Oracle Application Server 10g Release2 (10.1.2.0.2) のインストール <J2EE and WebCache編>

 ここではInstall Navigator for Oracleを使用した、Oracle Application Server 10gのインストール方法を解説します。
 なお、今回はOracle Application Server 10g  Release2(10.1.2.0.2)を使用しています。バージョンによっては、多少異なる部分もございますのでご了承ください。詳細につきましてはご使用になるバージョンのOracle Application Server 10gのインストールガイドおよびリリースノートをご覧ください。


目次

  1. 準備
  2. インストール要件を確認する
  3. Host名の設定を確認
  4. Oracle CD-ROM のマウント
  5. Install Navigator for Oracle の起動
  6. 項目の選択
  7. ソースメディアの選択
  8. バージョンの確認
  9. ユーザーアカウント情報の入力
  10. ユーザー属性情報の入力
  11. Oracle 用の環境変数の設定
  12. NLS_LANG の設定
  13. Oracle 用環境変数の追加
  14. 他の環境変数の設定
  15. 環境変数の確認
  16. Apache用環境変数追加の確認
  17. Oracle のインストール確認
  18. Oracle Universal Installer の起動
  19. インベントリの場所の指定
  20. orainstRoot.sh の実行
  21. インストール先ディレクトリの確認
  22. インストール製品の選択
  23. インストールタイプの選択
  24. 製品固有の前提条件チェック
  25. インストール前の要件の確認
  26. 構成オプションの選択
  27. ポート構成オプションの指定
  28. インスタンス名および ias_admin パスワードの作成
  29. Oracle インストールサマリ
  30. CD-ROMの交換
  31. root.shの実行
  32. 構成ツールの実行
  33. インストールの終了

 

  1. 準備

            Oracle のインストール作業に入る前に、以下のものを準備してください。またOracle Application Server 10g に付属の「リリースノート」には、制限事項や注意事項が記載されているので、必ず目を通してください。

    1. Oracle Application Server 10g(10.1.2.0.2)  CD-ROM (Disk 1 - 4) 又は Oracle Application Server 10g (10.1.2.0.2) and Documentation DVD (Disk 1 - 2)
    2. Oracle インストール用アカウント名 を決めておく。
      既定値は oracle です。アカウントの作成は不要です。
    3. Oracle インストール用グループ名 を決めておく。
      既定値は oinstall です。グループの作成は不要です。
    4. Oracle データベース管理者用グループ名を決めておく。
      既定値は dba です。グループの作成は不要です。
    5. OracleAS 10g インスタンス名を決めておく。
      既定値はありません。
    6. OracleAS 10gをインストールする場所 ( パス名 ) を決めておく。
      既定値はありません。

  2. インストール要件を確認する

     Oracle Application Server 10g Release2 J2EE環境をインストールするには、下記の要件を満たしている必要があります。これはR10.1.2.0.2の場合です。異なるバージョンでは条件が異なりますので、それぞれのリリースノートやインストレーションガイドをご覧ください。メモリについては、512MBのマシンでもインストールできますが、そのときにはメモリとスワップを合計して1.5GB以上になるように、スワップ領域を調整してください。

    Oracle Application Server 10g Release2 (10.1.2.0.2)
    CPU Pentium(32bit) 450MHz以上
    メモリ 最小構成で512MB以上、すべてのコンポーネントを動作させる場合には1.5GB

    Infrastructure:
     OracleAS Metadata Repository およびIdentity Management: 1GB
     Identity Management のみ: 1GB
     OracleAS Metadata Repository のみ: 1GB
    Oracle Application Server の中間層:
     J2EE and Web Cache: 512MB
     Portal and Wireless: 1GB
     Business Intelligence: 1GB
    OracleAS Developer Kits: 256MB(512MB 推奨)

