Oracle Database 11g Release 2のインストール

 Install Navigator for Oracleを使用した、Oracle Database 11gのインストール方法について解説します。なお、ここではOracle Database 11g Release 2 (11.2.0.1.0)を使用します。詳細につきましては、Oracle Database 11gのインストレーションガイドやリリースノートをご覧ください。


目次

  1. 準備
  2. Oracle DVD-ROM のマウント
  3. Install Navigator for Oracle の起動
  4. 項目の選択
  5. ソースメディアの選択
  6. バージョンの確認
  7. ユーザーアカウント情報の入力
  8. ユーザー属性情報の入力
  9. Oracle 用の環境変数の設定
  10. NLS_LANG の設定
  11. Oracle 用の環境変数の追加
  12. 他の環境変数の設定
  13. 環境変数の確認
  14. Apache 用の環境変数の設定
  15. Oracle のインストール確認
  16. Oracle のインストール開始

    1. 準備

       Oracle のインストール作業に入る前に、以下のものを準備してください。またOracleに付属の「リリースノート」には、制限事項や注意事項が記載されているので、必ず目を通してください。

      1. Oracle DVD-ROM (Database DVD)を用意する。
        Oracle Database 11gには、複数のDVD-ROMがあります。本書ではDatabase DVDを想定しています。

      2. Oracle インストール用アカウント名 を決めておく。
        デフォルト値は oracle です。アカウントの作成は不要です。

      3. Oracle インストール用グループ名 を決めておく。
        デフォルト値は oinstall です。グループの作成は不要です。

      4. Oracle データベース管理者用グループ名を決めておく。
        デフォルト値は dba です。グループの作成は不要です。

      5. 作成する Oracle データベースの SID を決めておく。
        デフォルト値は orcl です。

      6. Oracle データベースを格納する場所 ( パス名 ) を決めておく。
        Install Navigator for Oracleでは、Oracle Database 11g Release 2(11.2.0) の場合、既定値として/opt/app/oracle/product/11.2.0/db_1 を設定します。

    2. Oracle DVD-ROMのマウント

       AsianuxはDVD-ROMを自動マウントします。そのため手動でのマウント操作は不要です。もし自動的にマウントされないときには、root でログインして、次のコマンドを実行してください。

      $ su -
      # mkdir -p /mnt/cdrom
      # mount /dev/cdrom /mnt/cdrom


    3. Install Navigator for Oracle の起動

      Install Navigator for Oracle を起動するには、root ユーザーで次のコマンドを実行します。

      # oranavi &

    4. 項目の選択

       Install Navigator for Oracle の起動画面が表示されます。

      メニュー

      • Oracle DBMS のインストール
         Oracle データベースのインストールを行います。

      • Oracle AS(Application Server) のインストール
         Oracle アプリケーションサーバーのインストールを行います。

      • Oracle データベース自動起動/停止の設定
         Oracle データベースの起動/停止と、システムの起動/停止が連動するように設定します。

       実行する項目を選択し、[進む] をクリックしてください。


    5. ソースメディアの選択

       Oracleのインストールメディアを指定します。ローカルマシンのハードディスク上、もしくはネットワーク上のほかのマシンにあるときには、runInstallerのあるディレクトリを指定します。

      ソースメディアの選択 画面をクリックすると
      「ソースメディアの選択」画面の
      拡大画面が表示されます。

      • DVD-ROM
         Oracle DVD-ROM からインストールします。
         DVD-ROM を DVD-ROM ドライブに入れ、[進む] をクリックします。

        エラー

        • Oracle DVD-ROM が DVD-ROM ドライブにセットされていない場合には、 エラー が表示されます。
          Oracle DVD-ROM を DVD-ROM ドライブに入れてから [OK] をクリックしてください。
          [キャンセル] をクリックすると「ソースメディアの選択」画面に戻ります。

        • Oracle DVD-ROM ではない DVD-ROM の場合には、 エラー が表示されます。
          DVD-ROM を確認して、Oracle DVD-ROM を DVD-ROM ドライブに入れてから、 [OK] をクリックします。
          DVD-ROM からのインストールを取り止める場合は、[キャンセル] をクリックします。

        • 対応していないバージョンの DVD-ROM の場合には、 エラー が表示されます。
          DVD-ROM からのインストールを取り止める場合は、[キャンセル] をクリックします。

