは、 nmbd(8) がWINSサーバとして動作している時に ( wins support = yes)、 nmbd に登録された NetBIOS 名の最小の TTL (time to live)を秒単位で指定する。 このパラメータを変更する必要はないであろう。 デフォルトは6時間(21600秒)である。

デフォルト:

min wins ttl = 21600

msdfs proxy (S)

このパラメータは、この共有がパラメータで指定された別の CIFS 共有を代行する共有であることを指定する。 この共有に接続したクライアントは、 SMB の DFS プロトコルにより、別の共有に転送される。

DFS ルートのみが代行する共有として機能できる。 DFS ルートの共有を設定する方法については、 msdfs root および host msdfs オプションも参照のこと。

デフォルト: なし

設定例:

msdfs proxy = \\otherserver\someshare

msdfs root (S)

yesに設定された場合、 Samba はその共有を DFS ルートとして扱うため、クライアントは、その共有ディレクトリをルートとする DFS (分散ファイルシステム)ツリーを参照することが可能になる。 DFS リンクの作成は、共有ディレクトリ内で msdfs:serverA\\shareA,serverB\\shareB のような形式でシンボリックリンクを作成することにより行なわれる。 DFS ツリーを Samba で構成する際の詳細情報については、 ??? を参照のこと。

host msdfs も参照のこと。

デフォルト:

msdfs root = no

name cache timeout (G)

Samba のホスト名キャッシュ内のエントリがタイムアウトするまで時間を秒単位で指定する。タイムアウトが 0 に設定された場合、キャッシュは無効になる。

デフォルト:

name cache timeout = 660

設定例:

name cache timeout = 0

name resolve order (G)

このオプションは、どの名前サービスを用いて、またどのような順番で、 ホスト名から IP アドレスを解決するかを決定するため、 Samba の各プログラムで利用される。オプションは、 名前解決オプションをスペースで区切った文字列で指定する。

オプションは、「lmhosts」、「host」、「wins」、「bcast」である。 これらは以下に示すように名前解決を実行する:

  • lmhosts : Samba の lmhosts ファイルから IP アドレスを検索する。 NetBIOS 名サフィックスの指定されていない行が lmhosts ファイル中にあった場合、 (詳細は、lmhosts(5) を参照のこと)、 その行はすべてのサフィックスの検索にマッチする。

  • host : システム標準の方法で、/etc/hosts 、 NIS や DNS への問い合わせを行ない、 ホスト名から IP アドレスへの名前解決を行なう。 名前解決の方法は、OSに依存する。 IRIX や Solaris の場合、 /etc/nsswitch.conf ファイルにより制御される。この方法は、問い合わせされた NetBIOS のサフィックスが 0x20(server) の時のみ利用され、 それ以外は無効であることに注意。

  • wins : wins server パラメータで指定された IP アドレスに対して名前の問い合わせが行なわれる。 WINS サーバが指定されていない場合、この方法は無視される。

  • bcast : interfaces パラメータで設定された各インタフェースに対してブロードキャストが実行される。 これは解決したいホストがローカルサブネットに接続されているかどうかに依存するため、 もっとも信頼性の低い名前解決の方法である。

これは最初にローカルの lmhosts ファイルを調査し、 次にブロードキャストを行ない、 最後にシステム標準のホスト名検索を試行する。

デフォルト:

name resolve order = lmhosts host wins bcast

設定例:

name resolve order = lmhosts bcast host

netbios aliases (G)

これは、 nmbd(8) が Samba サーバの別名としてアナウンスする NetBIOS 名のリストである。これにより、ブラウズリスト中で単一のマシンを複数の名前で表示させることが可能になる。 マシンがブラウズサーバやログオンサーバとして動作している場合、別名はブラウズサーバやログオンサーバとしてはアナウンスされない。マシン本来の名前だけがそれらの機能をもつ名前としてアナウンスされる。

netbios name も参照のこと。

デフォルト:

netbios aliases = 
# 空文字列 (別名なし)

設定例:

netbios aliases = TEST TEST1 TEST2

netbios name (G)

このパラメータにより、 Samba サーバの NetBIOS 名が設定される。デフォルトでは、ホストの DNS 名の最初の部分と同一である。マシンがマスタブラウザや、ログオンサーバの場合、ここで設定された名前 (またはホストのDNS名の最初の部分) がサービスをアナウンスする際に用いられる。

netbios aliases も参照のこと。

デフォルト:

netbios name = 
# マシンの DNS 名

設定例:

netbios name = MYNAME

netbios scope (G)

このパラメータにより、 Samba が使用する NetBIOS スコープを設定される。LAN上のすべてのマシンに同じ値を設定しない限り、このパラメータを設定すべきではない。

デフォルト:

netbios scope = 

nis homedir (G)

NIS マップから、[home] 共有を提供するサーバを取得する。 automounter を使用する UNIX システムでは、 ユーザのホームディレクトリが、必要に応じてリモートサーバから ワークステーションにマウントされるようになっていることが多い。

Samba のログオンサーバが実際のホームディレクトリを提供するサーバではなく、 NFS経由でホームディレクトリをマウントしている場合、 クライアントに自分自身がホームディレクトリを提供する SMB サーバであるように見せると、 ユーザがホームディレクトリにアクセスするためには、 二段階のネットワークアクセスが必要になる(1つは SMB で、もう 1 つは NFS)。 これはとても遅くなることがある。

このオプションにより、 Samba は home 共有がログオンサーバとは異なるサーバにあるものとして扱うことが可能になり、 Samba デーモンがホームディレクトリのサーバで動作している限り、 Samba クライアントは、ホームディレクトリを提供しているサーバ上の共有を直接マウントする。 Samba が home 共有の情報をクライアントに返すとき、 homedir map で指定された NIS マップに問い合わせて、そこにあるサーバの情報を利用する。

このオプションが機能するためには、NIS システムが動いていなければならず、 このオプションを指定した Samba サーバは、 ログオンサーバでなければならないことに注意すること。

デフォルト:

nis homedir = no

nt acl support (S)

この真偽値パラメータにより、 smbd(8) が UNIX のアクセス権を Windows NT のアクセスコントロールリストにマップするかどうかが決定される。 このパラメータは、Samba 2.2.2 より前のリリースでは、グローバルパラメータであった。

デフォルト:

nt acl support = yes

ntlm auth (G)

このパラメータにより、smbd(8) が NTLM レスポンスを用いてユーザ認証を行なうかどうかが設定される。NTLM レスポンスが無効な場合、クライアントは LANMAN パスワードハッシュか NTLMv2 レスポンスを送信する必要がある。

このオプションと lanman auth の両方を無効にした場合、NTLMv2 ログインのみが可能となる。すべてのクライアントが NTLMv2 をサポートしているわけではなく、ほとんどの場合、NTLMv2 を使用するためには、明示的に設定を行なうことが必要である。

デフォルト:

ntlm auth = yes

nt pipe support (G)

この真偽値パラメータにより、 smbd(8) が Windows NT のクライアントに対して、 Windows NT の SMB 固有の IPC$ パイプへの接続を許可するかどうかが決定される。 これは開発者のデバッグオプションであり、設定する必要はない。

デフォルト:

nt pipe support = yes

nt status support (G)

この真偽値パラメータは、 smbd(8) が、 Windows NT/2000/XP クライアントに対して、 NT 固有のステータスのサポートのネゴシエーションを行なうかどうかを制御する。 これは、開発者のデバッグ用オプションであり、設定を変更すべきではない。 このオプションが no の場合、 Samba は Samba 2.2.3 以前と全く同様に、DOS エラーコードを返却する。

このオプションを無効にしてはならない。

デフォルト:

nt status support = yes

null passwords (G)

Allow or disallow client access to accounts that have null passwords.

smbpasswd(5)を参照のこと。

デフォルト:

null passwords = no

obey pam restrictions (G)

PAMサポートを有効にして(--with-pam) configure された Samba 3.0 において、このパラメータは、Samba が PAM のアカウントとセッション管理機構を利用するかどうかを制御する。 デフォルトの場合、 PAM は平文テキスト認証にのみ利用され、 アカウントとセッション管理は利用されない。 encrypt passwords = yes の場合、 Sambaは常に PAM による認証を無視することに気を付けること。 これは、PAMモジュールが、 SMBのパスワード暗号化に必要なチャレンジアンドレスポンス認証機構をサポートしていないためである。

デフォルト:

obey pam restrictions = no

only user (S)

この真偽値のオプションは、user パラメータに設定されていないユーザからの接続を許可するかどうかを制御する。 デフォルトでは、このオプションは無効になっており、 クライアントがサーバで使用するユーザ名を提供することが可能である。 このパラメータを有効にすることで、サーバは user パラメータで設定されたユーザ名のみを利用する。 これは 共有レベル のセキュリティの時のみ有用である。

このパラメータを有効にすると、 Samba はサービス名からユーザ名を推測することも行なわなくなる。 このため、[homes] セクションを利用していると問題が発生してしまうことがある。 user = %S とすることで、 user リストにサービス名が設定され、 ホームディレクトリをユーザの名前にすることができる。

user パラメータも参照のこと。

デフォルト:

only user = no

oplock break wait time (G)

これは Windows 9x と Windows NT 双方のバグに対応するために追加されたチューニングオプションである。 クライアントが oplock を解除させるような SMB を発行した時に、 Samba のクライアントに対する応答が早過ぎると、 クライアントは誤動作してしまい、解除要求に応答しない。 このチューニングパラメータ(ミリ秒単位で指定する)は、 こうした(異常動作を行なう)クライアントに対して oplock 解除要求を送付する前に、Samba がとる待ち時間になる。

Samba の oplock コードを読んで理解していない限り、 このパラメータを変えてはいけない。

デフォルト:

oplock break wait time = 0

oplock contention limit (S)

これは 非常に 高度な smbd(8) のチューニングオプションで、 複数のクライアントから同じファイルへの oplock 要求が行なわれた際の効率を改善するものである。

このパラメータには数値を指定する。 同じファイルに対して oplock を行なおうとするクライアントの大体の数がこのパラメータで指定した限界を越えると、 smbd(8) は、 たとえ要求されても oplock を許可しないようになる。これにより、 smbdは Windows NT と同様の動作を行うようになる。

Samba の oplock コードを読んで理解していない限り、このパラメータを変えてはいけない。

デフォルト:

oplock contention limit = 2

oplocks (S)

この真偽値オプションは、 共有内のファイルオープンが要求された際に oplock (opportunistic lock = 便宜的ロック) を行なうかどうかを smbd に指示する。 oplock により、Samba サーバ上のファイルアクセス速度を劇的に改善(およそ 30% 以上)することができる。 oplock により、クライアントは、積極的にファイルをローカルにキャッシュするようになるが、 信頼性の低いネットワーク環境の場合などに、これを無効にしたいと考えることもあるだろう (Windows NT サーバにおけるデフォルト値は有効である)。 これ以上の情報については、 Samba の docs/ ディレクトリにある Speed.txt を参照のこと。

oplock は共有内のファイル単位で無効にすることも可能である。 veto oplock files パラメータを参照のこと。 システムによっては、oplock が OS 自身によって認識される。 この場合、Samba、NFS、ローカルなUNIXのいずれを経由してアクセスが行なわれた場合でも、 oplock が行なわれたファイルとのデータの同期が実現する。 詳細は、kernel oplocks パラメータを参照のこと。

kernel oplocks level2 oplocks パラメータも参照のこと。

デフォルト:

oplocks = yes

os2 driver map (G)

このパラメータでは、 OS/2 のプリンタドライバ名と Windows NT のプリンタドライバ名とのマッピングが記述されたファイルへの絶対パスを指定する。 ファイル形式は以下のようになっている:

<nt driver name> = <os2 driver name>.<device name>

HP LaserJet 5 のプリンタドライバを例にとった場合、 正しいエントリはHP LaserJet 5L = LASERJET.HP LaserJet 5Lのようになる。

このファイルは、 ??? 中で記述されているプリンタドライバの名前空間の問題に対応するために用いられる。 OS/2 クライアントに関する詳細については、??? を参照のこと。

デフォルト:

os2 driver map = 

os level (G)

この数値は、 Samba がブラウザ選定時に宣言する優先度を設定する。 このパラメータの値は、 nmbd(8) が、ブロードキャスト範囲内における WORKGROUP のローカルマスタブラウザになるかどうかに影響する。

注意 : ローカルマスタブラウザの選定に際して、デフォルトでは、 Samba が Windows NT 4.0/2000 のドメインコントローラ以外のすべての Microsoft 社のOSに優先する。 このため、Samba ホストの設定が不正の場合、 ブラウジング的にそのサブネットが孤立してしまう可能性がある。 詳細は、Samba の docs/ ディレクトリにある BROWSING.txt を参照のこと。

デフォルト:

os level = 20

設定例:

os level = 65

pam password change (G)

Samba 2.2 における PAM サポート機能の追加にともない、 このパラメータを用いることで、 Samba で PAM を使ったパスワード変更が可能となる。 このパラメータが有効な場合、SMB クライアントからの要求があれば、 passwd program に設定されたプログラムに代わって、PAM を使ってパスワードの変更が行なわれる。 ほとんどの場合、 passwd chat パラメータの変更なしにこのパラメータを有効にすることが可能である。

デフォルト:

pam password change = no

panic action (G)