    ディスク空き容量 OracleAS Infrastructure:
     OracleAS Metadata Repository およびOracle Identity Management: 3.7GB
    OracleAS Metadata Repository データベースのデータ・ファイルを、
    OracleAS Infrastructure をインストールするディスクとは異なるディスクに
    インストールできます。これを実行するには、データ・ファイル用のディ
    スクに1.3GB 以上の空き領域があることを確認してください。
     Oracle Identity Management のみ: 1.3GB
     OracleAS Metadata Repository のみ: 3.7GB
    Oracle Application Server の中間層:
     J2EE and Web Cache: 900MB
     Portal and Wireless: 1.2GB
     Business Intelligence and Forms: 2GB
    OracleAS Developer Kits: 710MB
    スワップ領域 1.5GB
    JDK OracleAS 10gR2 (10.1.2.0.2)では、JDK1.4.2_06-b03が同梱されている
    モニタ モニター256 色表示機能


  3. Host名の設定を確認
  4. /etc/hostsファイルにインストールしようとするサーバのドメイン名付きのホスト名を登録します。

    例)

    10.1.150.11    test1.miraclelinux.com test1

    複数のNICが搭載されたサーバの場合、Oracle10gASを起動させようとする必ず先に来るように記述します。


  5. Oracle CD-ROMのマウント

     MIRACLE LINUXはCD-ROMを自動マウントします。そのため手動でのマウント操作は不要です。もし自動的にマウントされないときには、root でログインして、次のコマンドを実行してください。


  6. Install Navigator for Oracle の起動

    Install Navigator for Oracle を起動するには、KDE メインメニューから 「設定」→「インストール ナビゲータ for Oracle 」をクリックします。この操作は root で行ってください。


  7. 項目の選択

    Install Navigator for Oracle の起動画面が表示されます。

    メニュー

     実行する項目を選択し、[次] をクリックしてください。


  8. ソースメディアの選択

     Oracle のインストールメディアを指定します。ローカルマシンのハードディスク上、もしくはネットワーク上のほかのマシンにあるときには、runInstaller のあるディレクトリを指定します。

    ソースメディアの選択

     [前] をクリックすると「項目の選択」画面に戻ります。
     [閉じる] をクリックすると Install Navigator for Oracle の 終了を確認する画面 が表示されます。 終了してよければ [OK] を、終了しない場合は [キャンセル] をクリックします。


  9. バージョンの確認

     インストールしようとするOracleのバージョンが表示されます。このままでよいときには[OK]をクリックします。インストールしようとしているものではないときには、[キャンセル]をクリックします。

    バージョンの確認

     インストールしようとするバージョンであることを確認して [OK] をクリックします。
     もし、インストールしようとしていたものではない場合には、 [キャンセル] をクリックしてください。 「ソースメディアの選択」画面に戻ります。


  10. ユーザーアカウント情報の入力

     Oracle のユーザーアカウント情報入力画面が表示されます。

    ユーザーアカウント情報の入力

     必要に応じて内容を修正して、[次] をクリックします。
     前の画面の入力情報から修正したい場合には、[前] をクリックします。
     [閉じる] をクリックすると Install Navigator for Oracle の 終了を確認する画面 が表示されます。 終了してよければ [OK] を、終了しない場合は [キャンセル] をクリックします。

    警告


  11. ユーザー属性情報の入力

     Oracle のユーザー属性情報入力画面が表示されます。

    ユーザーアカウント情報の入力

     必要があれば修正して、[次] をクリックします。
     前の画面の情報を修正したい場合は、[前] をクリックします。
     [閉じる] をクリックすると Install Navigator for Oracle の 終了を確認する画面 が表示されます。 終了してよければ [OK] を、終了しない場合は [キャンセル] をクリックします。

    エラー


  12. Oracle 用の環境変数の設定

     Oracle 用の環境変数入力画面が表示されます。

    環境変数の設定

     NLS_LANG 等、他の環境変数を独自に設定したい場合は、[その他の環境変数に典型的な値を設定します] をクリックして、チェックをはずしてください。
    ※ここではチェックをはずして[次]をクリックするようにしてください。

     必要があれば修正を行って、[次] をクリックします。
     前の画面の情報を修正したい場合は、[前] をクリックします。
     [閉じる] をクリックすると Install Navigator for Oracle の 終了を確認する画面 が表示されます。 終了してよければ [OK] を、終了しない場合は [キャンセル] をクリックします。