      • ハードディスク
         お使いのコンピュータのハードディスクに格納されている DVD-ROM イメージを使用する場合や、ネットワークに接続されている他のコンピュータ上の Oracle DVD-ROM を利用する場合に選択します。
         この場合は、インストール対象のコンピュータにDVD-ROM ドライブが無くてもインストールできます。
         [ハードディスク]を選択し、Oracle DVD-ROM の内容が格納されているディレクトリのパス名を「パス」に指定し、[進む] をクリックします。
         なお、ネットワークを利用してインストールする場合は、あらかじめ他のコンピュータのファイルシステムをマウントしておく必要があります。

        エラー

        • Oracle DVD-ROM の内容が指定されたパスに入っていない場合には、 エラー が表示されます。[OK] をクリックして、指定したパス名を確認してください。

       [戻る] をクリックすると「項目の選択」画面に戻ります。
       [閉じる(C)] をクリックすると Install Navigator for Oracle の 終了を確認する画面 が表示されます。 終了してよければ [OK] を、終了しない場合は [キャンセル] をクリックします。


    6. バージョンの確認

       インストールしようとするOracle製品のバージョンが表示されます。このままでよいときには[OK]をクリックします。インストールしようとしているものではないときには、[キャンセル]をクリックします。

      バージョンの確認

       インストールしようとするバージョンであることを確認して [OK] をクリックします。
       もし、インストールしようとしていたものではない場合には、 [キャンセル] をクリックしてください。 「ソースメディアの選択」画面に戻ります。

       


    7. ユーザーアカウント情報の入力

       Oracle のユーザーアカウント情報入力画面が表示されます。

      ユーザーアカウント情報の入力

      • インストール用グループ
         Oracle のインストール用グループ名です。
         既定値として「 oinstall 」が設定されています。

      • 管理者用グループ
         Oracle の管理者用グループ名です。
         既定値として「 dba 」が設定されています。

      • ユーザー名
         Oracle のインストールおよび管理用ユーザー名です。
         既定値として「 oracle 」が設定されています。

       必要に応じて内容を修正して、[進む] をクリックします。
       前の画面の入力情報から修正したい場合には、[戻る] をクリックします。
       [閉じる(C)] をクリックすると Install Navigator for Oracle の 終了を確認する画面 が表示されます。 終了してよければ [OK] を、終了しない場合は [キャンセル] をクリックします。

      警告

      • 同じ名前のユーザーが既に存在するときには、 警告画面が表示されます。
        既存のユーザーを利用してよければ [OK] をクリックしてください。 ただし、そのユーザーは少なくとも「dba」グループに属している必要があります。
        他のユーザー名を使用する場合は [キャンセル] をクリックします。

    8. ユーザー属性情報の入力

       Oracle のユーザー属性情報入力画面が表示されます。

      ユーザーアカウント情報の入力

      • パスワード
         ユーザー名に対するパスワードを設定します。

      • パスワード(再入力)
         パスワードの確認のため再度同じパスワードを入力します。

      • ホームディレクトリ
         ユーザーのホームディレクトリを設定します。
        既定値として「/home/ユーザー名」が設定されています。

       必要があれば修正して、[進む] をクリックします。
       前の画面の情報を修正したい場合は、[戻る] をクリックします。
       [閉じる(C)] をクリックすると Install Navigator for Oracle の 終了を確認する画面 が表示されます。 終了してよければ [OK] を、終了しない場合は [キャンセル] をクリックします。

      エラー

      • パスワードが入力されていない場合には、 エラー が表示されます。 [OK] をクリックして、 パスワードを2回入力してください。
      • 2回入力されたパスワードが一致しない場合には、 エラー が表示されます。 [OK] をクリックして、 もう一度パスワードを2回入力し直してください。

    9. Oracle 用の環境変数の設定

       Oracle 用の環境変数入力画面が表示されます。

      環境変数の設定

      • ORACLE_BASE
         Oracle データベースの基本となるディレクトリです。

      • ORACLE_HOME
         Oracle のソフトウェアを格納するディレクトリです。
         ORACLE_BASE 配下のディレクトリ名を指定します。