これは Samba 開発者のためのオプションで、 smbd(8)smbd(8) がクラッシュした際に呼び出されるシステム上のコマンドを指定する。 これは通常問題が発生した事実を警告するのに使われる。

デフォルト:

panic action = 

設定例:

panic action = "/bin/sleep 90000"

paranoid server security (G)

Windows NT 4.x のバージョンによっては、問題のあるパスワードの非ゲストアカウントが許容されている。このオプションを有効にした場合、 Samba はこうした Windows NT 4.x サーバを password server として使用せず、ログに出力を行ない終了するようになる。

このオプションを無効にすることで、 Samba がこのチェックを行なわなくなるため、意図的にリモートサーバに対して不正なログオンを試行しなくなる。

デフォルト:

paranoid server security = yes

passdb backend (G)

このオプションにより、管理者はパスワードの格納および取得にどのような機構(backend)を使用するかについて指定できる。 これにより、再コンパイルなしで(例えば) smbpasswd と tdbsam の両方を用いることが可能となる。 複数の機構を指定することも可能であり、その際はスペースで区切って指定する。 機構は指定された順番に検索される。 新しいユーザは、常に最初に指定された機構に対して追加される。

このパラメータは、機構の名称と、特定の機構に依存した「位置」を示す文字列との 2 つの要素から構成されている。 この要素は「:」文字で区切られる。

指定可能な機構は以下のとおりである:

  • smbpasswd - デフォルトの smbpasswd 機構である。オプションの引数として smbpasswd ファイルの位置を指定する。

  • tdbsam - TDB ベースのパスワード格納機構である。 オプションの引数として、 TDB ファイルへのパス (デフォルトは private dir ディレクトリ内の passdb.tdb) を指定する。

  • ldapsam - LDAP ベースのパスワード機構である。 オプションの引数として、 LDAP の URL (デフォルトは ldap://localhost) を指定する。

    LDAP の接続は、可能な場合は暗号化される。 これは Start-TLS (ldap ssl を参照のこと) か ldaps:// を URL 引数中で指定することにより行なわれる。

  • nisplussam - NIS+ ベースのパスワード機構。オプションの引数として NIS+ のドメイン名を指定する。 Sun の NIS+ サーバでのみ機能する。

  • mysql - MySQL ベースのパスワード機構。引数として identifier を指定する。 設定の詳細については Samba HOWTO collection を参照のこと。

デフォルト:

passdb backend = smbpasswd

設定例:

passdb backend = tdbsam:/etc/samba/private/passdb.tdb smbpasswd:/etc/samba/smbpasswd

設定例:

passdb backend = ldapsam:ldaps://ldap.example.com

設定例:

passdb backend = ldapsam:"ldap://ldap-1.example.com ldap://ldap-2.example.com"

設定例:

passdb backend = mysql:my_plugin_args tdbsam

passwd chat (G)

このパラメータで指定される文字列は、 smbd(8) とローカルなパスワード変更プログラムとの間でパスワード変更時に発生する 「やりとり(chat)」 を制御する。 文字列には、 smbd(8)passwd program で指定したプログラムに行なう送信内容と、それに対して期待される応答内容とを定義したやりとりの手順を記述する。 期待される応答がない場合、パスワードは変更されない。

このやりとりの手順は、 パスワード制御のためにどのような方法(たとえば NIS など)を使うかに依存するため、 通常サイト依存のものとなる。

このパラメータは、 unix password sync パラメータが yes の時のみ利用される。 このやりとりは、smbpasswd ファイル中の SMBパスワードが変更される際に、 古いパスワードの平文へアクセスすることなしに、 ROOT権限で 呼び出される。 これは、root であれば以前のパスワードを知らなくても、ユーザのパスワードの再設定を行なうことができるからである。 NIS/YP を利用している場合、 passwd program は NIS マスタサーバ上で実行する必要がある

文字列には、新パスワードに置換される、 %n マクロや、 各々改行、復帰、タブ、空白を意味する標準的なマクロである、 \n\r\t\sも記述できる。 さらに、この文字列には、任意の文字列に一致する '*' を記述してもよい。 ダブルクオーテーションは、空白を含む複数の文字列を 1 つの文字列と見なすのに使うことができる。

やりとりの手順中で、送信文字列としてピリオド「.」が指定されていた場合、実際にはなんの文字列も送られない。 同様に、受信文字列としてピリオドが指定されていた場合、 実際には何も受信しないことが期待されている。

pam password change パラメータが yes の場合、やりとりの手順は、任意の順番でマッチし、 成功したか否かは出力結果ではなく PAM の戻り値で判断される。 PAM の場合、\n マクロは無視される。

unix password sync passwd program passwd chat debug pam password change パラメータも参照のこと。

デフォルト:

passwd chat = *new*password* %n\\n*new*password* %n\\n *changed*

設定例:

passwd chat = "*Enter OLD password*" %o\\n "*Enter NEW password*" %n\\n "*Reenter NEW password*" %n\\n "*Password changed*"

passwd chat debug (G)

この真偽値パラメータは、passwd chat script パラメータを debug モードで実行するかどうかに影響する。 debug モードの場合、passwd chat 中にやりとりされる文字列は、 debug level を 100 にすることで、 smbd(8) のログファイル中に出力されるようになる。 smbd のログ中に平文のパスワードが見えてしまうため、これは危険なオプションである。 このパラメータは、 Samba の管理者が passwd chat スクリプトが passwd program のデバッグを行なう際に役立つ。デバッグが終了したら、必ず無効にすること。 pam password change パラメータが有効になっている場合、このオプションは無効になる。 このパラメータはデフォルトで無効になっている。

passwd chat pam password change passwd program も参照のこと。

デフォルト:

passwd chat debug = no

passwd program (G)

ユーザの UNIX 上のパスワードを設定するために使用するプログラムの名前を指定する。 %u はユーザ名に置換される。 パスワード変更プログラムを呼び出す前に、 指定されたユーザ名が存在するかのチェックが行なわれる。

多くのパスワード変更プログラムは、 パスワードの最小字数や大文字と小文字併用や、数字の混在などの 適切なパスワードを要求することに注意して欲しい。 一部のクライアント(Windows for Workgroups など)は、 パスワードを送信する前に大文字化してしまうため、問題が発生する。

注意:unix password sync パラメータを yes に設定すると、 smbpasswd ファイル中の SMBパスワードが変更される前に、 このプログラムが ROOT権限で 呼び出される。 UNIX 側のパスワード変更が失敗すると、 smbd は SMBパスワードの変更も失敗させる(これは仕様である)。

unix password sync パラメータが yes に設定されている場合は、 このパラメータで指定する すべての プログラムを 必ず絶対パスで設定し、 セキュリティ上の問題が発生しないようにしておくこと。 デフォルトでは unix password syncno になっているので注意。

unix password sync も参照のこと。

デフォルト:

passwd program = 

設定例:

passwd program = /bin/passwd %u

password level (G)

クライアントとサーバの組合せによっては、 大文字と小文字が混在したパスワードの扱いに問題が発生することがある。 問題が発生するクライアントとしては、 LANMAN1 プロトコルを使用しているとパスワードを強制的に大文字にするが、 COREPLUS を使用しているときはこの変換を行なわない Windows for Workgroups が挙げられる。 Windows 95/98 系列のオペレーティングシステムにも問題がある。 これらのクライアントは、プロトコルのネゴシエーションの結果 NT LM 0.12が使われることになった場合でも、平文のパスワードを大文字化してしまう。

このパラメータは、 パスワード中に含まれる大文字の最大数を設定する。

例えば、与えられたパスワードが「FRED」であったとする。 password level が 1 に設定されていると、 「FRED」で失敗したときに以下の組み合わせによる再試行が行なわれる:

"Fred", "fred", "fRed", "frEd","freD"

password level が 2 に設定されていると、 以下の組合せによる試行も行なわれる:

"FRed", "FrEd", "FreD", "fREd", "fReD", "frED", ……

以降も同様である。

このパラメータを大きくするほど、 大文字と小文字の混在したパスワードが大文字あるいは小文字のみのパスワードと一致するようになる。 しかし、このパラメータの利用はセキュリティの低下につながることと、 新規の接続を処理するための時間が増大することを意識しておく必要がある。

値を 0 にすると、入力された通りのパスワードと、 それらを全て小文字にした場合の 2 回の試行のみを行なう。

デフォルト:

password level = 0

設定例:

password level = 4

password server (G)

このオプションで、別の SMB サーバ(Windows NT マシンなど)の名前を指定した上で、 security = domain もしくは security = server の設定を行なうことで、 Samba が行なうユーザ名、パスワードの認証のすべてを別のサーバに行なわせることが可能となる。

このオプションでは、パスワードサーバとして利用するマシンの名前を設定する。 名前の指定は NetBIOS名で行なう必要がある。そのため、 NetBIOS 名が Internet 名と異なっている場合は、 smb.confファイルと同じディレクトリにある、 lmhosts ファイルに NetBIOS 名のエントリを追加する必要があるだろう。

パスワードサーバの名前解決は、 name resolve order パラメータで設定された方法と順番に従って行なわれるため、 このパラメータで指定可能な任意の方式を任意の順番で組み合わせることができる。

パスワードサーバは、 「LM1.2X002」または「LM NT 0.12」プロトコルが利用可能であり、 ユーザレベルのセキュリティモードで構成されたマシンである必要がある。

Note

パスワードサーバを利用するということは、 Samba を実行している UNIX マシンのセキュリティはパスワードサーバに依存するということである。 完全に信頼することができないサーバをパスワードサーバとして設定してはいけない

Samba サーバ自身をパスワードサーバに設定しないこと。 これはループを発生させ、Samba サーバをフリーズさせてしまう!

password server の値には、 Samba 変数も通常通り利用できるが、 事実上有用なものは、Samba サーバに接続してきたクライアントをパスワードサーバとして設定することを意味する、 %m だけであろう。 この設定はクライアントを信頼することになるため、 hosts allow を使って接続を制限することが望ましい。

security パラメータを domain に設定する場合、このオプションでは、 ドメインのプライマリおよびバックアップドメインコントローラを指定するか、 「*」という文字を指定する必要がある。これは、 Samba サーバをドメインのメンバとして機能させるとともに、 ユーザのログオン時に認証を行なうために、暗号化された認証済のRPCコールを利用するためである。 security = domain を用いる利点は、 password server オプションで幾つかのサーバを指定した場合に、 smbd が、どれかのサーバから応答があるまでリスト中のサーバに対して順番に問い合わせを行なっていくという点にある。 これは、通常問い合わせを行なうサーバが停止してしまった時に効果を発揮する。

「*」文字とサーバのリストの両方を指定した場合、 リストは問い合わせを行なうサーバの優先順位として機能するが、 それ以外の DC もリストには追加される。 Samba は最も近い DC の位置を検出することによるリストの最適化は行なわない。

security パラメータが server の場合、 security = domain の場合にはなかった制限事項が幾つか発生する:

  • 複数のパスワードサーバを password server パラメータ中に設定できるが、 一旦 smbd が接続を行なったパスワードサーバが停止してしまうと、 その smbd ではそれ以上のユーザ認証が一切行なえなくなる。 これは security = server モードにおける SMB/CIFS プロトコルでの制限で、Samba 側では対処できない。

  • Windows NT サーバをパスワードサーバとして使っている場合、 ユーザが Samba サーバからログオンできるようにする必要がある。 これは、security = server モードの場合、 ネットワーク経由のログオンは、ユーザのワークステーションからではなく、 Samba サーバから行われたものとして扱われるためである。

security パラメータも参照のこと。

デフォルト:

password server = 

設定例:

password server = NT-PDC, NT-BDC1, NT-BDC2, *

設定例:

password server = windc.mydomain.com:389 192.168.1.101 *

設定例:

password server = *

directory

このパラメータは path の同義語である。

path (S)

このパラメータは、サービスに接続したユーザがアクセスするディレクトリを指定する。印刷サービスの場合、これは印刷データがホストの印刷機構に送られる前にスプールされる場所になる。

ゲストアクセスを許可している印刷サービスの場合、サービスは読みとりのみにした上で、パスは全ユーザ書き込み可能として sticky ビットをセットすべきである。これはもちろん必須ではないが、このようにしない限りは、おそらく意図した設定を行なうことができないだろう。

%u は、クライアントが接続する際に使用した UNIX のユーザ名に置換される。%m は、接続してきたマシンの NetBIOS 名に置換される。これらの置換機能は、ユーザに仮想的なホームディレクトリを設定する際非常に有用である。

root dir が指定されていた場合、このパラメータもその影響を受けることに注意。

このパラメータの同義語は directory である。

デフォルト:

path = 

設定例:

path = /home/fred

pid directory (G)

このオプションにより、 pid ファイルがおかれるディレクトリが指定される。

デフォルト:

pid directory = ${prefix}/var/locks

設定例:

pid directory = pid directory = /var/run/

posix locking (S)

smbd(8) デーモンでは、 SMB クライアントによって行なわれたファイルロックの情報を記録するデータベースを管理している。 デフォルトでは、データベースの内部処理として POSIX ロックへの置換えが行なわれている。 これにより、SMB クライアントによって行なわれたファイルロックは、 POSIX 互換のアプリケーションが SMB 以外の方式(NFS やローカルなファイルアクセス) を用いて、ファイルにアクセスする際にも認識されることになる。 このパラメータを無効にする必要はまずないであろう。