  13. NLS_LANG の設定

     Oracle 用の環境変数 NLS_LANG 設定画面が表示されます。

    NLS_LANGの設定

     表示されているものから選択する場合はその項目をチェックし、表示されているもの以外に設定したい場合は、 [その他] をチェックして入力欄に値を入力し、[次] をクリックします。
    ※ここでは[Japanese_Japan.AL32UTF8]を選択します。


  14. Oracle 用の環境変数の追加

     追加される Oracle 用の環境変数の一覧が表示されます。

    Oracle環境変数の追加

     表示された環境変数の設定を .bash_profile に追加してもよい場合は、[はい] が選択されている状態(既定値)で [次] をクリックします。既に示された環境変数の設定が追加されている場合は、[いいえ] をチェックしてから [次] をクリックします。


  15. 他の環境変数の設定

     他の環境変数の定義を設定することができます。

    他の環境変数の設定

     左の欄に設定したい環境変数名を入力し、 右の欄にその環境変数に設定したい値を入力します。
     ここでは画面のように PATH=/usr/bin:$PATH を設定します。
     設定したいすべての環境変数(最大8個)の名前と値を入力したら、 [適用] をクリックしてから、[次] をクリックします。
     設定する環境変数がない場合は、そのまま[次] をクリックしてください。


  16. 環境変数の確認

     設定される環境変数の一覧が表示されます。

    環境変数の一覧

     確認して [OK] をクリックします。
     ※上記画面はDB用の画面の為、実際のものと一部表記が異なっています。


  17. Apache用環境変数追加の確認

     ApacheにOracle接続用の環境変数を追加するかどうかの確認です。

    環境変数の一覧


  18. Oracle のインストール確認

     Oracle のインストールを開始するかどうかの確認画面が表示されます。

    Oracle のインストール確認

     すぐにインストールを開始する場合は [次] をクリックします。
     もう一度設定項目等を確認したい場合は [前] をクリックします。
     インストールを開始する前に他の設定等を行う場合は [閉じる] をクリックします。


  19. Oracle Universal Installer の起動

     Oracle Universal Installer が起動します。

    Welcome

     [次へ]をクリックして、先に進みます。




  20. インベントリの場所の指定

     インベントリを格納するディレクトリが表示されます。

    インベントリの場所の指定

     変更する必要があるときはディレクトリを入力します。
     変更する必要のないときはそのまま[次へ]をクリックしてください。




  21. orainstRoot.shの実行

     このコンピュータにはじめて Oracle 製品をインストールするときには、下記のウィンドウが表示されます。

    orainstRoot.shの実行

     コンソールを開き、指定されたシェルスクリプトを root ユーザーで実行します。

      # /opt/app/oracle/oraInventory/orainstRoot.sh

     コンソール上での実行が終了したら、[続行]ボタンをクリックします。


  22. インストール先ディレクトリの確認

    Oracleのインストール元とインストール先のディレクトリが表示されます。

    インストール先ディレクトリの確認

     デフォルトだとユーザホーム以下に作成されてしまいますので、あらかじめ準備した$ORACLE_HOMEをインストール先のパスとして設定します。


  23. インストール製品の選択

     使用ライセンスをお持ちのOracle Application Server 10g 製品を選択します。

    インストール製品の選択

     それぞれのメニューによってインストールされる製品は以下のとおりです。製品の詳細は、インストレーションガイドをご覧ください。ただし、ここに表示されているコンポーネントが必ずしもサポートされているとは限りません。サポート対象のコンポーネントにつきましては、OracleAS 10g のリリースノートをご確認ください。

         →ここでは、『Oracle Application Server 10g 10.1.2.0.2』を選択します。

     

     インストールする製品を選択したら、[次へ]をクリックします。
     これ以降は、Oracle Application Server 10g を選択した場合について、解説を続けます。


  24. インストールタイプの選択

     この画面では、インストールタイプを選択します。

    インストールタイプの選択

     インストールタイプは以下のとおりです。

    1. J2EE and Web Cache:
      Java2 Enterprise Edition(J2EE) アプリケーションを開発および配置する Web サーバーが提供されます。

    2. Portal and Wireless:
      企業ポータルおよびワイヤレス・アプリケーションを配置できます。
      「J2EE and Web Cache」インストールタイプで使用可能なすべてのコンポーネントが含まれます。