      • ORACLE_SID
         同一コンピュータ上でデータベースをユニークに認識するための名前です。

       NLS_LANG 等、他の環境変数を独自に設定したい場合は、[その他の環境変数に典型的な値を設定します] をクリックしてチェックをはずしてください。

       必要があれば修正を行って、[進む] をクリックします。
       前の画面の情報を修正したい場合は、[戻る] をクリックします。
       [閉じる(C)] をクリックすると Install Navigator for Oracle の 終了を確認する画面 が表示されます。 終了してよければ [OK] を、終了しない場合は [キャンセル] をクリックします。

       [その他の環境変数に典型的な値を設定します] を選択した場合には(既定値)、 「Apache 用の環境変数の設定」に進みます。


    10. NLS_LANG の設定

       Oracle 用の環境変数 NLS_LANG 設定画面が表示されます。

      NLS_LANGの設定

       Asianux 2.0以降ではシステムのデフォルトロケールがUTF-8になっています。その場合こちらで設定するNLS_LANGのデフォルトは"Japanese_Japan.AL32UTF8"になっています。

       表示されているものから選択する場合はその値をクリックし、表示されているもの以外に設定したい場合は、[その他] をクリックして入力欄に値を入力して、[進む] をクリックします。

      NLS_LANG設定のヒント
       「NLS_LANG=Japanese_Japan.AL32UTF8」と設定した場合、日本語のメッセージが選択されるため、コンソール上でOracleを使用すると文字化けが発生します。これはX-Windowを起動する前の標準コンソールが日本語に対応していないためです。この文字化けは表示上の話しですので、使用上の問題はありません。また起動/停止時のログは /var/log/boot.log に保存されますので、あとで確認することもできます

       メッセージを英語にすることで、自動起動/停止時の文字化けの問題を回避できます。メッセージを英語表示にするときには、NLS_LANGに次のいずれかの値を設定します。
      • American_America.AL32UTF8
      • American_Japan.AL32UTF8
       ただし前者の場合、地域(NLS_LANGの2番目の部分)もAmericaになっているので、日付のデフォルト表示形式が欧米形式になり、次のようなSQL文は失敗します。この問題を回避するには、DATE型カラムへのインサートにTO_DATE関数を使用する方法があります。

       insert into foo values('02-12-31')

       また後者のように、言語(NLS_LANGの先頭部分)だけをAmericanにすることによって、メッセージだけを英語にして、日付などの表示はYYMMDDのような日本形式を使用することもできます。


    11. Oracle 用の環境変数の追加

       追加される Oracle 用の環境変数のリストが表示されます。

      Oracle用の環境変数の追加

       表示された環境変数の設定を .bash_profile に追加してもよい場合は、 [はい] が選択されている状態(既定値)で [進む] をクリックします。
       既に示された環境変数の設定が追加されている場合は、 [いいえ] をクリックしてから [進む] をクリックします。


    12. 他の環境変数の設定

       他の環境変数の定義を設定することができます。

      他の環境変数の設定

       左の欄に設定したい環境変数名を入力し、 右の欄にその環境変数に設定したい値を入力します。
       設定したいすべての環境変数(最大8個)の名前と値を入力したら、 [適用] をクリックしてから、[進む] をクリックします。
       設定する環境変数がない場合は、[進む] をクリックしてください。


    13. 環境変数の確認

       設定される環境変数の一覧が表示されます。

      環境変数の一覧

       確認して [OK] をクリックします。


    14. Apache 用の環境変数の設定

       Oracle データベースのための環境変数を Apache の設定ファイルに追加します。

      Apache への追加

       追加してよければ [はい] が選択されている状態(既定値)で [進む] をクリックします。
       既に Oracle をインストールしてある等、 Apache の設定に定義を追加する必要がない場合は [いいえ] をクリックしてから [進む] をクリックします。


    15. Oracle のインストール確認

       Oracle DBMS のインストールを開始するかどうかの確認画面が表示されます。

      Oracle のインストール確認

       すぐにインストールを開始する場合は [進む] をクリックします。  もう一度設定項目等を確認したい場合は [戻る] をクリックします。
       インストールを開始する前に他の設定等を行う場合は [閉じる(C)] をクリックします。


    16. Oracle のインストール開始

       Oracle Universal Installer の指示に従って Oracleデータベースをインストールします。


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