デフォルト:

posix locking = yes

postexec (S)

このオプションは、 サービスから切断した際に常に起動されるコマンドを指定する。 このパラメータでは通常の Samba の変数も利用できる。 システムによってはコマンドが root で実行される場合もあるかも知れない。

面白い例としては、サーバのリソースを umount するような用途が考えられる:

postexec = /etc/umount /cdrom

preexecも参照のこと。

デフォルト:

postexec = 

設定例:

postexec = echo \"%u disconnected from %S from %m (%I)\" >> /tmp/log

exec

このパラメータは preexec の同義語である。

preexec (S)

このオプションは、サービスへ接続した際に必ず実行されるコマンドを指定する。 このパラメータでは通常のSambaの変数も利用できる。

面白い例としては、接続する度に、 ユーザに歓迎(welcome)メッセージを送るような用途が考えられる。 その日の一言 (message of the day) も面白いかも知れない。以下に例を示す:

preexec = csh -c 'echo \"Welcome to %S!\" | /usr/local/samba/bin/smbclient -M %m -I %I' &

無論、しばらく経つとこれはイライラのもとになるだけだろう :-)。

preexec closepostexec も参照のこと。

このパラメータの同義語は exec である。

デフォルト:

preexec = 

設定例:

preexec = echo \"%u connected to %S from %m (%I)\" >> /tmp/log

preexec close (S)

この真偽値オプションは、preexec で指定したコマンドから 0 以外の戻り値が返却された際に、 サービスへの接続をクローズするかどうかを制御する。

デフォルト:

preexec close = no

prefered master

このパラメータは preferred master の同義語である。

preferred master (G)

この真偽値パラメータは、 nmbd(8) が ワークグループのマスタブラウザとして優先されるかどうかに影響する。

これが yes に設定されていると、 nmbd は起動時にブラウザの選定を強要する。 また、選定時の優先度でも、わずかではあるが有利になる。 このパラメータは、 nmbd がドメインマスタブラウザになることを保証するために、 domain master = yes の設定と連係して利用することが推奨されている。

同じサブネット上に優先マスタブラウザに指定されたホスト(Samba サーバ、Windows 95/NT のいずれの場合も)が複数台か存在すると、 それらのホストは定期的にローカルマスタブラウザになろうとする 試みを永続的に繰り返すことになる。 これは不要なブロードキャストトラフィックを発生させるだけでなく、 ブラウジング機能自体にも支障を発生させてしまうため、このオプションは注意して扱うこと。

os levelも参照のこと。

このパラメータの同義語は prefered master である。

デフォルト:

preferred master = auto

auto services

このパラメータは preload の同義語である。

preload (G)

このパラメータは、 自動的にブラウズリスト上に追加したいサービスのリストを設定する。 このパラメータを利用しないと不可視になる homes や printers サービスにとって有用である。

printcap ファイルにあるすべてのプリンタを指定したい場合は、 load printers オプションを利用する方が簡単である。

このパラメータの同義語は auto services である。

デフォルト:

preload = 

設定例:

preload = fred lp colorlp

preload modules (G)

このパラメータには、クライアントの接続前に smbd にロードされるモジュールのパスのリストを指定する。 これにより smbd が新しい接続を開始する際の時間が短縮される。

デフォルト:

preload modules = 

設定例:

preload modules = /usr/lib/samba/passdb/mysql.so

preserve case (S)

クライアントから送信されてきた新しいファイル名中の大文字小文字をそのまま利用するか、 default case パラメータの設定を強制するかどうかを設定する。

この設定に関する詳細については、 NAME MANGLING のセクションを参照のこと。

デフォルト:

preserve case = yes

print ok

このパラメータは printable の同義語である。

printable (S)

このパラメータが yes の場合に、 クライアントから指定されたディレクトリにスプールファイルを書き込むことが可能になる。

印刷可能(printable)なサービスでは、 (ユーザがUNIX上に権限をもっている限り)印刷データをスプールファイルに書き込むことが常に可能となることに注意。 writeable パラメータは、 リソースに対する印刷以外のアクセスにのみ影響する。

このパラメータの同義語は print ok である。

デフォルト:

printable = no

printcap

このパラメータは printcap name の同義語である。

printcap name (S)

このパラメータは、 コンパイル時に設定されるデフォルトの printcap ファイル名 (通常 /etc/printcap) を上書きにするために使われる。 このパラメータを設定すべき状況については、前述した [printers] セクションに関する説明を参照のこと。

CUPS 印刷インタフェースを利用する際は、printcap name = cups という設定を行なうこと。これは、[global] セクションの printing = cups という設定により補完される。 printcap name = cups により、 CUPS の設定ファイルによって指定された、 CUPS によって作成される「ダミー」の printcap が用いられるようになる。

利用可能なプリンタを一覧するため lpstat を利用する System V のシステムでは、 printcap name = lpstatと設定することで、 利用可能なプリンタの一覧を自動的に取得できる。 Samba の configure 時点に SYSV が定義されるシステム (ほとんどの System V ベースのシステムが該当する)では、これがデフォルトである。 これらのシステムで printcap namelpstat が設定されると、 Samba は lpstat -v を実行し、その出力からプリンタ一覧を取得する。

最低限の printcap ファイルは下記のようなものである:

print1|My Printer 1
print2|My Printer 2
print3|My Printer 3
print4|My Printer 4
print5|My Printer 5

'|' によって、プリンタの別名が区切られる。 ただし、2 番目の別名中に空白があると、 Samba はそれをプリンタのコメントであると判断する。

Note

AIXにおけるデフォルトの printcap ファイルの名前は、 /etc/qconfigである。printcap ファイルの名前が qconfig の場合、Samba はファイルが AIXの qconfig形式であると仮定する。

このパラメータの同義語は printcap である。

デフォルト:

printcap name = /etc/printcap

設定例:

printcap name = /etc/myprintcap

print command (S)

印刷ジョブが、スプールファイルの書き込みを完了した後で、 ここで指定したコマンドが system() 関数経由でスプールファイルを処理するために、利用される。 通常、指定したコマンドはスプールファイルをホストの印刷サブシステムに送信するが、 そうしなければならないということはない。 サーバはスプールファイルを削除しないので、 指定したコマンドが処理完了後にスプールファイルを削除しなければならない。 さもなければ、古いスプールファイルを手動で削除する必要がある。

print command は、単純なテキスト文字列である。 これは、以下のマクロが置換される他はそのまま利用される。

%s, %f - スプールファイル名へのパス

%p - プリンタ名

%J - the job クライアントから送信されたジョブ名

%c - スプールされたジョブのうち、 すでに印刷されたページ数(検知可能な場合)

%z - スプールされた印刷ジョブのサイズ (バイト)

print command には、最低限 %s もしくは %f の記述が必要である。 %p については必須ではない。 ジョブの実行時にプリンタ名が指定されていない場合、 %p は単に printer command から取り除かれる。

[global] セクション中で指定された print command は、 独自の print command が設定されていない各印刷サービスに適用される。

印刷サービスに print command の定義がなく、 グローバルな print command の定義もない場合、 スプールファイルは作成されるが処理されず、(これが最も重要だが)削除されない。

UNIX プラットフォームによっては nobody アカウントを用いた印刷が失敗する場合があるので注意して欲しい。 この場合、印刷の実行が可能な別のゲストアカウントを作成し、 [global] セクション中の guest account に設定すること。

シェルで解析できる限りの非常に複雑な print command を記述することが可能である。 以下の例では印刷ジョブを記録し、ファイルを印刷してからそれを削除している。 ';' はシェルスクリプトにおいて、 通常コマンド間のセパレータとして用いられることに注意。

print command = echo Printing %s >> /tmp/print.log; lpr -P %p %s; rm %s

システムでファイルを印刷する方法によっては、 このコマンドを適宜変更する必要があるかもしれない。 パラメータのデフォルト値は、 printing パラメータの設定に応じて変化する。

デフォルト: printing = BSD, AIX, QNX, LPRNG, PLPの場合:

print command = lpr -r -P%p %s

printing = SYSV, HPUXの場合:

print command = lp -c -d%p %s; rm %s

printing = SOFTQの場合:

print command = lp -d%p -s %s; rm %s

printing = CUPS の場合: Samba が libcups を利用してコンパイルされた場合、 printcap = cups は、ジョブの送信などに CUPS API を利用する。 それ以外の場合は、lp -c -d%p -oraw; rm %s のように、 印刷には -oraw オプションをつけた System V 系のコマンドに対応づけられる。 Samba が libcups を利用してコンパイルされ、 printing = cups の設定が行なわれた場合、 手動で設定された print コマンドは無視される。

デフォルト: なし

設定例:

print command = /usr/local/samba/bin/myprintscript %p %s

printer admin (S)

このパラメータには、 MS-RPC(通常Windows NT Workstationによって使用される)による、 遠隔からのプリンタ管理インタフェース経由でプリンタに対するすべての操作を行なう権限をもつユーザのリストを設定する。 root は常に権限をもつことに注意。

デフォルト:

printer admin = 

設定例:

printer admin = admin, @staff

printer

このパラメータは printer name の同義語である。

printer name (S)

このパラメータは、印刷サービスに対して印刷ジョブが送られた際に、 それをスプールするプリンタ名を設定する。

[global] セクションで設定された場合、 そのプリンタ名は、独自のプリンタ名が指定されていないすべての 印刷サービスで利用される。

このパラメータの同義語は printer である。

デフォルト:

printer name = 
# なし (ただし多くのシステムではlp)

設定例:

printer name = laserwriter

printing (S)

このパラメータは、プリンタの状態に関する情報をどのように解釈するかを設定する。 更に、[global] セクションで指定された場合は、 print commandlpq commandlppause command lpresume commandlprm command のデフォルト値にも影響する。

現在、以下の9つの印刷形式がサポートされており、それらは BSDAIXLPRNGPLPSYSVHPUXQNXSOFTQCUPSである。

このオプションを設定した際に、 関連する印刷コマンドのデフォルトがどのように設定されるかを確認する際は、 testparm(1) プログラムを使用すること。

このオプションはプリンタ毎に設定することが可能である。

[printers] セクションでの説明も参照のこと。

デフォルト: なし

private dir (G)

このパラメータは、 smbd が smbpasswdsecrets.tdb といったファイルを格納するために使用するディレクトリを指定する。

デフォルト:

private dir = ${prefix}/private

profile acls (S)

この真偽値パラメータは、Windows 2000 もしくは Windows XP 用のユーザプロファイルを Samba サーバ上の共有に格納する際に発生する問題に対処するため作成された。 Windows 2000 や Windows XP の新しいサービスパック(訳注: 各々 SP4 と SP1) では、セキュリティの ACL チェックが行なわれるようになり、ローカルのワークステーション上に格納されているプロファイルのコピーを Samba 上の共有にコピーする際に、プロファイルのディレクトリの所有者と書き込み権をチェックするようになった。

winbindd を非ドメインモードで使用している場合、ローカルワークステーション上に複製された、ワークステーションにログオン中ユーザのセキュリティ情報 (SID) は無意味なため、結果としてプロファイルの格納に失敗する。 このパラメータをプロファイルの格納に使用する共有で有効にすることにより、クライアントに返却される Windows の ACL について、以下の 2 点が変更となる。 まず、すべてのファイルおよびディレクトリの所有者とグループの所有者が、各々 BUILTIN\Administrators および BUILTIN\Users となる (SID は各々 S-1-5-32-544 と S-1-5-32-545)。 次に、返却されるすべての ACL に対して BUILTIN\Users にフルコントロールの ACE が付加される。 これにより、Windows 2000 および Windows XP のワークステーションのユーザがプロファイルにアクセスできるようになる。

ワークステーションに複数のユーザがログオンする環境の場合、別ユーザのプロファイルへのアクセスを禁止するためには、「捜査チェックのバイパス」権利を削除する必要がある。 プロファイルディレクトリのトップ(ユーザ名を含む名称となっている)がワークステーション上で作成される際、所有するユーザ以外のアクセスを禁止するような ACL が設定されるため、この設定により、別のユーザのプロファイルディレクトリへのアクセスを禁止することができる。

デフォルト:

profile acls = no

queuepause command (S)

このパラメータは、印刷キューを一時停止させるために、 サーバ上で実行するコマンドを指定する。

このコマンドは、引数としてプリンタ名をとり、 印刷キューにある印刷ジョブの送信を停止させるために印刷キューを停止させる機能を持つ プログラムまたはスクリプトである必要がある。

Windows 95 や Windows NTでは、 「プリンタ」ウインドウからこのコマンドを発行することができるが、 Windows for Workgroups ではこのコマンドがサポートされていない。

コマンド中に %p が指定された場合は、プリンタ名に置換される。 なお、これはコマンド文字列の最後におかれる必要がある。

サーバ上で PATH 環境変数が設定されていない場合を想定して、 コマンドをフルパスで記述することが推奨される。

デフォルト: printing の設定に依存する

デフォルト: なし

設定例:

queuepause command = disable %p

queueresume command (S)

このパラメータは、印刷キューを再開させるために、 サーバ上で実行するコマンドを指定する。 これは、前述したパラメータ ( queuepause command)によって一時停止された動作を再開させるコマンドになる。

このコマンドは、引数としてプリンタ名をとり、 印刷キューにある印刷ジョブを再度プリンタへ送信させるために印刷キューを再開する機能を持つ プログラムまたはスクリプトである必要がある。