    3. Business Intelligence and Forms:
      Web アクセスログデータの分析、アプリケーションのパーソナライズ、Forms ベースのアプリケーションの使用、意思決定支援システムの配置および Web ベース・レポートの配布が可能になります。
      「Portal and Wireless」インストールタイプで使用可能なすべてのコンポーネントが含まれます。

     インストールタイプを選択したら、「次へ」をクリックします。
     ※ここでは[J2EE and Web Cache]を選択します。

  25. 製品固有の前提条件チェック

     インストーラが自動で要件項目をチェックします。

    製品固有の前提条件チェック

     ※ MIRACLE LINUX V4.0ではソフトウェア要件にある全てのパッケージが含まれないため、以下の二つのパッケージの存在チェックでエラーとなります。

    control-center-2.8.0-12 
    xscreensaver-4.18-5.rhel4.2

    これら二つはX-Windowシステムの標準が異なるRedhat向けであり、MIRACLE LINUXでは提供されません。動作上の問題はありませんので警告とされた箇所にチェックを入れて「次へ」をクリックして下さい。


  26. インストール前の要件の確認

     作業者が手動で実行する必要のある要件についての確認です。

    インストール前の要件の確認

     『ルート権限』の部分にチェックを入れて「次へ」をクリックして下さい。


  27. 構成オプションの選択

     インストールプロセス後に設定したいコンポーネントを選択し、「次へ」をクリックします。

    構成オプションの選択

     これらのコンフィグレーションツールはインストールの後に自動的に起動します。


  28. ポート構成オプションの指定

     ポートの設定方法を選択し、「次へ」をクリックします。

    ポート構成オプションの指定

     各プロセスが使用するPORT番号を自動または手動で設定するかを選択します。


  29. インスタンス名および ias_admin パスワードの作成

     OracleAS 10g インスタンス名とインスタンスに使用する ias_admin パスワードを入力します。

    インスタンス名およびias_adminパスワードの作成

     インスタンス名は英数字およびアンダースコア「_」文字のみを使用することができます。
     ias_admin パスワードは5文字以上の英数字からなり、少なくとも1文字は数字が含まれていなくてはなりません。
     入力されたパスワードがこれらの条件を満たさない場合はエラー画面が表示されますので、条件を満たすようなパスワードを再入力してください。

     入力が済んだら[次へ]をクリックします。


  30. Oracle インストールサマリ

     インストールするモジュールの一覧が表示されます。

    Summary

     これでよいときには[インストール]をクリックしてください。インストールが開始されます。


  31. CD-ROMの交換

     Oracle Application Server 10g の CD-ROM は4枚組みです。
     そのためインストール中に、次のような CD-ROM を交換するメッセージが表示されます。

    Change CD-ROM

     そのときには、次のいずれかの方法で CD-ROM を取り出してください。

     MIRACLE LINUXはCD-ROMを自動マウントします。そのため手動でのマウント操作は不要です。もし自動的にマウントされないときには、root でログインして、次のコマンドを実行してください。

     マウントされたら[OK]をクリックして、インストールを続けてください。




  32. root.shの実行

     インストールが終わると、root.sh の実行を指示する画面が表示されます。

    root.shの実行

     コンソールを開き、指定されたシェルスクリプトを root ユーザーで実行します。

     # /opt/app/oracle/product/10.1.2.0.2as/j2ee/root.sh

     コンソール 上での実行が終了したら、[OK]をクリックします。


  33. 構成ツールの実行

     先ほどの画面でOKをクリックすると、各種構成ツールが自動的に実行されます。順調に進んでいるときには、このまま何もしなくても大丈夫です。

     構成ツールの実行がエラーになった場合、$ORACLE_HOME/oraInventory以下に作成されている詳細なログをチェックし原因を修正した上で、再試行を行ってください。それでも状況が変わらないときには、インストーラを終了後、各ツールを個別に起動して再設定するか、手動で設定してください。

    構成ツールの実行


  34. インストールの終了

     これでインストールは終了です。[終了]をクリックして、インストーラーを終了します。

    インストールの終了

     インストール後の設定作業は、OracleAS 10g のインストレーションガイドやリリースノートをご覧ください。
     また、リリースノートを参照の上、配布されているパッチがある場合は必ず適用するようにしてください。


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