Windows 95 や Windows NTでは、 「プリンタ」ウインドウからこのコマンドを発行することができるが、 Windows for Workgroups ではこのコマンドがサポートされていない。

コマンド中に %p が指定された場合は、プリンタ名に置換される。 なお、これはコマンド文字列の最後におかれる必要がある。

サーバ上で PATH 環境変数が設定されていない場合を想定して、 コマンドをフルパスで記述することが推奨される。

デフォルト: printingの設定に依存する

デフォルト:

queueresume command = 

設定例:

queueresume command = enable %p

read bmpx (G)

この真偽値パラメータは、 smbd (8) に 「Read Block Multiplex」 SMB をサポートさせるかどうかを制御する。 これは、まず使われることがないため、デフォルトは no になっている。 このパラメータを設定する必要はまずないであろう。

デフォルト:

read bmpx = no

read list (S)

これは、サービスに対して読みとりのみのアクセス権を与えられるユーザのリストである。 接続したユーザがこのリスト中に存在する場合、 read only の値がどのように設定されていても、書き込みアクセス権は与えられない。 リストには invalid users パラメータの説明で記述した形式を使って、 グループ名を含めることも可能である。

write list パラメータと invalid users パラメータも参照のこと。

デフォルト:

read list = 

設定例:

read list = mary, @students

read only (S)

writeableの反意語である。

このパラメータが yes の場合、 ユーザは、サービスのディレクトリ内におけるファイルの作成も修正もできない。

印刷サービス(printable = yes)の場合、 ユーザは常に(アクセス権を持っている) ディレクトリに対して書き込むことが可能であるが、書き込みはスプール操作経由に限られる。

デフォルト:

read only = yes

read raw (G)

このパラメータは、データをクライアントに転送する際に、 サーバ側で raw read SMB リクエストをサポートするかどうかを設定する。

有効な場合、 raw read SMB により、1パケットあたり 65535 バイトの読み込みが可能となる。 これは性能の向上に大きく貢献する。

ただし、クライアントによっては、ブロックサイズを誤認識したり、 大きなブロックサイズを利用できなかったりするので、その場合は、 raw read を無効にする必要があるだろう。

このパラメータは、システムのチューニングパラメータであり、 通常は設定を変更すべきものではない。 write raw も参照のこと。

デフォルト:

read raw = yes

read size (G)

このオプション read size は、ネットワークとの送受信中にディスク書き込みを並行して行なうかどうかに影響する。 幾つかのSMBコマンド (現在のところ SMBwrite、SMBwriteX、SMBreadbraw) によって大量のデータが転送される際に、データ量がこの値より大きければ、サーバはパケット全体をネットワークから受信する前にデータの書き込みをはじめるか、 SMBreadbraw の場合は、すべてのデータをディスクから読み出す前にネットワークへの送信を始める。

この動作は、ディスクアクセスとネットワークアクセスの速度が同一であると非常に効果があるが、どちらかのスピードが他方より大幅に速い場合には、あまり影響しない。

デフォルト値は 16384 であるが、最適値を決めるための試験はごくわずかしか行なわれておらず、システムによって最適値が大きく変わることもありえる。 なお 65536 以上の値はあまり意味がなく、メモリを無駄に占有するだけである。

デフォルト:

read size = 16384

設定例:

read size = 8192

realm (G)

このオプションは、使用する Kerberos レルムを指定する。 レルムは Windows NT 4.0 におけるドメインに相当する Active Directory の概念である。 レルムには、通常 Kerberos サーバの DNS 名が設定される。

デフォルト:

realm = 

設定例:

realm = mysambabox.mycompany.com

remote announce (G)

このオプションにより、 nmbd(8) は、指定したIPアドレスに対して設定したワークグループ情報を定期的にアナウンスするようになる。

これは、Samba サーバを通常のブラウズリストの交換ができない別のワークグループ上に表示させたい場合に有用である。 別のワークグループは、IP パケットを送信できるところであればどこにあってもよい。

以下に例を示す:

remote announce = 192.168.2.255/SERVERS 192.168.4.255/STAFF

上記の設定は、nmbd が指定された2つのアドレスに対して、 指定されたワークグループ名を使って自身のアナウンスを行なう設定である。 ワークグループ名を指定しなかった場合、 workgroup パラメータで指定された値が代わりに利用される。

設定するIPアドレスとしては、 通常リモートネットワークのブロードキャストが用いられるが、 ネットワークが安定していれば、マスタブラウザのIPアドレスを指定することもできる。

??? を参照のこと。

デフォルト:

remote announce = 

remote browse sync (G)

このオプションにより、 nmbd(8) が、 別セグメントにある Samba サーバのマスタブラウザと定期的にブラウズリストの同期要求を行なうように構成される。 このオプションにより、 ルーティングされたネットワーク上に存在する複数ワークグループからなるブラウズリストを構築することが可能になる。 これは Samba 固有の方式で動作するため、 Samba 以外のサーバでは機能しない。

これは、Samba サーバおよび同じセグメント上のクライアントマシンを、 通常のブラウズリストの交換ができない別のワークグループ上に表示させたい場合に有用である。 別のワークグループは、IP パケットを送信できるところであればどこにあってもよい。

以下に例を示す:

remote browse sync = 192.168.2.255 192.168.4.255

上記の設定は、nmbdが指定されたサブネットのアドレスに対して、 ローカルサーバとのブラウズリストの同期を要求する設定である。

設定するIPアドレスとしては、 通常リモートネットワークのブロードキャストが用いられるが、 ネットワークが安定していればマスタブラウザのIPアドレスを指定することもできる。 IPアドレスが設定された場合、Sambaはそのマシンが起動していて、 要求を待っているかについても、そのセグメントのマスタブラウザであるかどうかについても確認しない。

デフォルト:

remote browse sync = 

restrict anonymous (G)

このパラメータは、ユーザやグループの一覧情報を匿名接続に対して返却するかどうかを制御するものである。 このパラメータは Windows NT や Windows 2000 の HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\LSA\RestrictAnonymous レジストリキーに相当するものである。 0 に設定された場合、ユーザやグループの一覧情報は誰に対しても返却される。 1 に設定された場合、認証済のユーザのみがユーザやグループの一覧情報を取得できる。 2 に設定された場合、匿名接続は一切拒否される。なおこの値は Windows 2000/XP や Samba でのみサポートされる。 これは匿名接続での操作が実行される前提のサードパーティおよび Microsoft のアプリケーションで問題を引き起こすことがある。

restrict anonymous = 1 を用いることによるセキュリティ上の利点があるかどうかは疑わしい。これはユーザやグループの一覧情報を別の方法を用いて取得することが可能であるためである。

Note

restrict anonymous = 2 を用いることによるセキュリティ上の利点は、いずれかの共有において guest ok = yes の設定を行なうことで損なわれてしまう。

デフォルト:

restrict anonymous = 0

root

このパラメータは root directory の同義語である。

root dir

このパラメータは root directory の同義語である。

root directory (G)

サーバの起動時に、このディレクトリへ chroot() (ルートディレクトリの変更)が行なわれる。 これは、安全のため絶対に必要というものではない。 この設定がなくても、サービスの提供するディレクトリ配下にないファイルへのアクセスは許可されない。 また、ファイルシステムへの他の部分へのシンボリックリンクや、 ファイル名に「..」をつけて他のディレクトリにアクセスするような行為をチェックして、 アクセスを拒否することもできる (wide links パラメータの設定に依存する)。

root directory として「/」以外を指定した場合は、 代償もあるが、非常に強固なセキュリティが実現される。 root directory オプションで指定されたディレクトリのサブディレクトリ以外にあるファイルへは、 サーバの動作に必要なファイルも含め、 一切アクセスできない。サーバを動作させるには、 root directory 内に必要なシステムファイルをコピーしておく必要がある。 例えば /etc/passwd (またはその一部)や、 印刷に必要となる設定ファイルやバイナリなどをコピーする必要がある。 コピーしなければならないファイルは、オペレーティングシステムに依存する。

このパラメータの同義語は root, root dir である。

デフォルト:

root directory = /

設定例:

root directory = /homes/smb

root postexec (S)

このパラメータは、 コマンドが root で実行されることを除き、 postexec パラメータと同一である。 このコマンドは、コネクションの切断後に(CD-ROMなどの)ファイルシステムをアンマウントするのに便利である。

postexecも参照のこと。

デフォルト:

root postexec = 

root preexec (S)

このパラメータは、 コマンドが root で実行されることを除き、 preexec パラメータと同一である。 このコマンドは、コネクションの開始時に(CD-ROMなどの)ファイルシステムをマウントするのに便利である。

preexec および preexec closeも参照のこと。

デフォルト:

root preexec = 

root preexec close (S)

このパラメータは、 コマンドが root で実行されることを除き、 preexec close パラメータと同一である。

preexec および preexec close パラメータも参照のこと。

デフォルト:

root preexec close = no

security (G)

このオプションは、 クライアントがどのように Samba に応答するかを決めるものであり、 smb.conf 中でもっとも重要な設定の 1 つである。

このオプションは、 smbd(8) とのプロトコルネゴシエーション時の応答に含まれる、 「security mode bit」を設定し、共有レベルのセキュリティを使用するか否かを制御する。 クライアントは、この bit を元にして、ユーザとパスワードの情報をサーバに転送するかどうか、 また転送する際の方法を決定する。

デフォルトは、security = user であり、 これは Windows 98 と Windows NT との間で通信を行なうときに必要とされるもっとも一般的な設定(訳注: ユーザレベルのセキュリティ)である。

その他 security = sharesecurity = server security = domain が設定可能な値である。

2.0.0 以前のバージョンの Samba では、 主に過去との互換性を保つ目的で、 security = share がデフォルトであった。

Windows for Workgroups(WfWg) には、 このオプションの設定時に注意すべきバグがある。 このパラメータが user もしくは server の場合、 WfWg クライアントは、「connect drive」ダイアログボックスで入力したパスワードを完全に無視してしまう。 そのため、WfWg にログオンしたユーザ以外のユーザで、 Samba の サービスに接続することが(不可能でない場合でも)非常に難しくなっている。

PC上で UNIX マシン上と同じユーザ名を使う場合は、 security = user を用いるとよいだろう。 UNIX マシン上にないユーザ名を使っている場合は、 security = share を使う必要がある。

パスワードなしの共有(ゲスト共有)の作成が主目的である場合も、 security = share を使った方がよいであろう。 この設定は、通常共有プリンタサーバで使われることが多い。 security = user の設定で、 ゲスト共有を作成するのは、多少複雑になる。 詳細については、map to guestパラメータを参照のこと。

NetBIOS aliases を用いることで、 ユーザレベルと共有レベルのセキュリティの両方を提供する 混在モード(hybrid mode)smbdを運用することも可能である。

以下、それ以外の設定について説明する。

SECURITY = SHARE

共有レベルのセキュリティに構成されたサーバに接続するクライアントは、 共有リソースに接続しようとする際に、 適切なユーザ名とパスワードでサーバにログオンしておく必要がない (最近の Windows 95/98 や Windows NT は、 security=share のサーバと通信をする際にユーザ名を設定してログオン要求を送るが、パスワードは送らない)。 そのかわり、クライアントは、共有への接続時に共有毎に認証情報(パスワード)を送信する。

security=share レベルのセキュリティで構成されていた場合であっても、 smbd がクライアントからの要求を処理する際には常に UNIX 上のいずれかのユーザの権限で処理が行なわれる点に注意。

共有レベルのセキュリティでは、 クライアントがユーザ名をサーバに送るように要求されないため、 smbd は、いくつかの方法を用いて、 クライアントの要求を処理する際に利用する UNIX 上のユーザを決定する。

クライアントから送られてきたパスワードの確認対象となる UNIX 側のユーザのリストは、以下のようにして生成される:

  • guest only パラメータが設定されている場合、 以下の手順は省略され、 guest account に設定されたユーザ名のみが確認対象となる。

  • 共有への接続時にユーザ名も送られてきた場合、 そのユーザ名(変換後のもの - username map を参照のこと) が確認対象のユーザ名に追加される。

  • クライアントが以前に ログオン 要求 (SessionSetup SMB 呼び出し) を行なっていた場合、 その SMB 呼び出し中で送られたユーザ名が確認対象のユーザ名に追加される。

  • クライアントが接続しようとしているサービスの名前が、 確認対象のユーザ名に追加される。

  • クライアントの NetBIOS 名が、 確認対象のユーザ名に追加される。

  • user リスト中のユーザ名が確認対象のユーザ名に追加される。

guest only パラメータが設定されていないと、 このリスト中のユーザ名を用いて、送信されたパスワードの確認が行なわれる。 送信されたパスワードが最初に一致したユーザが、 以降の処理に用いられる UNIX 上のユーザとして利用される。

guest only パラメータが設定されているか、 利用するユーザを決定できなかった場合、 共有で guest account が利用可能であれば、ゲストアクセスが行なわれ、 それ以外の場合はアクセスが拒否されることになる。

共有レベルのセキュリティでは、 どの UNIX 上のユーザを用いてアクセス権のチェックが行なわれるかの判断が、 非常に 複雑になる事態が想定されることに注意。

NOTE ABOUT USERNAME/PASSWORD VALIDATION のセクションも参照のこと。

SECURITY = USER

これは、Samba 3.0 におけるデフォルトのセキュリティ設定である。 ユーザレベルのセキュリティにおいては、クライアントは最初に正しいユーザ名とパスワード (username map パラメータを使ってマッピングしたものでもよい)で「ログオン」を行なう必要がある。 このセキュリティレベルでは、暗号化パスワード( encrypted passwords パラメータを参照のこと) も使うことができる。 user guest only のようなパラメータを利用して、この接続で利用する UNIX 上のユーザを変更することもできるが、 これはユーザ認証に成功した後で、行なわれる。

注意 : 要求されたリソース名は、 サーバがクライアントの認証に成功するまでサーバに送られない。 そのため、ユーザレベルのセキュリティでは、 サーバ上で不明なユーザを自動的に guest account として処理するようにしない限り、ゲスト共有がうまく動作しない。 上記処理の詳細については、 map to guest パラメータを参照のこと。

NOTE ABOUT USERNAME/PASSWORD VALIDATION のセクションも参照のこと。

SECURITY = DOMAIN

このモードは、 net(8) コマンドで、 マシンを Windows NT ドメインに参加させている時のみ正しく動作する。 このモードでは、encrypted passwords パラメータを yes にすることが求められる。このモードでは、 Samba は認証要求を Windows NT のプライマリ、もしくはバックアップドメインコントローラに対して、 Windows NT Server と全く同様の方法で依頼する。

注意: ファイルアクセスを行なう際に、 Samba は UNIX 上のアカウントを用いる必要があるため、 ドメインコントローラ上のアカウントだけでなく、 UNIX 上のアカウントも依然として存在する必要がある。

注意: クライアントからは、 security=domainsecurity=user とは同一である。 このパラメータは、サーバがどのように認証を行なうかにのみ影響し、 クライアントとのやりとりには何ら影響しない。

注意 : 要求されたリソース名は、 サーバがクライアントの認証に成功するまでサーバに送られない。 そのため、ユーザレベルのセキュリティでは、 サーバ上で不明なユーザを自動的に guest account として処理するようにしない限り、ゲスト共有がうまく動作しない。 上記処理の詳細については、 map to guest パラメータを参照のこと。

NOTE ABOUT USERNAME/PASSWORD VALIDATION のセクションも参照のこと。

password server パラメータおよび encrypted passwords パラメータも参照のこと。

SECURITY = SERVER

このモードの場合、 Samba はまず NT マシンのような別の SMB サーバにユーザ名とパスワードの認証を依頼する。 これに失敗すると、security = user と同様に処理を行なう。このモードを用いる場合は、リモートサーバが対応していない場合を除き、 encrypted passwords パラメータを yes にする必要がある。 なお、暗号化パスワードで認証処理が行なわれると、 Samba 上で UNIX パスワードファイルでの認証(平文認証)に戻れなくなるため、 ユーザの認証は smbpasswd ファイルで行なう必要がある。 設定方法の詳細は、 Samba HOWTO collection 中の User Database の章を参照のこと。

Note

this mode of operation has significant pitfalls, due to the fact that is activly initiates a man-in-the-middle attack on the remote SMB server. In particular, this mode of operation can cause significant resource consuption on the PDC, as it must maintain an active connection for the duration of the user's session. Furthermore, if this connection is lost, there is no way to reestablish it, and futher authenticaions to the Samba server may fail. (From a single client, till it disconnects).

Note

クライアントからは、 security=serversecurity=user とは同一である。 このパラメータは、サーバがどのように認証を行なうかにのみ影響し、 クライアントとのやりとりには何ら影響しない。

注意 : 要求されたリソース名は、 サーバがクライアントの認証に成功するまでサーバに送られない。 そのため、ユーザレベルのセキュリティでは、サーバ上で不明なユーザを自動的に guest account として処理するようにしない限り、ゲスト共有がうまく動作しない。 上記処理の詳細については、 map to guest パラメータを参照のこと。

NOTE ABOUT USERNAME/PASSWORD VALIDATION のセクションも参照のこと。

password server パラメータおよび encrypted passwords パラメータも参照のこと。

SECURITY = ADS

このモードの場合、Samba は ADS レルムのドメインメンバーとして振舞う。 このモードで動作させるためには、Samba が実行されているマシンに Kerberos がインストールされて校正されていることが必要であり、Samba は net ユーティリティを使用して ADS レルムに参加する必要がある。

このモードは Samba を Active Ditectory のドメインコントローラとして動作させるものではないことに注意。

詳細については、HOWTO の Domain Membership の章を熟読のこと。

realm パラメータ、 encrypted passwords パラメータも参照のこと。

デフォルト:

security = USER

設定例:

security = DOMAIN

security mask (S)

このパラメータは、 Windows NT クライアント上から、 NT 上のセキュリティダイアログボックスを使って UNIX ファイルのパーミッションを操作するときに、 どのパーミッションビットを変更可能にするかを制御する。

このパラメータは、 変更されるパーミッションのビットに対する(AND操作を行なう)マスクとして機能するため、 マスク中に含まれないビットに対する変更操作が制限される。 言い替えれば、マスク中で 0 と指定されたビットは、 ユーザが変更できないビットとなる。

明示的に設定されていない場合、このパラメータの値は 0777 になる。これは、 ファイルの user/group/world パーミッションのすべてについて、 ユーザからの変更を許可する。

Samba を経由せずサーバにアクセスできるユーザは、 簡単にこの制限を回避できるため、 このパラメータは、単体の「アプライアンス」システムに対して便利である。 ほとんどの一般的なシステムの管理者は、 おそらく 0777 に設定することであろう。

force directory security modedirectory security mask force security mode パラメータも参照のこと。

デフォルト:

security mask = 0777

設定例:

security mask = 0770

server schannel (G)

このパラメータは、サーバが netlogon のセキュアチャネルを提供するかどうかを制御する。 server schannel = no の場合、セキュアチャネルは提供されない。 server schannel = auto の場合セキュアチャネルが提供されるが強制はされない。 server schannel = yes の場合、クライアントが netlogon のセキュアチャネルを認識できない場合は接続が拒否される。 これは Windows NT 4.0 の SP4 より前の場合のみが該当する。

このパラメータを no に設定した場合、 docs/Registry サブディレクトリ中にある WindowsXP requireSignOrSeal-Registry パッチを適用する必要がある。

デフォルト:

server schannel = auto

設定例:

server schannel = yes

server signing (G)

このパラメータは、Samba が通信先のクライアントに対して SMB 署名の使用を有効にするか、もしくは要求するかを設定する。 設定可能な値は、automandatorydisabled である。

auto に設定した場合、SMB 署名が有効になるが、強制はしない。 mandatory に設定すると、SMB 署名が必須となる。disable に設定すると、SMB 署名は有効にならない。

デフォルト:

server signing = Disabled

server string (G)

このパラメータにより、プリンタマネージャにおける各プリンタのコメント欄および net view において IPC 接続の横に表示されるテキストが設定される。ユーザに表示させたい任意のテキストを設定することができる。

このパラメータにより、ブラウズリストでコンピュータ名の横に表示されるテキストも設定される。

%v は、 Samba のバージョン番号に置換される。

%h は、ホスト名に置換される。

デフォルト:

server string = Samba %v

設定例:

server string = University of GNUs Samba Server

set directory (S)

set directory = no の場合、 サービスの利用者が、 ディレクトリ変更のための setdir コマンドを使えなくなる。

setdir コマンドは Digital Pathworks クライアントにおいてのみ実装されている。 詳細については、Pathworks の説明書を参照のこと。

デフォルト:

set directory = no

set primary group script (G)

NT の POSIX サブシステムのおかげで、 Windows ユーザには、 auxiliary グループに加えて、プライマリグループを設定することができる。 このスクリプトにより、管理者が Windows のユーザマネージャからプライマリグループを設定したり、 net rpc vampire により SAM を取得したりした際に、UNIX のユーザデータベースのプライマリグループが設定される。 %u は、プライマリグループを設定するユーザに置き換えられる。 %g は設定されるグループ名に置き換えられる。

デフォルト:

set primary group script = 

設定例:

set primary group script = /usr/sbin/usermod -g '%g' '%u'

set quota command (G)

set quota command は Samba が実行されている OS 上で、API が提供されていない場合に限り使用すべきである。

このパラメータは、引数を指定することで、クオータの設定を行なうスクリプトへのパスを指定する。

このスクリプトは以下の引数をとる:

  • 1 - クオータのタイプ

    • 1 - ユーザのクオータ

    • 2 - ユーザのデフォルトのクオータ (uid = -1)

    • 3 - グループのクオータ

    • 4 - グループのデフォルトのクオータ (gid = -1)

  • 2 - id (ユーザの uid もしくはグループの gid 。 -1 を指定した場合はどちらともみなされない)

  • 3 - クオータの状態 (0 = 無効, 1 = 有効, 2 = 有効かつ強制)

  • 4 - ブロック数のソフトウェア的な上限

  • 5 - ブロック数のハードウェア的な上限

  • 6 - inode 数のソフトウェア的な上限

  • 7 - inode 数のハードウェア的な上限

  • 8(オプション) - ブロックサイズ、デフォルトは 1024

このスクリプトは少なくとも1行のデータ行を出力する必要がある。

get quota command パラメータも参照のこと。

デフォルト:

set quota command = 

設定例:

set quota command = /usr/local/sbin/set_quota

share modes (S)

このパラメータは、ファイルオープン中の share modes の制御を有効にするかどうかを設定する。 このモードは、ファイルへの排他的な読み出し又は書き込みアクセスを得るために、クライアントによって利用されるものである。

これらのモードは、UNIX では提供されていないため、 共有メモリ、共有メモリをサポートしていない場合はロックファイル(共有メモリはほとんどすべてのUNIXでサポートされている)で疑似的に実現されている。

このオプションで有効化される共有モードは DENY_DOSDENY_ALL, DENY_READDENY_WRITE, DENY_NONEDENY_FCB である。

このオプションは共有機能の互換性を保つため、 デフォルトで有効になっている。

このパラメータは、 絶対に off にしてはならない。 off にした場合、多くの Windows アプリケーションが誤動作するであろう。

デフォルト:

share modes = yes

short preserve case (S)

この真偽値パラメータは、 すべて大文字で適切な長さという 8.3 形式の条件を満たすファイル名を大文字のファイル名にして作成するか、 default case パラメータにしたがった文字の大きさで作成するかを指定する(訳注: 実際は、8+3 形式の名前において大文字小文字の混在を容認するか、規定値の文字の大きさに統一するかを制御する)。 このオプションは、 preserve case = yes を用いて長いファイル名の大文字小文字の情報を保持している際に、 短いファイル名における大文字小文字の情報を保持するために利用する。

NAME MANGLINGセクションも参照のこと。

デフォルト:

short preserve case = yes

show add printer wizard (G)

Samba 2.2 での Windows NT/2000 クライアントに対する MS-RPC ベースのプリンタサポート機能のサポートによって、 Samba ホスト上の共有一覧で「プリンタ」フォルダが表示されようになっている。 通常、このフォルダにはプリンタの追加ウィザード (MS Add Printer Wizard (APW))のアイコンが存在している。 しかし、接続したユーザの権限に関わらず、 この機能を無効にすることも可能である。

通常の場合、Windows NT/2000 クライアントは Administrator 権限を持っているかどうかを確認するために、 OpenPrinterEx() 関数により、プリンタサーバ上のハンドルをオープンしようとする。 ユーザにプリンタサーバ上での管理者権限がない場合 (root でなく、printer admin グループのメンバでもない)、 OpenPrinterEx() の呼出は失敗して、 client は低い権限でも可能な別の関数呼出を行なう。 これに成功しても、APW のアイコンは表示されない。

show add printer wizard パラメータを無効にすることにより、サーバ上での OpenPrinterEx() 呼出が常に失敗するようになる。 そのため、APW のアイコンは決して表示されなくなる。 注意 :このパラメータは、ユーザが個々のプリンタの管理権限を持つことを制限するものではない。

addprinter command deleteprinter command printer adminも参照のこと。

デフォルト:

show add printer wizard = yes

shutdown script (G)

このパラメータは HEAD CVS ブランチにのみ存在する。 このパラメータは、 smbd(8) が呼び出すことで、 シャットダウン処理を実行するスクリプトのフルパス名である。

このコマンドはサーバに接続しているユーザの権限で実行される。

%m %t %r %f パラメータは以下のように展開される:

  • %m はサーバに送信されたシャットダウンメッセージに置換される。

  • %t は実際にシャットダウン処理が開始されるまでに待機する時間(秒単位)に置換される。

  • %r-r スイッチに置換される。これは NT の「シャットダウン後再起動」を意味する。

  • %f-f スイッチに置換される。これは NT の「アプリケーションが応答しない場合でも強制的にシャットダウンする」を意味する。

シャットダウンスクリプト例を以下に示す:

#!/bin/bash
		
$time=0
let "time/60"
let "time++"

/sbin/shutdown $3 $4 +$time $1 &

シャットダウン処理から復帰することはないので、この処理はバックグラウンドで実行する必要がある。

shutdown script も参照のこと。

デフォルト:

shutdown script = 

設定例:

shutdown script = /usr/local/samba/sbin/shutdown %m %t %r %f

smb passwd file (G)

このオプションにより、暗号化された smbpasswd ファイルへのパスが設定される。 デフォルトの smbpasswd ファイルへのパスは、 Samba のコンパイル時に設定される。

デフォルト:

smb passwd file = ${prefix}/private/smbpasswd

設定例:

smb passwd file = /etc/samba/smbpasswd

smb ports (G)

サーバが SMB トラヒックを町受けるポートを設定する。

デフォルト:

smb ports = 445 139

socket address (G)

このオプションは、 Samba がどのアドレスで接続を listen するかを設定する。 これは、サーバ上で複数の仮想インタフェースを用いる必要があり、 各々のインタフェース上で 異なる構成の Samba を動作させる際に利用できる。

デフォルトの場合、 Sambaはどのアドレスからのアクセスでも受け付ける。

デフォルト:

socket address = 

設定例:

socket address = 192.168.2.20

socket options (G)

このオプションは、クライアントとの通信に利用されるソケットオプションを設定する。

ソケットオプションは、 OS のネットワーク層の接続に影響し、通信の最適化に利用されるものである。

このオプションは、各ネットワークにおける Samba サーバの性能の最適化に用いられることが多い。 Samba 自身がネットワークにおける最適のパラメータを知るすべはないので、このオプションは、自分自身で実験して設定しなければならない。設定を行なう前に、使用している OS の適切なドキュメント (恐らく man setsockopt が役立つだろう) を読むことを強く推奨する。

システムによっては、このオプションを設定すると、 Samba が「Unknown socket option」というメッセージを返却するようになるかもしれない。この原因は、ミスタイプか、 includes.h に使用している OS の include ファイルを追加する必要があるかのいずれかであろう。後者の場合は、 samba-technical@samba.org までパッチを送ってほしい。

サポートされているソケットオプションについては、 OS の制約がない限り、どれでもどのような組合せでも用いることができる。

以下に現在このオプションで設定可能なソケットオプションの一覧を示す:

  • SO_KEEPALIVE

  • SO_REUSEADDR

  • SO_BROADCAST

  • TCP_NODELAY

  • IPTOS_LOWDELAY

  • IPTOS_THROUGHPUT

  • SO_SNDBUF *

  • SO_RCVBUF *

  • SO_SNDLOWAT *

  • SO_RCVLOWAT *

'*' 印のあるオプションは、整数の引数を必要とする。それ以外のものは、 1 または 0 の引数で有効、無効を指定することもできるが、 1 または 0 を指定しない場合は、有効に設定される。

引数を指定する場合は、SO_SNDBUF = 8192 のように、 SOME_OPTION = VALUE という形式で指定する。 = 記号の前後に空白を入れてはいけない。

ローカルネットワーク以外を考慮しなくても良い場合、

socket options = IPTOS_LOWDELAY

と設定するのがよいであろう。

ローカルネットワークが存在する場合は以下の設定を試してみるとよいであろう:

socket options = IPTOS_LOWDELAY TCP_NODELAY

WAN の場合は、 IPTOS_THROUGHPUT を設定してみるとよいかも知れない。

これらのオプションの中には、 Samba サーバを完全に停止させるものもあるかもしれない。オプションを設定する際には気をつけること。

デフォルト:

socket options = TCP_NODELAY

設定例:

socket options = IPTOS_LOWDELAY

source environment (G)

このパラメータにより、指定したファイルを使って Samba に環境変数を設定することが可能になる。

パラメータの値が 「|(パイプ)」で始まる場合、 Sambaは後に続く値をパイプコマンドとして扱い、 コマンドの出力を環境変数として設定する。

ファイルの内容やパイプの出力は、標準的な UNIX の env(1) コマンドの出力形式になっている必要がある。 以下、形式を示す。

入力形式の例:

SAMBA_NETBIOS_NAME = myhostname

デフォルト:

source environment = 

設定例:

source environment = |/etc/smb.conf.sh

設定例:

source environment = /usr/local/smb_env_vars

stat cache (G)

このパラメータにより、 smbd(8) が、 大文字小文字を区別しない名前のマップ操作を高速化するためにキャッシュを利用するかどうかが設定される。 このパラメータを変更する必要はないであろう。

デフォルト:

stat cache = yes

stat cache size (G)

このパラメータは、 stat cache に格納できるエントリ数の上限を設定する。このパラメータを変更する必要はないであろう。

デフォルト:

stat cache size = 50

strict allocate (S)

この真偽値パラメータは、サーバ上のディスク領域の割当を制御するものである。 このパラメータが yes の場合、 サーバは、ファイルが拡張されただけでは実際のディスク領域を割り当てない UNIX 流の動作をやめ、 ファイルがあるサイズで作成されたり、拡張されたりした際に、 実際にディスク領域を割り当てる Windows 流の動作を行なうようになる。 これは、Samba がスパースファイルを作成しなくなることを意味する。 これにより、システムによっては処理が遅くなる。

strict allocate が no の場合、 サーバは、ファイルの拡張時にディスク領域の割当を行なわない。

このパラメータを yes にすると、 ディスククオータによるディスク領域の制限を行なっているシステムで、 クォータ超過メッセージを出力する際には便利である。

デフォルト:

strict allocate = no

strict locking (S)

これは、 サーバ上でのロックの扱いを制御する真偽値のパラメータである。 yes に設定された場合、 サーバはすべての読み書きのアクセスについてファイルのロック状態を検査し、 ロックされている場合はアクセスを拒否する。 システムによっては、アクセス速度の低下につながるだろう。

strict locking が無効の場合、 サーバは、クライアントが明示的に要求したときに限って、 ファイルのロック状態の確認を行なう。

行儀のよいクライアントは、 重要な操作を行ない際には必ずロックの状態を問い合わせる。 従って、大抵の場合は strict locking = no のほうがよい。

デフォルト:

strict locking = no

strict sync (S)

(Windows 98 の Explorer を含む)多くの Windows アプリケーションは、 バッファのデータをフラッシュする処理を、ディスクに対し、同期を行う処理と取り違えているようである。 UNIX における同期処理は、カーネル内のディスクバッファに残っているデータが無事に記憶装置へ保存されたことをカーネルが確認するまで、プロセスを停止させる。 この処理は非常に遅く、頻繁に行うべきではない。 このパラメータを no(デフォルト)に設定すると、 smbd(8) は Windows アプリケーションからの同期処理要求を無視する。 この場合でも、データが失われる可能性があるのは、 Samba が動作しているオペレーティングシステム自身がクラッシュしたときだけであるので、この設定による危険度は少ない。 また、 Windows 98 の Explorer を使ったファイルコピーのパフォーマンス問題が報告されているが、こちらも改善される。

sync always パラメータも参照のこと。

デフォルト:

strict sync = no

strip dot (G)

このパラメータは、UNIX ファイル名からドットを取り除くために用いられる。 これにより、ドットで終了するファイル名がある CD-ROM を扱うことができるようになる。

デフォルト:

strip dot = no

sync always (S)

この真偽値パラメータは、書き込み時に不摘発性のストレージへの書き込みとの同期を行なうかどうかを制御する。 no の場合、 サーバは個々のクライアントからの書き込み要求に基づいて、同期を行なうかどうかを制御する (クライアントは個々の書き込みについて、同期要求ビットを設定することが可能である)。 yes の場合、 個々の書き込みに毎に、データを確実にディスクに書き込むため fsync() が呼び出される。 このパラメータが機能するには、 strict syncパラメータが yesに設定されている必要がある。

strict sync パラメータも参照のこと。

デフォルト:

sync always = no

syslog (G)

このパラメータは、 Samba のデバッグメッセージと syslog のプライオリティとの対応づけを行なう。 Samba のデバッグレベル 0 は、 syslog の LOG_ERRに割り当てられ、以下、 デバッグレベル 1 は LOG_WARNING、 デバッグレベル 2 は LOG_NOTICE、 デバッグレベル 3 は LOG_INFO、 それ以上のデバッグレベルは LOG_DEBUG にそれぞれ割り当てられている。

このパラメータは どのデバッグレベルまでのメッセージを syslog に送るかのしきい値を設定する。 この値未満の Samba のデバッグメッセージのみが syslog に送られる。

デフォルト:

syslog = 1

syslog only (G)

このパラメータが設定されると、 Samba のデバッグメッセージが システムの syslog にのみ記録されるようになり、 デバッグログファイルに出力されなくなる。

デフォルト:

syslog only = no

template homedir (G)

NT ドメインのユーザに対応するユーザ情報を作成する際、 winbindd(8) デーモンは、このパラメータによってユーザのホームディレクトリの位置を設定する。文字列中に %D があれば、ユーザの所属する NT ドメイン名に置き換えられる。文字列中に %U があれば、ユーザの NT ドメインにおけるユーザ名に置き換えられる。

デフォルト:

template homedir = /home/%D/%U

template primary group (G)

このオプションは、winbindd(8) のローカルアカウント管理機能 ('add user script' と似た機能) で作成されたユーザの、デフォルトのプライマリ・グループを 指定する。

デフォルト:

template primary group = nobody

template shell (G)

NT ドメインのユーザに対応するユーザ情報を作成する際、 winbindd(8) デーモンは、このパラメータによってユーザのログインシェルを設定する。

デフォルト:

template shell = /bin/false

time offset (G)

このパラメータは、GMT からローカル時間への変換時に追加する時間(分単位)を設定する。 夏時間処理に問題があるPCを多数管理している際に有効である。

デフォルト:

time offset = 0

設定例:

time offset = 60

time server (G)

このパラメータにより、 nmbd(8) が、 Windows クライアントに対して、自身をタイムサーバとしてアナウンスするかどうかが制御される。

デフォルト:

time server = no

unicode (G)

デフォルトで Samba がネットワーク上で Unicode を用いるかどうかを設定する。このパラメータは、 UNIX マシン上で Unicode を使用しているかどうかを設定するものではないことに注意。

デフォルト:

unicode = yes

unix charset (G)

Samba が動作する UNIX マシンで使われている文字コードを指定する。 Samba が SMB クライアントの使用している文字コードとの間でテキストの変換を行なうために、この情報が必要である。

デフォルト:

unix charset = UTF8

設定例:

unix charset = ASCII

unix extensions (G)

この真偽値パラメータは、Samba が HP 社によって定義された CIFS の UNIX拡張を利用するかどうかを制御する。 これらの拡張は、UNIX クライアントから UNIX サーバに対して接続する際に有用な CIFS を有効にし、 シンボリックリンクやハードリンクなどを利用可能にする。 これらの拡張は、クライアント側においても有効となっている必要があるが、 現在の Windows クライアントでは有効になっていない。

デフォルト:

unix extensions = yes

unix password sync (G)

この真偽値パラメータにより、 smbpasswd ファイルの暗号化された SMBパスワードの更新時に、 Samba が UNIX のパスワードを SMB パスワードと同期させるようになる。 これを yes に設定した場合、 (SMB パスワードの変更コードは古い平文パスワードを参照できず、新しいパスワードだけが渡されるため、) 新しい UNIX パスワードを古いパスワードの情報なしで設定するため、 passwd program パラメータで指定されたコマンドが ROOT権限で呼び出される。

passwd program および passwd chat も参照のこと。

デフォルト:

unix password sync = no

update encrypted (G)

この真偽値パラメータにより、 平文パスワードでログインしたユーザのログオン時に、 そのユーザの暗号化(ハッシュ化)パスワードが自動的に smbpasswd ファイル中に格納されるようになる。 このオプションにより、暗号化パスワード認証を有効にする際、 ユーザに smbpasswd へのパスワード再入力を強制することなく、 平文パスワード認証 (平文パスワードによるユーザ認証情報がネットワーク上を流れて UNIX 側のアカウントデータベースで照会される)から暗号化パスワード認証 (SMB のチャレンジアンドレスポンス認証) への移行を行うことが可能になる。 これは便利なオプションで、 ある程度の時間をかけて徐々に暗号化パスワードへと移行することを可能にする。 すべてのユーザが smbpasswd ファイルに暗号化パスワードを格納したら、 このパラメータを no に設定すべきだろう。

このパラメータを正しく動作させるため、 encrypt passwords パラメータを必ずno に設定しておくこと。

このパラメータが有効になっている場合に (smbpasswdファイルの)パスワードを更新するためには、 smbd に接続するユーザは正しいパスワードを入力する必要がある。

デフォルト:

update encrypted = no

use client driver (S)

このパラメータは、Windows NT/2000 クライアントに対してのみ影響し、 Windows 95/98/Me クライアントに対しては影響しない。 Windows NT/2000 クライアントに対して、 Samba ホスト上に適切なプリンタドライバをインストールせずに、プリンタ共有を提供する場合、 クライアント側ローカルにプリンタドライバをインストールする必要がある。 このため、クライアントは、そのプリンタをローカルプリンタとして扱い、 ネットワークプリンタとしては扱わなくなる。 これは、disable spoolss = yesにしたときとほぼ同様の動作になる。

違いが発生するのは、通常の環境下において、 NT/2000 クライアントは MS-RPC を用いてネットワークプリンタをオープンしようとする点になる。 クライアントはプリンタがローカルにあると判断しているため、 ログオンしているユーザに割り当てられたアクセス権を要求して OpenPrinterEx() 呼出を発行してしまう点が問題となる。 ユーザがローカルで管理者権限を持っているが、Samba ホスト上では root 権限を持っていない場合(これはよくあるケースになる)、 OpenPrinterEx() 呼出は失敗する。 その結果、(印刷ジョブが正常に印刷されているにも関わらず、) クライアント側のプリンタキューのウインドウには、 「Access Denied; Unable to connect」というメッセージが表示される。

このパラメータが有効になっているプリンタに対しては、 PRINTER_ACCESS_ADMINISTER 権限によるプリンタのオープンの試みはすべて、 PRINTER_ACCESS_USE の権限で行なわれ、 これにより、OpenPrinterEx() が成功することになる。 適切なプリンタドライバがインストールされている Samba サーバ上のプリンタ共有に対して、このパラメータを有効にしてはならない。

disable spoolssも参照のこと。

デフォルト:

use client driver = no

use mmap (G)

このグローバルパラメータは、 Samba が内部的に利用する tdb の動作を、システムの mmap が正しく動作するかどうかに依存させるかどうかを制御する。 Samba は一貫性の保たれた mmap (read-write system memory cache) を必要とする。 現在、HPUX については、こうした一貫性のあるキャッシュが実装されていないため、 HPUX におけるこのパラメータのデフォルトは、no になっている。 それ以外のシステムにおいては、このパラメータの値を変更すべきではない。 このパラメータは、Samba 開発者の tdb の内部コードの問題解析を支援するために提供されている。

デフォルト:

use mmap = yes

user

このパラメータは username の同義語である。

users

このパラメータは username の同義語である。

username (S)

このパラメータに複数のユーザをコンマで区切ったリストで指定することにより、 各ユーザ名に対して(左から右に)順番に入力したパスワードを用いた認証が行われる。

The username は、 PC 側からユーザ名が提供されない時にのみ必要である。 これに該当するのは、COREPLUS プロトコルを用いているか、 Windows for Workgroup において、ユーザ名が UNIX 側のユーザ名と異なっている場合である。 どちらの場合も、このパラメータの代わりに \\server\share%user の記法を用いるのが好ましい。

Sambaは username パラメータで指定された各ユーザに対して、 提供されたパスワードを用いて順番に認証を行っていくことになるため、 usernameは最適の解決策とはいえない。 これは遅い上、パスワードが重複しているユーザが多数存在しているような場合には困ったことになる。 このパラメータを不用意に使うと、 タイムアウトやセキュリティ上の問題などが発生するかも知れない。

Samba は、プラットフォームである UNIX のセキュリティ機構に依存している。 このパラメータは、ログインできるユーザを制限するものではなく、 提供されたパスワードに対応するユーザについてのヒントを Samba サーバに与えるものである。 ユーザは自分が好むユーザとしてログインすることが可能であるが、 telnet セッションよりは、被害を与えないだろう。 デーモンはログインしたユーザの権限で動作するため、 ユーザの権限で行えないことは何も行えない。

サービスへのアクセスを特定のユーザに制限したい場合は、 valid users パラメータを利用すること。

ユーザ名が '@' ではじまっている場合は、 (Samba がネットグループをサポートするようにコンパイルされている場合) まず NIS のネットグループ、更に UNIX のグループデータベースにおいて、 該当する名前のグループがないかが検索され、 その名前のグループに所属する全てのユーザ名に展開される。

ユーザ名が '+' から始まっている場合は、 UNIX のグループデータベースのみが検索され、 その名前のグループに所属する全てのユーザ名に展開される。

ユーザ名が '&' から始まっている場合は、 (Samba がネットグループをサポートするようにコンパイルされている場合) NIS のネットグループのみが検索され、 その名前のグループに所属する全てのユーザ名に展開される。

グループ名の検索には時間が掛かるため、 クライアントによっては検索がタイムアウトしてしまう場合があることに注意。

このパラメータにより、サービスへのアクセスがどのように行われるかの詳細については NOTE ABOUT USERNAME/PASSWORD VALIDATION のセクションを参照のこと。

このパラメータの同義語は user, users である。

デフォルト:

username = 
# ゲストサービスの時は、
guest account で設定されたアカウント、それ以外の時は <空文字列>

設定例:

username = fred, mary, jack, jane, @users, @pcgroup

username level (G)

このオプションは、 DOS クライアントの多くが送信する大文字化されたユーザ名から、 Samba が本当の UNIX のユーザ名を「推測」する際の手助けを行う。 デフォルトの場合、 Samba は全て小文字のユーザ名、 先頭の文字のみを大文字にしたユーザ名を順に試しても、 UNIX マシン上に該当するユーザ名がない場合は処理を失敗させる。

このパラメータに 0 以外の値を指定することで、この処理を変更できる。 このパラメータは、UNIX 側のユーザ名を確認する際に大文字が幾つ入ったユーザ名の組合せまで確認を行なうかを決定するものである。 大きい数字を指定する程、多くの組合せが確認されるため、 ユーザ名の確認作業は遅くなる。 このパラメータは、UNIX マシン上に AstrangeUser といった名前が存在する際に使用すること。

デフォルト:

username level = 0

設定例:

username level = 5

username map (G)

このオプションにより、 クライアント上とサーバ上でのユーザ名のマッピング情報を格納したファイルが指定される。 これは幾つかの目的で利用される。 通常は DOS や Windows マシンでユーザが利用しているユーザ名を UNIX マシン上でのユーザ名にマッピングする為に用いられるが、 複数のユーザを特定のユーザ名にマッピングすることで、 ユーザ間でのファイル共有を簡単に行なえるようにするために用いることも可能である。

ファイルは各行ごとに評価される。 各々の行は、左端に UNIX ユーザ名があり、'=' を挟んでその右側にユーザ名のリストが続く形式をとる。 右側のユーザ名のリストには、 グループ内のすべての UNIX ユーザ名に一致させる @group という形式を含めることもできる。 '*' はワイルドカードであり、任意の名前と一致する。 ファイルの各行は最大 1023 文字まで記述可能である。

ファイルの評価は、 提供されたユーザ名と '=' の右側の各ユーザ名とを各行毎に比較することにより行なわれる。 提供されたユーザ名が右側のどれかに一致すると、 提供されたユーザ名が一致したユーザ名に置き換わり、 引続き以降の行の処理が行なわれていくことになる。

'#' や ';' で始まる行は無視される。

'!' ではじまる行はがあると、 以降の行でユーザ名が一致した時点で比較処理は中止される。 それ以外の場合、この比較処理はすべての行に対して継続される。 ファイルの最後でワイルドカードによるマッピングを行なっている場合には、 '!' を使うとかなり便利である。

たとえば、adminadministrator といった名前から UNIX の root へのマッピングを行ないたい場合は、以下のように記述する:

root = admin administrator

また、UNIX の system グループに所属するユーザを sys という UNIX ユーザに置き換えるには、以下のように記述する:

sys = @system

username map のファイル中には幾つのマッピングの設定を行なっても構わない。

システムが NIS の NETGROUP オプションをサポートしている場合、 グループ名の一致処理を行なう際には、 /etc/group データベースより先にネットグループのデータベースが調べられる。

空白を含む Windows のユーザ名は、 ダブルクォートで両側を括って記述する。たとえば、

tridge = "Andrew Tridgell"

は、Windows のユーザ名 "Andrew Tridgell" を UNIX のユーザ名 "tridge" に置き換える。

以下の例は、 mary と fred を UNIX ユーザ sys に置き換え、 そのほかのユーザを guest に置き換える。 '!'を利用することで、一致した行以降の処理を抑止していることに注意。

!sys = mary fred
guest = *

ユーザ名が現われる箇所全てに置き換えの結果が適用されることに注意。 例えば、\\server\fred に接続する場合、 fredmary に置き換えられる場合は、 実際に接続する先は \\server\mary であり、パスワードも fred ではなく、mary のものを入力することが必要になる。この唯一の例外は、(設定している場合に) password server に対してユーザ名を送出するときである。 password server は、 クライアントが提供したユーザ名を修正なしでそのまま受け取る。

逆のマッピングは行われないことにも注意。この影響が現われるのは印刷時である。 Windows for Workgroup におけるプリントマネージャは、 置き換えが行われたユーザが印刷ジョブを所有していないと判断するため、 印刷ジョブ削除時にトラブルが発生する。

デフォルト:

username map = 
# username map は設定されていない

設定例:

username map = /usr/local/samba/lib/users.map

use sendfile (S)

このパラメータが yes であり、 Samba が --with-sendfile-support オプション付きでビルドされており、かつ Samba の動作する OS で sendfile システムコールがサポートされている場合、いくつかの SMB read コール (主に ReadAndX と ReadRaw) において排他的 oplock が行なわれているファイルに対して効率的な sendfile システムコールが使用される。これにより、システムの CPU の効率的な使用が行なわれ、 Samba の動作も高速化するだろう。このオプションは効果が充分に把握されておらず、デフォルトでは無効になっている。

デフォルト:

use sendfile = no

use spnego (G)

この値により、 Samba が Windows 2000 や Windows XP クライアントの間で行なわれる認証の際に Simple and Protected NEGOciation (RFC2478 で規定) の使用を試みるかどうかが制御される。 SPNEGO の実装に問題点が発見されない限り、 これを無効にする必要性はない。

デフォルト:

use spnego = yes

utmp (G)

この真偽値パラメータは、 Sambaが --with-utmp オプションで configure され、コンパイルされた時にのみに有効である。 このパラメータを yes に設定することで、 Sambaは utmp または utmpx レコード(UNIXシステムに依存)に、 Sambaサーバへの接続時の情報を追加するようになる。 このパラメータにより、 Sambaの共有への接続を記録することが可能になる。

utmp レコードの仕様のため、接続する個々のユーザ毎に一意な識別子が生成されている必要がある。 この、オプションを有効にすることで、 n^2 アルゴリズムを使ってその番号を検索する処理が発生する。 大規模システムの場合、この処理がパフォーマンスに影響を与える場合も考えられる。

utmp directory パラメータも参照のこと

デフォルト:

utmp = no

utmp directory (G)

このパラメータは、 Sambaが --with-utmp オプションで configure され、コンパイルされた時にのみに有効である。 このパラメータは、 Sambaサーバへの接続を記録する utmp または utmpx ファイル (UNIXシステムに依存)が存在するディレクトリを指定する。 utmp パラメータも参照のこと。 デフォルトではこの値は設定されない。 この場合、システムが利用している utmp ファイルが使われる (Linux の場合、通常 /var/run/utmp にある)。

デフォルト:

utmp directory = 
# 自動的に決定される

設定例:

utmp directory = /var/run/utmp

-valid (S)

このパラメータにより、共有が適切に構成され、使用可能かどうかが設定される。 このパラメータを false に設定した場合、いかなる方法を用いても、共有を表示したり、共有に対してアクセスしたりすることができなくなる。

このオプションは一般ユーザが利用すべきものではなく、開発者の利便性のために設けられている。 Samba はこのオプションを内部的に用いて、共有が削除されたことを記録している。

デフォルト:

-valid = yes

valid users (S)

サービスにアクセスできるユーザのリストを指定する。 '@'、'+'、'&' からはじまる名前は、 invalid users パラメータで説明した規則にしたがって解釈される。

このパラメータが設定されていない場合(既定値)、どのようなユーザでもログインできる。このリストと invalid users の両方に含まれるユーザのアクセスは拒否される。

%S は、現在のサービス名に置き換えられる。 これは [homes] セクションで用いると便利である。

invalid users も参照のこと。

デフォルト:

valid users = 
# valid users list なし (誰でもログインできる)

設定例:

valid users = greg, @pcusers

veto files (S)

このパラメータは、 一覧することもアクセスすることもできないファイルとディレクトリのリストを指定する。 リストの各エントリは '/' で区切ること。これにより、 エントリ中に空白文字を用いることが可能になっている。 '*'と '?'は DOS のワイルドカードと同様、 複数のファイルやディレクトリを指定するために利用できる。

各エントリはDOSの形式ではなく、 UNIXでのパス形式である必要があり、 UNIX のディレクトリ区切りである '/'を含めてはならない

case sensitive オプションが、 この処理に影響することに注意。

veto files パラメータの利用に際して注意すべき重要な点が、 ディレクトリ削除時の動作である。 削除されるディレクトリに veto files パラメータに一致するファイルが存在する場合、 delete veto files パラメータが yes でない限り、削除は失敗する。

このパラメータを設定した場合は、 ファイルやディレクトリの一覧を取得する際、 すべてのファイルとディレクトリについて、 このパラメータのマッチング処理が行なわれるようになるため、 Samba の性能に影響が発生する。

hide files case sensitiveも参照のこと。

デフォルト:

veto files = 
# アクセスできないファイルやディレクトリはない

設定例:

veto files = 
; Veto any files containing the word Security,
; any ending in .tmp, and any directory containing the
; word root.
veto files = /*Security*/*.tmp/*root*/

; Veto the Apple specific files that a NetAtalk server
; creates.
veto files = /.AppleDouble/.bin/.AppleDesktop/Network Trash Folder/

veto oplock files (S)

このパラメータは、oplocks パラメータが有効になっている共有でのみ意味がある。 Samba の管理者は、このパラメータを使って リストにマッチしたファイルに対する oplock を禁止することができる。 リストは veto files パラメータで利用されているものと同様の形式である。

クライアントによるロック競合が激しいファイルに対して、 このオプションを適用したいということがあるだろう。 例としては NetBench SMB ベンチマーク・プログラムがある。 このプログラムは 「.SEM」 で終わる名前のファイルに対して激しい競合を発生させる。 これらのファイルに対する oplock を禁止するためには、 以下のように指定する ([global] セクションか、 Net Bench 用の共有のいずれかにおいて):

デフォルト:

veto oplock files = 
# oplock 取得を禁止されるファイルやディレクトリはない

設定例:

veto oplock files = /.*SEM/

vfs object

このパラメータは vfs objects の同義語である。

vfs objects (S)

このパラメータは、 Samba の VFS I/O 操作において用いられる共有オブジェクトを指定する。デフォルトでは通常のディスク I/O 操作が行なわれるが、 VFS オブジェクトによりこの操作を変更することが可能である。

このパラメータの同義語は vfs object である。

デフォルト:

vfs objects = 

設定例:

vfs objects = extd_audit recycle

volume (S)

このパラメータにより、共有のボリュームラベルの設定が可能になる。 これは、特定のボリューム名が必要なインストールプログラムを格納した CD-ROM を共有する際に便利である。

デフォルト:

volume = 
# 共有名と同じ

wide links (S)

このパラメータは、 UNIXファイルシステム上のリンクをサーバが追跡するかどうかを制御する。 サーバが公開するディレクトリツリー内部へのリンクは、 常に許可されている。このパラメータは、 公開されているディレクトリツリー外部へのアクセスを制御する。

このパラメータを no に設定すると、 リンク先のチェックを行なうための余分なシステムコールを実行する必要があるため、 サーバのパフォーマンスに悪影響を及ぼすことに注意。

デフォルト:

wide links = yes

winbind cache time (G)

このパラメータにより、 winbindd(8) デーモンが Windows NT Server に問い合わせを行なう代わりにキャッシュしたユーザとグループの情報を使用する時間を秒単位で指定する。

デフォルト:

winbind cache time = 300

winbind enable local accounts (G)

このパラメータは、winbindd が ('add user script' などの) smb.conf の中で定義された他のアカウント管理フックの替わりとして動作するか しないかを指定することができる。 もし有効にされると、winbindd は新たな UNIX アカウントの情報源として、 getpwnam() や getgrgid() などで取得可能なローカルユーザやグループの 作成を行うことができる。

デフォルト:

winbind enable local accounts = yes

winbind enum groups (G)

非常に大規模な環境において、 winbindd(8) を使用する際には、 setgrent(), getgrent()endgrent() といったシステムコール群の呼び出しによるグループの一覧取得を抑止する必要があるかも知れない。 winbind enum groups パラメータが no の場合、 getgrent() システムコールの呼び出しは、全くデータを返却しない。

警告: グループ一覧(enumeration)を無効にするとプログラムによっては異常動作を引き起こす恐れがある。

デフォルト:

winbind enum groups = yes

winbind enum users (G)

非常に大規模な環境において、 winbindd(8) を使用する際には、 setpwent(), getpwent()endpwent() といったシステムコール群の呼び出しによるユーザの一覧取得を抑止する必要があるかも知れない。 winbind enum users パラメータが no の場合、 getpwent() システムコールの呼び出しは、全くデータを返却しない。

警告: ユーザ一覧(enumeration)を無効にするとプログラムによっては異常動作を引き起こす恐れがある。 例えば、finger プログラムは、全てのユーザの一覧にアクセスできる前提で、ユーザ名のマッチングを行なっている。

デフォルト:

winbind enum users = yes

winbind separator (G)

このパラメータは、 DOMAIN \user の形式でユーザ名を表示する際に使用される区切り文字を指定する。 このパラメータは UNIX のサービスが pam_winbind.so および nss_winbind.so モジュールを使用する時のみ適用される。

+ 文字は NIS において /etc/group 中で特別な意味を持っているため、このパラメータを + に設定した場合、少なくとも glibc システムにおいては問題が発生する。

デフォルト:

winbind separator = '\'

設定例:

winbind separator = +

winbind trusted domains only (G)

このパラメータは、Samba が管理するドメインの、他の Samba メンバーサーバに対して、NIS、rsync や LDAP で配布されている UNIX アカウントの uid を、プライマリドメインの winbindd ユーザの uid として使用するのを目的として設計された。したがって、'SAMBA\user1' というユーザは、新しい uid が割り当てられる代わりに /etc/passwd の 'user1' というアカウントに割り当てられる。

デフォルト:

winbind trusted domains only = no

winbind use default domain (G)

このパラメータにより、 winbindd(8) デーモンが、ドメイン名が付加されていないユーザ名を扱う方式が指定される。ドメイン名が付加されていないユーザは、winbindd サーバのドメインのものとして扱われる。 Windows ユーザにとっては、どちらでもよい話であるが、 SSH, FTP や e-mail を利用する際に、 UNIX システム本来のやり方に近い方法で指定することが可能となる。

デフォルト:

winbind use default domain = no

設定例:

winbind use default domain = yes

wins hook (G)

Samba が WINS サーバとして動いている場合、このオプションによって、 WINS データベースに対して変更が行なわれる度に外部のプログラムが起動されるようになる。このオプションの主な目的は、ダイナミック DNS のような外部の名前解決データベースの動的な更新を実現することである。

wins hook パラメータは、以下の形式で呼びだされるスクリプト又は実行形式のプログラムを指定する。

wins_hook operation name nametype ttl IP_list

  • 最初の引数は操作の指定であり、 "add", "delete", "refresh" のいずれかを取る。 ほとんどの場合、残りのパラメータで提供される情報が不足している場合、操作は無視される(訳注: sufficient は insufficient の typo と思われる)。 "refresh" は名前がまだ追加されていない時点で呼び出されることがあるので注意。この場合操作は add として扱われる。

  • 3番目の引数は NetBIOS名のタイプで、2桁の16進数である。

  • 4番目の引数は 名前の TTL(生存時間) で秒数単位である。

  • 5番目以降の引数は、その名前で現在登録されているIPアドレスである。リストが空の場合、名前は削除される。

BIND の動的なDNS更新プログラムである nsupdate を呼び出すスクリプトのサンプルが、 Samba ソースコードの examples ディレクトリに格納されている。

デフォルト: なし

wins partners (G)

WINS の複製を行なう複製パートナの IP アドレスをスペースで区切って列挙する。 WINS パートナは常にプッシュ/プルパートナとして設定される。これは片方向の WINS 複製は信頼性が低いためである。 Samba サーバ間での WINS 複製は現在検証段階であり、信頼性が低い。

デフォルト:

wins partners = 

デフォルト:

wins partners = 192.168.0.1 172.16.1.2

wins proxy (G)

この真偽値パラメータにより、 nmbd(8) が別のホストの代理としてブロードキャストによる名前問い合わせに応答するかどうかが設定される。古いクライアントの為に、このパラメータを yes にする必要があるかも知れない。

デフォルト:

wins proxy = no

wins server (G)

このパラメータは、 nmbd(8) が名前を登録する WINS サーバの IP アドレス(もしくはDNS名: IPアドレスが望ましい)を指定する。ネットワークに WINS サーバが存在している場合は、このパラメータを WINS サーバの IP アドレスに設定すること。

複数サブネットからなるネットワークの場合は、このパラメータで WINS サーバを指定すべきである。

複数の名前空間が存在している場合、各々の WINS サーバに「タグ」をつけることが可能である。同じタグのついたサーバ内では 1 台の(動作中の)サーバに対してのみ、名前の問い合わせが行なわれる。タグは IP アドレスの後ろにコロン(:)に続いて記述する。

Note

複数のサブネットからなるネットワークで、サブネット越しのブラウジングを正しく機能させたい場合は、 Samba で WINS サーバの設定を行なう必要がある。

??? を参照のこと。

デフォルト:

wins server = 

設定例:

wins server = mary:192.9.200.1 fred:192.168.3.199 mary:192.168.2.61
	
# この例では、名前の問い合わせを行なう際に、 192.9.200.1 に最初に問い合わせが行なわれる。応答がなかった場合は、 192.168.2.61 に問い合わせが行なわれる。いずれのサーバからにも名前が存在しなかった場合、 192.168.3.199 に対して問い合わせが行なわれる。

設定例:

wins server = 192.9.200.1 192.168.2.61

wins support (G)

この真偽値パラメータにより、 Samba の nmbd(8) プロセスを WINS サーバして機能させるかどうかが設定される。複数サブネットに及ぶネットワークを構築しており、いずれかの nmbd を WINS サーバとして機能させようとしない限り、このパラメータを yes にしないこと。

ネットワーク上の複数のマシンで、このパラメータを yes に設定することが絶対にないように注意すること。

デフォルト:

wins support = no

workgroup (G)

これは、クライアントが問い合わせを行なった際に、サーバが表示されるワークグループを設定する。このパラメータにより、 security = domain の設定におけるドメイン名も設定されることに注意。

デフォルト:

workgroup = WORKGROUP

設定例:

workgroup = MYGROUP

writable

このパラメータは writeable の同義語である。

writeable (S)

read only の反意語である。

このパラメータの同義語は writable である。

デフォルト: なし

write cache size (S)

この数値パラメータを 0 以外に設定すると、 Sambaは oplock された各ファイルに対してメモリキャッシュを作成するようになる (oplock されないファイルに対しては 行なわれない 。 クライアントがディスクへの書き出しを直接要求していない書き込みは全て、 可能な限りこのキャッシュに蓄積される。 キャッシュはキャッシュに適さない位置からの書き込みが行なわれた時か、 ファイルがクライアントによってクローズされた時に書き出される。 データがキャッシュ中に存在していれば、 ファイルからの読み出しにキャッシュが使用される。

Sambaは、このキャッシュにより、 RAID ディスクに対して適切な書き込みサイズでクライアントからの書き込みを処理できるようになり (例えば、書き込みサイズをRAIDのストライプサイズに合わせる)、 ディスクサブシステムがボトルネックとなっているが、 ユーザ空間のプログラム向けの空きメモリがあるシステムのパフォーマンスを向上させることができる。

この数値パラメータにより、(oplock を行なったファイル単位での) キャッシュサイズがバイト単位で指定される。

デフォルト:

write cache size = 0

設定例:

write cache size = 262144
# 1 ファイルあたり 256k のキャッシュサイズを確保

write list (S)

サービスに対して読みとりおよび書き込み権が与えられるユーザのリストである。 接続したユーザがこのリストに存在している場合は、 例え read only オプションがnoであっても書き込み権が与えられる。このリストには、 @group という形式を用いることでグループ名を含めることもできる。

read list と write list の両方に存在するユーザには、 書き込み権が与えられることに注意。

read list オプションも参照のこと。

デフォルト:

write list = 

設定例:

write list = admin, root, @staff

write ok (S)

read only の反意語である。

デフォルト: なし

write raw (G)

このパラメータは、クライアントからのデータ転送時に、 サーバ側で raw write SMB のサポートを行なうかどうかを制御する。 このパラメータを変更する必要はないだろう。

デフォルト:

write raw = yes

wtmp directory (G)

このパラメータは、 Sambaが --with-utmp オプションで configure され、コンパイルされた時にのみに有効である。 このパラメータは、 Sambaサーバへの接続を記録する wtmp または wtmpx ファイル (UNIXシステムに依存)が存在するディレクトリを指定する。 utmp directory との違いは、ユーザ情報がユーザのログオフ後も記録され続ける点である。

utmp パラメータも参照のこと。デフォルトではこの値は設定されない。 この場合、システムが利用している utmp ファイルが使われる (Linux の場合、通常 /var/run/wtmp にある)。

デフォルト:

wtmp directory = 

設定例:

wtmp directory = /var/log/wtmp

警告

設定ファイルでは、スペースを含むサービス名も利用できるが、 クライアント側のソフトウェアで禁止されているかもしれない。 文字列比較を行なう際にスペースは常に無視されるため、 問題は発生しないはずであるが、可能性は考慮しておく必要がある。

同様の注意事項として、多くのクライアント、特に DOS クライアントでは、サービス名が最長8文字に制限されている。 smbd(8) にはそのような制限はなく、 こうしたクライアントからの接続要求は、サービス名が切り捨てられてしまう ために失敗することになる。このため、サービス名の長さは、最大 8 文字に制限すべきである。

[homes] および [printers] という特殊セクションにより、 管理者の負担を軽減することができるが、デフォルトの設定の組合せ方に よっては、予期しない設定が行なわれる可能性もある。これらのセクションの 設定を行なう際には、特に注意深く行なうこと。特にスプールディレクトリの パーミッションが適切であることを確認しておくこと。

バージョン

このマニュアルページは Samba 3.0 対応のものである。

関連項目

samba(7), smbpasswd(8), swat(8), smbd(8), nmbd(8), smbclient(1), nmblookup(1), testparm(1), testprns(1).

作者

オリジナルの Samba ソフトウェアと関連するユーティリティは、 Andrew Tridgell によって作成された。現在 Samba は Samba Team によって、 Linux カーネルの開発と同様のオープンソースプロジェクトとして開発が 行なわれている。

オリジナルの Samba マニュアルページは Karl Auer によって 作成された。マニュアルページは YODL 形式 ( ftp://ftp.icce.rug.nl/pub/unix/ で入手可能な優れた オープンソースソフトウェア) に変換され、Samba 2.0 リリースに伴い、 Jeremy Allison によって更新された。Samba 2.2 における DocBook 形式への変換は、Gerald Carter によって行なわれた。Samba 3.0 における DocBook XML 4.2 形式への変換は Alexander Bokovoy によって行われた。

日本語訳

  • たかはしもとのぶ (monyo@samba.gr.jp)